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テーマ:ミステリはお好き?(1451)
カテゴリ:読書
![]() UFO大通り 島田荘司(2007.2.26読了) お久しぶりの御手洗物です。 本格ミステリの雄島田荘司大先生ですが、東野さんと同じくかなりご無沙汰でした。 理由は特にないのですが、強いて言えばこれまた東野さんと同じく、 初期作品と作風が変わってきた(と思いこんでいた)からかもしれません。 「石岡君、象みたいにもたもたするんじゃない、こうしている間にも、人の命が失われるかもしれないんだ」。御手洗潔、疾走る!中編2作収録のシリーズ最新作。(「BOOK」データベースより) 中編が2作収録されています。 表題作である「UFO大通り」は、宇宙人による戦争を目撃したという老女の話より、 近所で起きた変死事件の真相を探るというお話。 もう1編「傘を折る女」は、白いワンピースを着た女性が、雨が降っているのにもかかわらず 持っていた傘を、車に轢かせて折ってしまうのは何故かという謎を追う。 私は、表題作より「傘を折る女」が面白かったです。 ![]() ラジオ番組の視聴者からの疑問を、同じラジオを聴いていた石岡君が興味を持ち、 御手洗さんに持ちかけるという、安楽椅子探偵物ですが、御手洗さんの推理に 「ちょっとそれは飛躍しすぎというか、独善的ではないでしょうか。。。」という 突っ込みを入れつつも、途中で挟まれる女性の視点もあいまって、更にちょっとした驚きもあり、先が気になって一気に読んじゃいました。 表題作の「UFO大通り」は「宇宙人の戦争」の描写で大体真相は想像できちゃうところが、 驚きたい病の私としては、少々マイナスポイントです。 ![]() 目撃者がお婆さんというのが、ポイントですよね。。。 ![]() 後、この話に登場する刑事さんがもう徹頭徹尾嫌なヤツです ![]() まあ、島田さんらしいですけど、、、、こういう登場人物が事態を停滞させると言う構図が お約束とはいえ、少々イライラしちゃいます。 まあ、現実的に素人に現場を荒らされたらこれぐらい怒るのは当然ですけど。。。(笑) ここからはネタバレ感想です。未読の方はご注意下さい。(反転) この2編を並べた場合、どちらもアナフィラキシーが鍵になっています。 これは、多分意図的なんだと思います。 初めの「UFO大通り」では宇宙人の服装や、被害者(?)の様子からアナフィラキシーは 比較的想像しやすいと思います。 そして、「傘を折る女」ここで、謎の女性の死因がアナフィラキシーであるのですが、 普通、この作品だけ読んだら絶対(とは言い切れませんが・・・)分かんないと思う。 でも、「UFO大通り」でアナフィラキシーが提示されていることによって、 「傘を折る女」での死因にアナフィラキシーが挙げられてもあまり唐突な感じにならない という、なかなか考えた構成になってると思いました。(深読みしすぎかな。。。) とは言え、やっぱり「傘を折る女」でアナフィラキシーが原因と分かったときは、 「えぇぇ~またぁぁ~」と思っちゃいましたが。(笑) 御手洗さん。とても人間がまるくなってましたね~(笑) 石岡君は相変わらずちょっとネジがゆるそうです。。。 ![]() この二人の夫婦漫才(?)は、火村&アリスコンビとまた違った味わいがあって楽しいです。 御手洗シリーズは、長編も良いですがちょっと長すぎることが多いので、 このような中編、短編を今後も時々出してくれたらうれしいなぁ~と思いました。 御手洗さん入門としても、読みやすいしなかなかお勧めです。 ![]() TBさせて頂いた日記 のぽねこミステリ館(のぽねこさん) ヘフレレ(ヘフレレさん) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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