2013/03/08(金)09:53
病院物語 神よ赦し給え(3)
≪ 続きです ≫ この婆さん、それまでも、別の病院で睡眠導入剤を処方してもらっていてここへ入院してからも、看護士に 「 私は神経質だから、眠れなくて ・ ・ ・ 」と言っては、毎晩ミンザイを出してもらうのだが一旦は眠るものの、すぐにトイレで起きてしまう。( そういえば、隣の口の悪い婆さんも「オレはナ、神経質だだよ!」と言っていたっけ・・・) あの大騒ぎの翌々晩、部屋は珍しく静かだったのにどういうわけか、西紅柿はちっとも寝就かれず12時までイヤホンでラジオを聴いていた。 そのうち、60婆さんも起きだして、2人で交代にトイレに行っていた。( 婆さんは基本、歩行禁止 ) 2時ごろになって、やっとフワッとしかけたときカーテンの向こうで、ドサッ!という音。 その後、ベリッ、ベリッ というマジックテープを何回も付けたり外したりする音、ベッドサイドのストッカ-の引き出しをあちこち開ける音、薬をシートから外す音、などが静まりかえった部屋にやたら響く。 ( 婆さん、また何かやったな ・ ・ ・ ) と思っていると、看護士が飛んできて「 どうしよう、どうしよう ・ ・ ・ 」 という声と、婆さんの「 すみません、すみません ・ ・ ・ 」 と言うのとが、交互に聞こえてくる。 どうやら、止められているのに自分でトイレに行こうとしたけどミンザイでボーっとしていたため、ベッドから落ちて股関節が外れ、自分でバタバタしているうちに背中の痛み止めを注入するチューブも抜いてしまったらしい。 この時も、医師やら他の看護士たちが来てワゴンに積んだ処置セットが運び込まれ30分ほどで処置が済んだ。 スタッフたちが出て行き、部屋に静寂が戻りああ、これでやっと眠れる、と思ったら数分もしないうちに、隣のベッドからは大きないびきが聞こえてきた。( 婆さん、神経質だから、ミンザイがないと眠れないんじゃなかったのかい!?) 西紅柿は、すっかり目が覚めてしまい眠ったのは、3時過ぎだった。