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2009/03/21
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ウィークデーであれば、誰でも仕事として来てくれる。しかし、わざわざ日曜日に顔を出す編集者は、めったにいない。

私はこうして、当時の流行作家の、お気に入り編集者になっていったのだった。この方法は、いまでは恐らく使えないだろう。日曜日にモノ好きに会ってくれる有名人など、いないからだ。

しかし、相手がよろこぶことは、考えられないわけではない。

一時期、「アッシー君」という男たちが、女性の人気を集めたことがあった。

私が教えていた女子大でも、授業が終わる時間に、若い男たちが車に乗って待っていたものだ。女子学生は当たり前のような顔をして、その車に乗り込んで帰っていく。

まさにアッシー君だが、これだって、女性をよろこばせるひとつの方法だ。なんにせよ、相手をよろこばせることは、それだけ、相手のふところに深く入っていくことになる。

その後も、私が作家たちに重宝されたのは、「櫻井君、今夜空いてる?」と声がかかったとき、よほどのことがないかぎり、「空いてますよ」と、すぐ答えたことだった。

櫻井に電話すれば、必ずやってきてくれる--このことは、私の運命を、よりよい方向へと向けてくれた。

なにしろ、ほとんどの作家は夜が強い。仕事にせよ、遊びにせよ、それは夜の時間に決まっている。とはいえ、編集者だって家庭があるだけに、そうそう作家の勝手を聞いてはいられない。

ところが私は、独身時代だけでなく、結婚してからも、夜は平気だった。






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最終更新日  2009/03/21 10:50:24 PM
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