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奈良にはミ・ナーラという商業施設があるのですが、行くたび賑わっていてうれしくなります。
というのは、そごう時代とイトーヨーカドー時代の、お客さんのぜんぜんいない、廃墟のようなありさまをしっているからです。 このビル、もともとはそごうだったのですが、ビルを建てるとき、木簡がざんざかでてきて大騒ぎになりました。藤原氏の陰謀で憤死した長屋王の邸宅跡だったことがわかりました。 遺跡をそのままにして、地上にビルを建てたところが、バブル崩壊とともにそごうは撤退……。 当時、京都に住んでいた私は、旧そごうに一度だけ行ったことがあるのですが、豪華絢爛でぴかぴかなのに、お客がぜんぜんいず、違和感を覚えたものです。 そごうが撤退したとき、口の悪い奈良市民は、長屋王さんの呪いやわ、と囁いたそうです。 実はそごうは、春日大社に灯籠を寄付しています。 春日大社は藤原氏を祀る神社です。藤原氏は長屋王を死に追いやった人物なんですよね。春日大社は藤が綺麗なところだし、梅も綺麗なので、散歩がてらよく行くんですが、そごうの文字が入った灯籠を見るたび、なんでそんな愚かなことをしたんだろう。そごうは長屋王さんにケンカ売ってるのか? と思っていました。 企業が進出するとき、地元の人と仲良くなるためには、神社に寄付したり、お祭りに寄付するのがてっとり早いそうで、そごうも地元の人に愛される百貨店になろうとしたのでしょうけど、長屋王さんの怒りを買ってしまったようです。 ながく空きビルになっていたそごうビルに、イトヨーカードが出店して、開店当時は賑わったそうですが、私が奈良に引っ越してきたときには、イトヨーカード、がら空きでした。 イトヨーカードのカルチャーセンターで小説教室をしていた私は、長屋王を祀るお社(ビルの裏手にある)も見ましたけど、放置状態で、手入れされてるように見えなくて、あんまりこの店、持ちそうにないなぁと思っていました。がらがらだったんですよ。 そしてイトヨーカードも撤退。 長屋王の呪いはまだ続いてるんだ、と、奈良市民は囁きました。 三度目の出店であるミ・ナーラは、日本版コストコと呼ばれるロピアと上階のラウンドワンが賑わっていて、賑やかです。ロピアにはよく行きます。ロピアのピザ、おいしいんですよ。 ミ・ナーラの店長は、毎日長屋王を拝んでいるそうで、いいことだと思います。憤死した偉い人は、丁重に祀ると神様になるのですから……。 長屋王でいつか小説を書きたいなぁ。 長屋王残照記(1) (中公文庫コミック版) [ 里中満智子 ] 令和万葉秘帖 長屋王の変/大杉耕一【1000円以上送料無料】 長屋王 (人物叢書 新装版) [ 寺崎保広 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年05月30日 08時57分35秒
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