野柳地質公園のプレートテクトニクス
台北の北部に位置する野柳地質公園は、柔らかな地層にかたい地層がのっかって、その全体が浸食を受けつつ傾斜した逆断層の地形をなしています。かたい地層の一部が残った状態で下の柔らかな地層が浸食を受けているため、トルコのカッパドキヤのキノコのような姿の不思議な形を見ることができて、地質公園にふさわしい場所だと思います。そのキノコの形の中でもユニークなのが、このクイーンズヘッド。クレオパトラの頭部に似ているということで、この地域を有名にさせたものです。まるで芸術作品ですね。人の背丈より高いです。こちらが、この地域の逆断層が一目でわかる写真です。高い方が中国大陸側です。台湾がユーラシアプレートの上に乗り上げている形が一目でわかります。もともと台湾はマニラ海溝の東側つまり、フィリピンの一部=ルソン弧だったのでしょう。それが琉球弧に衝突したような姿です。日本弧に衝突した伊豆小笠原弧に似た状態でしょうか。この辺りはとても複雑なテクトニクスです。日本に沈み込んでいるフィリピン海プレートが、台湾近傍では逆にのりあげているのが実に不思議です。台湾よりもっと南では再び沈み込んでいます。個人的には南シナ海がホットプルームによって形成された事が一つの要因になっているのではないかと思っています。だから時々地震も起きます。温泉もたくさんあります。10年ほど前にもありましたよね。この時最大のずれは10Mにも達したといわれます。もし黄海もホットプルームにより拡大したとするなら、とっても面白いことだと勝手に想像しています。ここは風景砂岩の産地でもあるんですね。足元に広がっていました。なおツアーに参加してみてわかったことなのですが、外人専用のツアーでした。ホテルで何かツアーはないかときいたら、これがすぐにあるので、どうかと言われました。すぐに迎えの車が来て、出かけることができました。この車の人も英語で話すので変だなあとは思ったのです。でも参加できてよかったです。実は来る前に予約したらだめだったツアーとほぼ同じもの。説明はほとんど英語でしたが、私たちのために日本語でも少し説明してくれました。とても親切なガイドさんでした。狭い地域で雨の中でしたが、地学の不思議を垣間見た楽しいツアーでした。