天使の歯

2009/07/16(木)12:23

102.5~外の世界10~

息子とのあゆみ(166)

擢斗に会えたのは22時過ぎ。 2~3時間以上間を空ける事が普段無いせいで、 ものすごく会ってないような気がした。 部屋は薄暗い中、クリスマスツリーの電飾が光っていて、 『ありがとうございます。』 と看護師さんにお礼を言うと、 『擢ちゃん付けるとちゃんと気づくんですよー』 とニッコリ笑ってくれた。 こんな風に自分達親がいなくても、 擢斗を1人の意識ある子供として扱ってくれる事が 本当に嬉しかった。 午前中から起きている事が多く、 必然的に、タンがたまりやすくなるので、 吸引が多い1日ですという報告を受け、 その面会中も何度か呼吸器が入った口の中に細い管を入れて タンを吸い取る、吸引の作業を見守った。 大人でさえ苦しくてたまらない事を 毎日頑張っている。 歯茎を見せて大きく泣いても、 呼吸器が入っている擢斗は声が出せなくて、 そんな姿が3ヶ月経ってもやはり見るのが切なかった。 良い知らせもあった。 『擢ちゃん、今度はもっと分かりやすく足を動かしましたよ!』 毎日毎日、穴が開くほど見ているのに、 それでも気づかない位小さく小さく頑張っている 擢斗の成長。 『ただ、泣きすぎるせいか、ミルクが消化できなくて、 又ほんの少し1回の量を減らす事になりました。』 一歩すすんでまた下がる。 擢斗はゆっくりゆっくり。 生まれてから、 変わらずに言われ続けるあの台詞、 『擢斗くんは難しいですから』 は、この時期も勿論健在だった。 泣いてばかりの1日に疲れたのか、 その後はよく眠った。 義父母が来る日はいつも、泣いているか、 眠り続けているかのどちらかで、 それはお空に帰る時まで変わらない事だった。 あの、可愛らしい笑顔や様子を見せれば、 何かが変わる筈だと、旦那とは何度も話したが、 実現する事は結局無かった。 クリックよろしくお願い致します

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