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カテゴリ:育てる
私みたいな名もない一般人があれこれ書き立てても世の中に対してそう影響もないもんだ。
が、著名な人が書くとやはりその影響は少なくなかろう。 芸能人の中にも剣道をやっている人はけっこういるみたいで、そういう人達が「オリンピックに剣道を」と言えば、やはりその影響は無視できないだろう。 確かに、剣道は世界にもずいぶん普及しているんだよ。 世界大会も開かれているしさ。 しかしね、競技としての剣道の難しさは日本の剣道マンたちが思っているよりもずっと深刻だと思うのだ。 それでも剣道マンたちは言うだろう。 「世界大会も開催しているし、競技として十分に耐えられる」と。 しかし、彼らはそれがために剣道が変化していくことに耐えられるのだろうか? もっと突っ込んでいうと、「全日本剣道連盟」の意図と違う方向に変わっていくことに耐えられるだろうか? これは柔道を見ていれば容易に想像できることだ。 当然のことではあるが、オリンピックでやるとなると、世界的な組織が必要になる。 今は日本の組織、つまり全剣連のルールで世界が動いているが、オリンピックでとなるとそうもいかない。 まずは防具がターゲットになるよな。 これは柔道の道着と同じだ。 剣道では試合のときは選手が後ろに紅白のたすきを付けているが、こんなもんないに等しい。 柔道ではお互いが同じ白い道着で、赤帯を巻いていたが、それでもどちらかが判別しにくいということで青い道着が導入された。 剣道は、基本的に道着は白か紺で、防具については色の規定はなかったと思う。 胴の色についてはまったく自由で、垂れに名前が書いてあるので、これは柔道よりも識別が容易かなと思えるくらい。 審判も、紅白の識別は簡単ではないようで、なんども旗を上げなおすシーンもよく見かける。 そんな状況だから、オリンピックにとかなると、胴の色とか道着の色とかは間違いなくなにがしかの規定のターゲットになるな。 実際に柔道がそうなっているからな。 有効打突の内容も変わる可能性は十分にある。 柔道も本来はしっかりと技をかけて、どのように倒したか、相手が背中から畳に付いたのか、半身だったのか、そこに至らなかったのか、ということで一本、技あり、有効と判定が分かれていたが、今はなんか有効がなくなったのかなあ。 一時は効果なんてのも増えたりしたけど、結局なくなったしな。 剣道ではじっくりと待って応じて打つこともあるのだが、それじゃ試合が面白くないということで、柔道みたいに指導ができるかもしれないな。 それくらいなら試合時間を短くしろと言いたいけどな。 有効打突だって、今は充実した気勢とか刃筋正しくとか残心をとか言ってるけど、そのうちどうやって打とうが「当たればいい」になりそうだ。 そうやって変わり果てたKENDOを「うちが起源だ」なんて言い出すところが出てくるだろうなあ、いや、絶対出るな。 全剣連がきっちり仕切ってやれるならまだしも、そうでないなら世界的な競技にしてしまうと、間違いなく「剣道」は「KENDO」になってしまうぞ。 これはもう柔道が証明している。 柔道以上に判定が難しい剣道が変わらないわけがないだろう。 まあ、柔道はあれだけ注目を集めているのに、同じ武道である剣道が注目を集めることがないのでは、子どもらはやっててもなかなかモチベーションが上がらないだろうなあ。 しかしな、剣道はまだ剣道マンの中でやってるから今の状態を保てている。 それでも、子どもの試合なんか見に行ったらもう親は半狂乱で叫びまくっとるし、とても武道とは思えないぞ。 学校の部活の試合では明らかに体育会系のノリになってるしな。 剣道って見る側にもしきたりがあって、静かに見ないといけないとか、応援は拍手でするとか。 オリンピックみたいなところでそんなしきたりが通用するかね? そのうち剣道でも試合でガッツポーズなんか見られるようになるかもな。 これは杞憂でもなんでもなくて、国際的な「スポーツ」になるとかならず変わるということだ。 柔道だってスポーツではなくて武道なんだけど、もはやそのようには見られてないよな。 試合での勝ち負けが目的になり、オリンピックでの金メダルが目的になっているんだから。 どうやら、剣道が日本の武道であることを是としない勢力があるんだろうなあ。 それを世界のスポーツにしてあわよくば奪い取ってやろうと企んでいる勢力があると見える。 全剣連は必死に抵抗しているけど、内から崩そうとする動きがあるとなると、剣道もいつまでその形を守ることができるかねえ。 現代武道である剣道の形が変わっていくことについては否定するつもりはないが、武道からスポーツになっていくことはちょっとどうなのかなあとは思うんだけどね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年08月01日 06時12分30秒
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