マジン・ゴー！な日々

​かつて”変身ベルト”は、仮面ライダーのお約束玩具だった。

光る！回る！変身ベルト！は大変な売り上げを作ったのだ。

しかし、当時の技術ではギャー！という、非常に雑なモーター音を撒き散らす本当にチャチな玩具でしかなかった。

それでも我々には夢の変身ベルトだったのだ。


だが、仮面ライダーの世代が、大人になるにつれで制作サイドの意識も変化していく。

『ベルトがあるから仮面ライダーは子供向けだと思われるんだ』である。

かくして、仮面ライダーから変身ベルトは無くなってしまった。


仮面ライダーという概念が、行き詰まった結果…とも言えるかもしれない。

そして仮面ライダーは尻つぼみ的に造られなくなり、いつしか終わりを告げていた。


仮面ライダーのファンは、とり残されたまま仮面ライダーはつくられなくなったのだ。


そこに青天の霹靂！


”仮面ライダーの天皇”とプロデューサーが信じた石ノ森章太郎御大の死去！

仮面ライダーは完全に終わった！と、誰もが思ったのとは逆に仮面ライダーの企画が進行する。

そして全てが新しくなった仮面ライダー『クウガ』が誕生した。


ここに”のちにこう呼ばれる番組”が登場。

『平成ライダー』！

そして変身ベルトは、現代の技術を持って大復活を遂げるのだった。


これはかっての”光る！回る！変身ベルト”の残念感を吹き飛ばす快挙でもあったのです。


そこから、仮面ライダーの変身ベルトは玩具の売上げには欠かせないアイテムとなっていく。

実際に、「仮面ライダーを休む」意味で企画された”変身ベルトを持たない響鬼”の玩具売上はガタ落ちとなった…。


子供が欲しているのはやはり光る！まわる！そしてしゃべる！変身ベルトだったのだ。

昭和とは反対に、変身ベルトを売る為に仮面ライダーが作られてるのか？と思える程にベルトが量産されていく時代となった。


そして、変身ベルトは”子供にも大人にも売れる”のだ。

以前にもご紹介したエピソードで「仮面ライダーシノビ」でライバルの「仮面ライダーハッタリ」役の俳優が

”ベルトを締めて変身の練習”をしていると『子役の、少年が彼の足に抱きついてきた』と言う話である。


いかに変身ベルトは子供の夢や憧れを秘めているのか？

昭和の変身ベルトとは比べ物にならない精巧な玩具として、変身ベルトはもう作らないわけにはいかない重要な販売商品に成長した。


ベルトが先か？ライダーが先か？などと言ってる場合ではない。

変身ベルトを売らなければ、子供の夢が途切れてしまう（おっさんもそこに入りますが笑）。


仮面ライダーの玩具売り上げは、会社としても外せない大きな商品となった。

反対に言えば、ベルトの売上が”販売会社員の給料”にまで反映するアイテムですらある「アイテムに成長した」とも言えますか？

変身ベルトの夢は、お父さんの給料も含む全てを内包したスーパーアイテム！


それが変身ベルトとなっているのである。


やめられい止まらない。と昭和のCMで歌われたが、まさに変身ベルトはもうやめられないし、作るのは止まらないのだ。



少年だけではなく、大人まで巻き込んだ変身ベルト。


どこまで進化するのか？

昭和の光る！回る！変身ベルトを買ってもらえず、今でもヤフオクを覗き見しているおっさんは


変身ベルトの進化をひたすら見守り続けるのである。​




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