作家生活、障害物競争のようにいろいろあるんですが、大きな障害として立ちはだかるのが担当者変更です。この障害を飛び越えられず、筆を折ってしまう人がいるんです。
2020/12/9(水) 近況とお知らせ
> 2019年の春先に、お世話になった元担当氏の退職日が近づいてきたため、新規の担当氏へバトンタッチされる形で、発刊の予定が引き継がれました
電撃の作家さん、それも賞作家さんで20年選手のベテランが、担当者が変わったとたんトラブルが発生し、版権を引き上げるに至った経緯を書いてあります。
担当が変わるとやりにくくなる。実はこれ、よくあることです。私も担当者変更にまつわるトラブルには苦しめられました。
担当が変わると、まず前任者の否定からはじまる編集者がとても多い。ライバル意識があるのでしょうけど、前の編集者がOKを出した企画をボツにし、タイトルを変えます。
そして、自分が選んだ新しい作家を入れ、引き継ぎ作家を試すようなことをして、自分の言うことを聞かない作家を干していき、担当作家を一新します。
あからさまに引き継ぎ作家をバカにして怒らせる編集者もいます。
ラノベ作家になった俺が絶望して引退するまでの10年を書いていく
(引用はじめ)
新担当はだいたい、次のような感じで俺と会話した。
「私、あなたの本一冊も読んでないんですよ。で、どんな話書くつもりなんですか?」
「ラノベ以外で読んできた本とかありますか? ○○? それなんて人です? 知らないです。無名ですね」
「最近映画、見ました? ○○? え? 俺あれ大っ嫌いなんですよ。あんなの見たんですか?」
「あなた、ここ数年ずっと本を出されてないですよね? 読者はもう忘れてると思います」
新担当との初顔合わせと今後の打ち合わせは、30分程度で終わった。
新担当は俺と俺の出したものをすべてをただ否定し、そしてそれだけで終わった。
(引用おわり)
なんでそういうことをやるのか? 組織に自分の力を見せつけたいのです。引き継ぎの作家が売れても自分の力にはならないからです。引き継ぎ作家は切りたいのが新担当者の本音。自分が見つけてきた作家を売りたいのです。
これは編集者じゃなくてもよくあること。東京都知事は、まず前任者の否定からはじめましたよね。世界中のいろんな組織で、新担当者による前任者の否定は、今この瞬間も行われているのだと思います。
だったらどうしたらいいのか。
前にnoteに書いたので見てください。こちらです。
前任者の否定をして、引き継ぎ作家を切る編集者だって、熱意を持ち真剣に仕事にとりくんでいます。どうしようもない無能人間ではありません(編集者には、倫理観のないサイコパスキチガイ野郎もいますが、それはどこの世界でも一緒です)。作家の持っていきかたひとつで、うまく回ることだってあるんです。
作家さんと、これから作家になる皆さんが、編集トラブルに巻き込まれることなく順調な作家生活を送れることを願ってやみません。
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