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カテゴリ:ワシントンワインツアー
カユーズ(Cayuse Vineyards)訪問 生産者概略はワシントンワイン協会のこちら 輸入クラモチコーポレーション 「型破り」そんな印象以外思う浮かばない。タイトル画像にこの小石のアップ画像からご想像頂きたい。 オーナーでヴィニュロンのクリストファー・バロン氏がご案内。彼の堅牢なる靴がここでの作業の過酷さを物語っている。 葡萄園の見学は私達にも過酷な日差し、そして歩き難い地面。そこでの彼の、馬鹿げたジョークの間に挟まれる葡萄への真摯な思いは、疲れていると聞き逃しそうになるほど。 ワシントン州のワインの新しい可能性の扉を開いた人物で有ることは紛れも無い事実。シャトー・ヌフ・ド・パプを髣髴させるゴルフボール大の小石の土(?)、ビオディナミへの強いこだわりは、馬を二匹も飼うに至る。 「今日は暑い?俺にとってはこんなにいい日は無い!」つまり葡萄の立場にいつもたっているからこそのこのコメント。 仕上がったワインは、パワー感こそ溢れているが、基本的にエレガント。その先にはローヌを連想させるほどだ。 69. 2008 Edith Grenache Rose (リンク先は2007) まだ広くにリリースはされていない。ロゼの中でも明るい色調。洋梨のコンポートのような濃密さを思わせながら、さらりと涼やか、味わい深し。このロゼからして貫禄を感じる。 70. 2007 God Only Knows Grenache 「神のみぞ知る」という名のこのワイン。クロ胡麻なアクセントをふんわり、キレイな集中感はかなりのもので、偉大なピノ・ノワールを連想させる、そうして思い馳せていると、シャトー・ヌフ・ド・パプのシャトー・ラヤスを連想させる。15.2%という高いアルコール度数は、全く感じる事無く、引っかかりなど一切無い飲み心地は見事だ。 71. 2007 Cailloux Vineyard Syrah このワインに触れて、この人は本当にこの地で「成功」を手に入れたのだと実感する。紫より黒い赤い色調。スミレの香りがはじめに鼻腔の扉を叩いたかと思うと、そこから一気に香りが零れ落ちるように開き始める。グリップ力があり、アーシーなミネラル感がある。 72. 2008 Cailloux Vineyard Syrah (リンク先に2008は掲載無し) 彼は若いと云うが、ミネラル感に支えられたしっかりした骨格。ミルキーさにまだマロラクティックの名残を残しているところが若さか?そこからナチュラルなドライフラワーへの広がりが見事だ。エルミタージュのシャーブの硬さに似ている。 73. 2008 Bionic Frog Syrah(リンク先は2007) 「マイ・ニック・ネーム」との事。親しみやすいシラーのスタイルは、ようやくコロンビアの特徴を感じた。柔らかなイチゴ、オークの香りとのバランスもまとまりを見せる。 彼の造る全てのワインには、迫力に満ちたと云いたいほどの素晴らしいワインだった。このスタイルをコロンビア・ヴァレーで再現したのは、このワインのポテンシャルだけでなく、この地のポテンシャルの可能性さえ示している。 (画像) 右上:カユースを象徴する葡萄園の小石 左上:葡萄園が自慢であるクリストファー・バロン氏 右中:耕す時に活躍する二頭の愛馬 左中:「God Only Knows」のラベル、とある雑誌でワシントンワインTOP100でクイルシーダーに続いて二位の快挙 右下:クラシカル手法の近代的バスケットプレス(圧搾機) 左下:温度変化の少ない優れた卵型コンクリート製発酵槽 ライニンガー(Reininger Winery)訪問 生産者概略はワシントンワイン協会のこちら 輸入オルカ・インターナショナル(株) シアトル出身の山岳ガイドだったチャック・ライニンガー氏は、6代続くこの地、ワラワラのファーマーの娘さんを奥様とした事から、このワイナリーは始まる。 1997年にそれは本格化し、ワラワラ空港内にワイナリーを間借りした。 現在のワイナリーは2002年にポテト小屋を改装したのが現在のワイナリー。 ワラワラに誇り持ち、この地100%の初ワインはチャック氏は、ワシントン州で一番優しいワインメーカーとインポーターの西村氏が紹介する。 74. 2008 Reserve Chardonnay (HPデーター無し) 108ケース(5樽) 果実からのコクもあるがソーヴィニョン・ブランに思う程の酸がハッキリ。マニュキュアの香りがまだ浮ついていると感じさせるが、落ち着けばトンでもないワインとなるか。 約3℃で二週間休ませて後に野生酵母で発酵。その期間は1年半も掛かったとか。 75. 2002 Reserve Chardonnay (HPデーター無し) 70ケース(3樽) まさに幻のシャルドネだ。その発酵期間は08年の長さでも驚いたが、さらにこちらは2年も掛かったと云われる、、、がそんなワイン造りは今まで聞いた事がない。丸いツルリとした酸のエッジを持つ、今までのシャルドネとは少し常識を外れた印象を感じた。 76. 2006 Merlot Walla Walla Valley 硬いコーヒーキャンデー。アメリカンオークの影響か、マロラクティックな影響か、ミルクチョコへと香りが開いていく。明解なメルローに重厚さを感じた。これも有りでは。 Wine Spectator:92点 The Wine Advocate:90点 77. 2007 Merlot Walla Walla Valley ミルクキャラメルか。明解で美味しい。微妙な松葉の香りにフレンチオークを連想。優しいタンニンは艶やか、伸びやかで深みが有る。柔らかさを見せ始めた、曲がり角なのか。美味しい。 78. 2007 Syrah Walla Walla Valley (HPデーター06年) スミレの花を僅かに見せながら、スパイシーなコーヒー。ミルキーさが出て来る頃にはロースト香も、それが焦げた所まで行かないところが心地よい。なんとも深みが有りアロマティックにしてセクシーさを見せる。「ヴィオニエの果皮を加える」との、ここでもまた意味不明なつくり。新しいスタイルの凝縮シラーと出会った気分。 79. 2006 Syrah Walla Walla Valley 軽いイースト香。穏やか。明らかにアルコール度数も通常の範囲か。 グリップ感のある飲み心地に、マッシュルームにスパイシーさにはブラック・オリーブ。余韻にキャラメルが長く心地良く続く。 07年との年代を超えた個性の違いを感じたのは、どこかで葡萄園、醸造法を変えたのか? ライニンガーは奥様の弟さんとのコラボレートの「Helix」という広域AVAのブランドも持つ。 すっかりと日が暮れた中、ツアーメンバーと記念撮影。あれ?私が居ない・・・当然か(^^; 右上:ワイナリーの玄関 左上:ワシントン州で一番優しいワインメーカー、チャック・ライニンガー氏 右中:発酵に二年(?)幻のシャルドネのラベル 左中:清潔な熟成庫 左中下:新樽の運び入れ 下帯:ツアーメンバー初公開!! ワシントン州ワイナリー・ハーベストツアー リポート No3 その3へ続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 31, 2010 04:24:37 PM
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