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カテゴリ:対中関係
ふと参加したくなって、国際交流基金で行われた「中日青年交流会」に出向いた。
このイベントは、外交官の卵たちである外交学院の学生と、 日本人留学生との交流を目的に去年、始まった。 ちょうどデモ発生前の、なんとなく不穏な空気が街に流れる時期に、 産声をあげた交流会である。 将来の外交を背負って立つエリート予備軍でありながら 彼らが日本人との接触がそう多くないと聞いて、 外務省から北京大に派遣留学しているFさんらが中心になって発足したのだ。 大学を離れて、ずいぶん大学生と交流していない上、 最近では、スタッフの女の子か、タクシーの運転手か、販売員くらいとしか 会話しなくなって、すっかりたるんだ私にとっては 中国語学習意欲にカツを入れるための参加でもある。 会場に入ると、バッジを渡され、それによってグループが決定、指定の座席に腰掛ける。 すると、即自己紹介が始まる。 なんと、私の隣に座った女の子の姓は「米(Mi)」さん。 つまり彼女もxiaomi。 海を渡って2年目にして、初の中国人xiaomiとのご対面。 ということで、ダブルxiaomiだといきなり盛り上がる。 彼女が質問する。 「日本だと、米は何と読むの?」 「そうねえ、ベイとかマイとか、あ、こめっていうのが一般的ね」 「じゃあ、あなたの名前はそのうちのどれ?」 「私のは、“よね”」。 …多分彼女、大混乱だと思う。 北京大学を代表するイケメン留学生、Kくんの司会でイベントが始まる。 中国語のあまりの滑らかさに、ここでもどよめきが起こる。 多分、また彼に熱をあげる中国人の女の子が増えたことだろう。 それは置いておき。 グループ別の討議、パネルディスカッション、クイズと内容は盛りだくさん。 特に、四川、天津、上海出身の学生が何を言っているかを当てる 「方言聞き取りクイズ」は、笑いと喚声に包まれ、大盛り上がり。 果敢にもチャレンジした日本人学生Tくんの、とぼけた回答も爆笑を誘う。 さらには中国側の新疆舞踊や相声(中国漫才)、 日本側の二胡演奏に、日舞と出し物が続々登場する。 凝った演出のものはないけれど、互いに素直な気持ちを表しあっているだけで、 十分に楽しめる。 中国人と一緒にいて楽しいのは、気持ちを表すことに臆するところがないこと。 それに接するだけでも日本人にとっては心のつかえが取れるようで、 充分に価値のあることのように思える。 この間のアフレコ大会も面白かったけれど、 手作りで、参加者全員が楽しめる日中交流のイベントが増えるのは、とてもうれしいし、 それを企画する学生たちの熱意は評価に値する。 当然、国際交流基金もこのイベントに協力。 クイズでよい成績を収めたグループやがんばった学生には、 基金から「日本地名辞典」「日本姓名辞典」が送られた。 同じグループのLさんがもらった「姓名辞典」を見せてもらう。 中身は当然日本人の苗字の一覧。 私が言うのもなんだけど、すごい数。 こんな苗字の人、会ったことないよ、ってのもある。 なんでこう読める?みたいのもある。 これ、そのうち覚えるんだなあ、この子たちは、と思ったら、 やっぱり賢いんだなあ、エリート、と尊敬してしまった。 Lさんがたずねる。「あなたの苗字、ありますか?」 ありますよ、ほら、と言って辞書のページを開いて見せる。 人間、聴覚と視覚を同時に使うと、記憶がしやすくなるらしい。 学校を卒業して、彼らは多くの人にめぐり会う。 その中に親しくなる日本人はどのくらいいるだろう? そして、どれだけの日本人の姓がアドレス帳に並ぶだろう? あの辞典が網羅されるくらいに、 中国人が日本人に接する機会が増えたらいいと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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