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2006年08月10日
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テーマ:お勧めの本(7231)
カテゴリ:日々のこと
今日の日記は私の個人的趣味に走っている上、長文に
なることが予想されます。ご了承くださいませ<(_ _)>



7月末、私の好きな作家、吉村昭氏がお亡くなりに
なりました。(リンクはWikipediaに飛びます)
私にとって、「好きな小説家は?」と聞かれて出てくる、
唯一の日本人作家です(かなり偏った嗜好を持っておりまして…雫

吉村氏の作品の魅力は、なんといっても、リアルさだと
思います。そして、淡々と事実を綴っているような写実的な
文体でありながら、登場する人物の心情がありありと読者に
伝わるところですね。

読んだ人にしかわからないと思いますが、これはすごい
力だと思います。
悲劇的で、つらい状況を描いていても、文体は変わらず
淡々と続いていき…でも、登場人物たちの悲哀はしっかりと
伝わってくるのです。



ちなみに、私が初めて読んだ吉村作品は、「羆嵐」(くまあらし)
でした。

中学生のころ、母に、「何か面白い本ない?」と聞いたら
この本を薦められたんです。読んでみると、すっかり気に入って、
以降、吉村作品を好んで読むようになったのですが、
中学生にこの本を薦める母は非常にマニアックと言えるでしょう(笑)

羆嵐」は、北海道開拓時代に実際に起こった獣害事件を
基にしています。開拓時代ですから、人々は掘っ立て小屋の
ような粗末な住居に住み、貧しく過酷な暮らしを送っており、
そんな中、巨大な羆が2日間のうちに6人の男女を襲い、
殺害してしまうのです。

非常に凄惨な事件ではありますが、吉村氏の文体のおかげか
ただ恐ろしいだけの物語にはなっていません。
厳しい環境のなか、貧しくても力強く生きていた人たち。
羆の被害があっても、さらに強く生きていこうとする人たちの
様子がしっかりと描かれているからでしょう。

私の表現力では、この作品の魅力を伝えることは到底
できませんが、本当におすすめです!


この小説で吉村氏の魅力に気づいた私は、以降、吉村作品を
読み漁る時期に入ります。


ノート吉村作品読書リストノート

羆嵐
少女架刑
星への旅
高熱隧道
光る壁画
破獄
漂流
仮釈放
破船


…思い出せるだけ書いてみましたが、意外と少ないですねスマイル雫

「少女架刑」と「星への旅」は初期の作品で、他の作品とは
趣が違いますね。読んだとき、少しびっくりしました。

ドキュメンタリーやノンフィクションが好きな私が特に
お勧めするのはやはり、「高熱隧道」「光る壁画」「破獄」
あたりですね。

高熱隧道」は黒部ダム(発電所)の建設に伴い、資材運搬用の
トンネルが掘られたのですが、その掘削中に起こる数々の
苦難が描かれています。

現代とは違い、作業はほとんど人力。トンネルの岩盤は火山帯の
ために非常に熱く、ダイナマイトが自然発火、暴発する事故が多発。
冬になれば豪雪のために雪崩。
過酷極まる作業を重ねてトンネルが掘られていきます。

大自然の力と、人間の力。
ここにも、「羆嵐」に似たモチーフを感じます。


光る壁画」は、世界初の胃カメラを開発しようと地道で
多大な努力をした医師と技術者の物語です。これもおすすめです!
(プロジェクトX的な作品ですが、吉村作品ですので、
淡々としっかり描かれています)


破獄」は”脱獄王”といわれた実在の人物をモデルに書かれたもの。
犯罪者や刑に服している人たちの人権への配慮などなかった時代。
刑務官たちの自分への扱いに反発し、なんと4度の脱獄に成功した人物。
(一度は、不可能といわれた網走刑務所から脱獄!)

この作品も、逃げる側、追う側の状況、心理が丹念に描かれた
力作です。主人公の脱獄の手法には舌を巻くばかりです。



書いていて、吉村作品の魅力が全く伝えられていないと
自分の力不足を痛感しています。
ですが、ここは、下手の横好き?ということで書かせて
いただきました<(_ _)>


吉村先生の訃報を聞き、またしてもふつふつと読書欲が
湧いてきました。
ここはアメリカ(のド田舎)、日本の本なんてなかなか手に入らないのに
ついつい作品を検索してしまい…「赤い人」と「島抜け」が
読みたくなってしまいました~ショック雫

ドツボですどくろ


どうしても諦められなかったので、Amazon.comで検索…パソコン

ありましたよ!翻訳版が!!うっしっし星

といっても、前述の二作品は翻訳されておらず、読みたいなと
思ったのは、既読の「Shipwrecks」(原題:破船)と「On Parole」
(原題:仮釈放)ですが。
既読とはいえ、どういう風に翻訳されているかも気になりますし、
読書欲が高まっているところなので、是非読みたいな~と
思っていますノート


最後まで読んでくださった皆様、ありがとうございます<(_ _)>
長文、駄文にて、失礼いたしました<(_ _)>

末筆ですが、吉村先生のご冥福を、心よりお祈りいたします。





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最終更新日  2006年08月11日 05時42分02秒
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