訶梨勒(かりろく)って、ご存知でしたぁ?
訶梨勒は、梵語で「haritaki」という植物で、日本には鑑真和尚が請来したとされます。その訶梨勒の実に模った袋に、訶子・竜脳・沈香・白し・薫陸・かっ香・甲香・甘松香・大茴香・丁字・白檀・安息香・茴香など1年の月の数を示す12種類(又は12の倍数、閏年は13種類)の香木などを包んで布袋に納め、紐で吊り下げ、袋は果実の形で果実の実りや生命力を表し、五色の組み紐は「陰陽五行」を、白は「訶梨勒」の花を、四つの編み目は「四季」を表すといいます。西村知備の文化3年(1807)刊『懸物図鏡』に「慈照院(足利義政)のお好みで作らせた物で、霊綿綏(れいしさい)ともいう。訶梨勒は水毒を避け緒病を治す。これを粉末にして酒に入れて飲むと気を鎮める。昔は訶梨勒を糸でつないだだけのものを使っていたが、義正の時から袋の中に納めるようになった。」とあり、諸病を治すという訶梨勒の訶子の効力を尊び、無病息災や邪気払いに用いたとおもわれ、お正月や慶事に床の間にかけられます。 訶梨勒(かりろく)