幼い頃よくオヤジにつれられて、よくジョギングをさせられた。
当時、家の近くにジャム工場があり、その側を通る小さい丘をまわる
ほんの短いコースだった。
あまり記憶にないのだけれど、
毎朝、毎朝強制的に走らされるのがイヤだった。
しかもなぜかパンツ一枚で走らされた。
そのスタイルが近所でも評判で
「○○くんはえらいわねぇ」とか、声をかけられるのだけれど、
それがまたイヤだった。
そんなに走っているにもかかわらず、
マラソンはちっとも得意にならなかった。
高校生ぐらいまでの持久走ではいつも、後ろから5本の指に入っていたと思う。
ある意味幼い頃の記憶はトラウマとして残ったのかもしれない。
大学に入ってある時点から、急にマラソンが得意になった。
理由はさっぱりわからない。
とにかく、ひょっとしてもともと才能があったのか???と思うぐらいの変り方だった。
人より早く走れるようになると、それがおもしろく
一日に15kmぐらい走っていたんじゃないかと思う。
とくにその距離をいかに速く走れるかが楽しくて、
本当に飛ぶように走っていた。
疲れてきても、ここからだ!!とさらに加速し、自分を追い込んでいった。
大会にも出たし、タイム的にも結構素晴らしかったと思う。
ところがそんな時期は長くなかった。
ちょっとした骨折とか、部活をやめたとか、研究が忙しくなったとか、
そんなことが重なって、あっというまに遅くなった。
でも頭の中はなんとなく、昔の記憶が残っていて
「もっと速く走れるはず」
「人より遅くちゃ楽しくない」
そんなふうで、無理にスピードあげて挫折し、だんだん走らなくなってきた。
最近なぜかまた走っている。
正直とーーーーっても遅い。
ほとんど歩いているんじゃないかと思うくらいだ。
でも遅い自分を受け入れて、
だらだら、だらだら走っていたら、
ちょっとずつ距離をのばせるようになってきた。
そして、遅いけれど、続けられるという自信が湧いてきてもいる。
最近もう少し欲がでてきて、また大会にでも出ようかとも思っている。
どうせ一番後ろかもしれないけれどね。