倫理の進化

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• 事件の顛末ー３－支援者の器

  長年ボランティアをしている者として、誰かの支援者となる事は、本当に器のいる事だと思っている。支援に見返りは存在しない。社会的名誉もなく、肩書きもない。報酬は与えられず、ただ己の懐から消えるのみ。だからこそ、本気なのかが試される。本当にその相手を救う為なら、自分が犠牲になっても厭わないのか？自ら自分の人生を、他人の為の、黒子としてしまえるのか。昨年１０月、私の支援の呼び掛けが始まった時、私は何度も断った。理由はその時、私はなんとか一人でやって行けるから、むしろ当時露見していた、広島ドッグパークなどの、支援してあげて欲しいと、そう周りに勧めた。しかし本当の理由は違った。私は人の支援を受ければ、早晩こういう事態に至ると踏んでいた。人の支援は難しい。その器量のない人間が、恐れ多くもそれに手を出せば、必ず人間が出来ていないが故に、揉め事を起こすものなのだ。偽善が目的で、人を支援する者は、本当はボランティアの中に、相当数いるものだから。彼らにとってボランティアとは、自分が社会的名誉に預かる為の道具でしかない。少し前、私のブログにこんな書き込みがあった。「支援の素人が、手を出して失敗したいいお手本」と、言うような。どうもこの方は、私の元支援代表に向かって言っておられたようだった。他にも、同じく支援には、器量がいると言う内容の書き込みがあった。また、私書箱にも、収支報告について、「支援とは、喜捨なのに、収支報告を求めるのは理解出来ない。」そう書かれたメールを頂いた。こうした人達と、私は全くの同意見だ。だからこそ、支援を行うには、人としての器がいると思っている。昨年の夏、アフガニスタンで医療活動を行っている、日本人医師が、現地の大旱魃を受けて、日本人チームによる、大規模な井戸掘削の活動を行っている様子が、テレビで報道されていた。水不足の為、作物は取れず、栄養や衛生、健康と、アフガニスタン人達は危機的な状況に晒されていた。この状況を救おうと、この医師の呼び掛けによって、アフガニスタン各地で、日本人ボランティアが中心となり、水を求めて井戸掘削が始まったのだ。それに参加した、ボランティアの説明によると、活動は試練を極めていた。最大の問題は、技術や費用よりもむしろ、支援を受ける、アフガニスタン人と、支援活動を行う、日本人ボランティアのとの間にあった、双方の立場による、心の隔たりの方にあった。他人を支援する時、もっとも支援をする者が敬意を持って扱わねばならないのが、支援を受ける相手の人格である。他人の人格を尊重する事は、未熟な人間には難しい。それが自分よりも、しっかりと生きている相手であれ、往々に人は他人への真の敬意を忘れがちになるが、これが相手が、他人の助けが必要な、困窮した社会的弱者であれば、未熟なタイプの人間は、相手を自分と対等な人間だ等とは、全く見なせないものだ。普通の社会人より劣った存在として、その相手を扱おうとする。その者にとって、支援が必要な人間とは、傲慢な親が見る所の「子供」に過ぎない。守られ、養われなければ生きて行けない存在なのだから、人権や、意志等は認められない。　支援を行う者こそ、その対象の人生に於いて、絶対的な権限を持つ権利があるのだ。彼らにとって、社会的弱者とは、生命の形を取った、「物」に等しい。動物愛護団体の活動を見ていると、こうした人間が殆どと言って過言じゃない。彼女らが（愛護団体は圧倒的に女性が多い）その真価を最大限に発揮するのが、野良猫と対した時だ。こうした人々は、「野良猫を救う為」と公言して、罠を仕掛け、捕らえて、相手に断りなく、避妊や去勢の手術を施してしまう。然る後、また元の場所に戻す。理由は、野良猫を増えさせない為だ。生まれた子猫が、不幸な人生を持たぬ様にと。しかし、避妊、去勢を受けた者は、野生の本能を失う。それまでは、自力でねずみを捕らえたり、すずめを捕って狩を行い、生きて来た者が、手術を境にその能力を奪われたまま、また野生に放たれる。食べ物をくれる人間がいなければ、最早生きて行けない体にされてから。元々、人間と距離を置く、警戒心の強い野良猫が、罠に捕まり、手術を受け、ますます人間不信になった後、狩猟の本能さえ奪われて、その後どうやって生きて行けば良いのか。路地裏の隅や、人里離れた林に埋もれた、痩せこけた野良猫の亡骸は、真実誰が作ったものか。野生を好む者の人生から、狩の喜びと、生活の手段を奪ってしまった人間は。彼女達はこれを善行だと考える。そこには猫にー野良猫に、己と対等な存在として、敬意を示す姿勢が欠けている。相手を、猫であるが故に、社会的弱者であるが故に、見下してしまっている自覚が無い。対等の意識の確立なしに、正しい保護や、相手への協力は行い得ないものなのだ。アフガニスタンでも、これと全く同じ問題が生まれた。旱魃で困窮を極めた現地の人を、助ける力がある自分より、「劣った」人間だと無意識に見なしたボランティア達は、彼らの風習、考え方、生き方に敬意を払わず、返って支援される側に、うとまれる存在にしかならなかった。その中で、自分の驕りに気がついた者は、強者、弱者に関係なく、誰もが自分の心を持って、それを他人に奪われたくはないのだと悟った。それが理解出来ない者は、アフガニスタンから帰国した。支援されなければ、生きてさえ行けない癖に、自分の考えや、生き方を変えないとは、アフガニスタン人こそ、傲慢で、愚かな恩知らずだと罵倒して。断食の月、イスラム教徒は、普段以上に宗教的な生活に入る。水さえ事欠く現状であれ、イスラム教徒として、戒律をまず重んじる。それは彼らの美徳である。図らずも、ムハンマドが袂を分けた、兄弟宗教の開祖が修行の折にこう残している。「人間は、パンのみに生きるに非ず。」彼らは、自分の命への執着の為に、自分の信仰を捨ててしまったりはしないのだ。私にとって、「命とは何よりも尊い」と言う信仰が、水や食料より大切な様に、彼らもまた、自分の信仰は、水より必要なもの。その意思を理解しない日本人が、その精神を軽んじる。断食月には、アフガニスタン人は、井戸作りに集中しなくなる。こっちだって、時間の余裕も無いし、予算もある。今は宗教所ではないだろうと・・・。そして現地の人々と、心がどんどんすれ違って行ってしまう。このボランティアの言い分はおかしい。彼らは、そうした精神を持つ民族を、助けに行ったのだ。なのにその精神を尊重しないのなら、誰が彼らに必要とされるのか。人間としての器がないと、支援をすると志願した人間は、必ずこういう、相手の人格を否定する揉め事を起こしてしまうのだ。社会的弱者の目線を持つのは、己に対して、かなりの人道的苦行を課してこなければ培えない。人を助けたら、周囲から社会的名誉をもらえる等と、名誉の見返りを期しての、慈善など、むしろその弱者によって、暴かれ、一蹴される。そして彼らは自らの善意を踏みにじったと言って、相手を非難するのだ。現地に残った日本人ボランティアは、こうした意識の違いを乗り越え、支援される側に人間として、本物の敬意を抱き、結果、アフガニスタン人達の信頼を得た。彼らは、アフガニスタン人達の人生の、舵取りを彼らの手から奪わなかった。あくまでも、彼らの意思を尊重した上で、最大限の助力を尽くした。私は今回の支援活動に、これと全く同じ問題を見ている。残念な事に、「元支援代表」及びある支援者は、支援者としての器を持っていなかった。きよめだかさんが、終わり近く、何度も自分のブログで書いていた。「わたしは彼女の生き方まで、変えさせようとしていた。」と。実際彼女は、その通りにしていた。私が拒否していた支援を、無理に説得したり、断りなく口座まで開いて、始めてしまっていたと言うのにも関わらず、私は人の支援なしには生きていけないのだから、自分やみんなの言う通りにしてと、執拗に迫った。私は仕事を持ち、一応自立している人間だ。自分と子供達の食い扶持も、自分で何とか稼いでいる。なのに何故、支援なしにやって行けないとまで、他人に断定されてしまうのだろうか。余りにしつこく言われ、ノイローゼになりかけて、私は彼女に、私を奴隷にしないでくれと、メールを打った。彼女はそれを、他の人間達に、私にそこまで言わせた説明を省いて転送した。それを読んで、ある人は私が恩知らずだと勘違いして、またある人は、こう言った。きよめだかさんは、ここまで若樹さんに言わせる程、彼女を追い詰めていたのかと。またさらに、ある人はこう言った。私達の支援を、他ならぬ支援代表が、最もあなたの意思を軽視した為に無茶苦茶にしたと。こうした私ときよめだかさんのやり取りは、実は彼女が支援代表を降りたいと言って、騒動になった後で出てきたものだ。私は他の人と同じく、彼女がブログで見せた印象から、彼女は優しい人格者と、信じ込んでしまっていた。彼女の本当の性格に気付くのが遅れ、ブログを用いて私の活動を滅茶苦茶にされた。それだけでは飽き足らず、彼女の味方の力を借りて、私の個人情報を、ネットで垂れ流し、警察の風上にも置けないわが町の警察が、赤の他人にどんどん情報を与え、それをまたコメントとして掲載し、ネットで全国に流してくれた。その上彼女は、私の子供達を、全員行政に奪わせようとしていた。埼玉県春日部市から、数本の電話で、相手から人生の全てを奪い尽くそうとしていた。むしろ役場のある人こそが、あんな連中を相手にする事はない、我々みたく、あんたの苦労や努力を、何一つ知らない連中だと言って、私を励ました。ブログで彼女は、私は頭痛持ちの人間だから、ナロンエースでも送りたいと書いていて、私に送っていたのは、自分の悪事をばらすなと言う、脅迫メールだった。彼女から、支援代表を降りたいと相談を受けていた人は、彼女の意見を聞いて驚いたと言う。こんなにも、見返りを当然のものとする人間だったのかと。私は支援活動を、あの時何度も断った。それは、メールや電話のやり取りさえ無い相手の誰に、支援の器の無い人がいるか分からなかったからだ。なのに、彼女こそが、その最たる人であったとは。彼女の外用の性格を、信じ、称え、私は彼女が大好きだった。自分もあれ位鷹揚に、優しくなれればと思っていた。何故気が付かなかったのか。彼女が昔受けてしまった暴力。自分の親友と彼氏からの、異常な暴力。友人から、そこまで、憎まれ、恨みを買ってしまう性格であった事に。そしてそれに、決して懲りる事のなかった人だと言う事を。私は彼女を憐れに思ってしまう。彼女はブログを閉める直前、私の私書箱にメールを入れた。その内容は、自分の友達に、罪を被せるものだった。言い訳だらけの告白、そして私と、仲直りしたいと書いていた。きっとやり過ぎて孤独になったのだ。そんな事では、自分が傷つけた罪は償えないし、誰からも信頼はされないんだよ、と、私は彼女に言ってあげたかった。他に何が出来るだろう。私は彼女に利用された、女性を大事な友人だと思っている。あなたが彼女に全て告白して、彼女に謝罪をしないうちは、私はあなたの申し出を、決して受ける事は出来ない。ごめんね、きよめだかさん。

  2007.04.14

• 

  無題

  　　　文章は我が精神・・・　　　絵は我が心　　

  2007.04.08

• お知らせです

  しばらく楽天ユーザー以外書込み禁止にいたします。

  2007.04.06

• 大変遅れましたが収支報告です　訂正版

  2/１　￥14,5602/３　￥12,7682/５ ￥18,7202/７　￥ 6,2402/10　￥ 7,3502/11　￥12,7682/12 ￥12,4802/14　￥19,1522/18　￥ 7,9802/21 ￥ 2,0002/22　￥16,2602/25　￥ 6,7762月分合計112,1083/１　￥14,3643/４ ￥ 4,225 ￥ 6,4283/６　￥ 6,428 ￥ 6,328 ￥14,3643/７　￥13,3963/９　￥19,1523/13 ￥18,1103/20 ￥ 6,384109,1792,3月現在合計　\221,287内訳は、ドックフード、キャットフード、猫砂その他でございます。この中に、きよめだかさんから受け取った支援金を全額使わせて頂きました。本当に皆様ありがとうございます。ご心配をおかけして本当に申し訳ございませんでした。こちらに掲載した分に関しましては、領収証が確実に手元にございますので、ご不信があらば、写真で掲載いたします。２，３月分についても、領収証やレシートのもらい忘れがございまして全てを掲載できておりません。ご了承下さいませ。なお、１２、１月分に関しましては領収証が現在、まったくそろっていないため掲載を断念いたしました。報告が遅れまして大変申し訳ございません。

  2007.03.23

• モモ＆優希さんと、お話できました。

  で、親しく分かり合えたことで、彼女が、私を誤解していらした時の書き込みを、削除してほしいと仰ったので、すぐに取り掛かったのですが・・。すみません、眠くて多分、関係ない方の書き込みまで、一つか二つ、削除したように思います。他意はありません、ごめんなさい！！

  2007.03.21

• 事件の顛末　－２－

  この三ヶ月の事を、書こうとすると、何だか壮大で、かつ世俗にまみれた、一大叙事詩を執筆しようとしている様な気がしてくる。さあ、始めないとな。でも、あまりに大きな物語となった、今回の出来事、一体何から書き始めたらいいんだろうか？１９８９年のある時に、長らくオオカミが絶滅していた、アメリカはモンタナ州で、あるドラマが世界に創造された。それは、オオカミを愛していない人間にとっては、語られる価値の無い物語だった。でも、オオカミを愛する人間達にとっては、それは古い詩人達が礼賛した、神秘と魂が私たちと共にあった、本物の世界の再来の兆しだった。人間の偏見によって憎まれ、絶滅寸前まで追い込まれた、我らが神の物語を、モンタナに住む作家、リック・バスが、記録に残そうと筆を取った。彼は何から語ろうかと考えた。オオカミの生態？歴史？家族愛？人間による拷問？政治の駆け引き？バスは結局、モンタナのオオカミの、運命の結末から話し始めた。「どこからはじめても、最後には全てが一つに結ばれるのだ。」　（帰ってきたオオカミ　晶文社刊）私の話は、そんな尊い素材じゃない。でも少なくとも、何から語ったらいいのか、考えなくてはならない位に、多くの内容を秘めている。だからまず、神罰についてから始めようか。裏切りも収支報告も、結局全ては一つの根に戻されて行くのだから。今は既に閉じられてしまった、三月三日の美月さんの日記に、こんな文章があった。本人の了承を得て、掲載します。「先日も　夢に　一匹の象と天からの声を聞いた・・・。　象は、お釈迦様の使いだとか？！神秘な夢の連続・・・。　いったい、なにを意味しているのか。」その前日、私は山から、子供達のフードを橇に乗せて運び、世話を終えて仕事に行く途中、こんな白昼夢をぼんやり見てた。神社で昔出会った、野良犬吹雪、私にとっては父親代わりの。彼がふっと頭の中に姿を現し、こう言った。「歓喜天が行くから。」歓喜天とは、大聖歓喜天と言って、インドの神様、ガネーシャ神の事である。敬愛するマハトマが、ヒンディー教徒なものだから、多少はこの宗教の勉強は済ませていて、ガネーシャ神についても、少しは知っていた。象の顔を持つ神様だ。私は橇を腰に繋ぎ、かんじきを履いて、３，５キロはある片道を戻りながら、さして感慨もなく、その白昼夢を見ていた。辛い事だらけで疲れ切っていた。青い鳥が、私の肩に止まって囀ってくれた所で、それがどうしたと思った事だろう。仕事前の重労働を終えて、店に入ると、同僚から、私に電話が来ていたと伝えられた。名前を聞いたが、すぐには誰だか分からなかった。二度目の電話で、今度は私が出て、相手が名乗ってくれた時、ようやくその人が誰なのかが分かった。sun-chan-rakutenさんだった。以前に封書を頂いた時、差出人として、書かれた彼の実名だったのだ。あの騒動の最中、私は一度、彼と電話で話す事を試みた。しかしそれは断られ、結局誤解は解けなかった。その相手が、何の前触れもなしに、いきなり私に電話をくれた。「歓喜天が行くから。」その言葉に頭が釘づけになった。彼は、最近になって、きよめだかさんの言動に、不審な点が多く見え始めて、自分のしていた事に、自信がもてなくなったと言った。私に謝罪したい。その上で、別の真実があるなら聞かせて欲しいと。私は、自分の事実を全て述べた。話している内彼は、自分が如何に騙され、無実の人間を叩いたかを悟って苦しんだ。だから、もういいよ、そう私は言った。但し、他の誰にも、二度と同じ苦しみは与えないでくれと。彼は約束し、美月さんも、私に謝罪をしたがっていると教えてくれた。美月さん！彼女にも、何度直接連絡を取ろうと試みた事か。しかし彼女は、私と直接話す事は、きよめだかさんに止められていると言って、全く応じてくれなかった。あの人が！！美月さんと話せたのは、それから二日後だったと思う。四日の夜の事だった。そして三日の日、私は美月さんのブログの中で、彼女の所に、象が現れていたのを知った。その後聞いた所では、彼女が本当に、自分が間違っていると悟ったのは、その象を見てからだと教えてくれた。何だか、言いようの無い不安に襲われた。若樹さんに、連絡を取らなくてはならない、そんな気持ちで一杯になった。丁度同じように、きよめだかさんへの、疑惑が募り過ぎたsun-chanさんが、自分も彼女に連絡して、謝罪をしたいと言い出した。多くの疑惑の証言を持って、この二人は私の無実を確認してくれた。しかし、彼女達と誤解を解いた事を公表するには、大きな問題があった。きよめだかさんの、彼氏である、翔さんが、きよめだかさんの頼みなら、ヤクザの友人を、動かして行く人間だからだ。この二人ー、特に美月さんは、きよめだかさんの、本当の素顔を知り過ぎた。真実を暴露したら、自分がヤクザから、リンチを受けると危惧していた。きよめだかさんは、美月さんに対して、レジスタンスさんも、ヤクザと繋がりが深い人間なのだと吹き込んだ。（これはきよめだかさんの嘘だった。）私と電話で話した時、彼女は何よりも、この二人の影に怯えていた。私は一計を案じた。きよめだかさんから、バサラさんに届いた脅迫メールは、既に釧路警察署に届けていた。今回の一連のブログをコピーして、CDに焼き、美月さん達の証言を付け、ついでに脅迫者達の、住所、氏名、電話番号を記し、それを警察とマスコミに届け、我々の中の誰かが、暴力団から攻撃を受けた場合、すぐさま脅迫者の、捜査が開始されるように、先手を打っておこうと。友人と、その作業に入ろうとした頃、今度は彼女のブログで、美月さんが裏切り者のように叩かれだした。私はさすがに我慢がならなくなった。美月さんを、騙していたのはきよめだかさんだった。友人を裏切って、自分の謀略に利用していたのは彼女の方だ。計画もそっちのけで、私はいきなりブログで参戦してしまった。話は逸れるが、この辺りの単純さが、実は自分の性格の中で、一番気に入っている所だった。バカとは、こうでなくてはならない。するとすぐに、レジスタンスさんからコメントが来た。私書箱の中には、どうやって調べたか、私の何に使ったか忘れた、パスワードが彼から届いていた。（これが分かったのは少し後だけど）バサラくんが、更にコメントを彼に返した。今度はレジスタンスさんから、では、電話で話し合おうと、コメントが送られて来た。美月さんから、彼はヤクザと繋がっていると聞いていた。どんな脅し文句が語られる事か。私は店の電話を指定した。ボイスレコーダー機能がついているからだ。そして約束の時間になり、店の電話は、約束が果たされた事を、私に知らせるべく、ありったけの呼び声で、それを告げた。私は、電話の受話器を取って、録音ボタンを押した。四十代の男性の声が、受話器の向こうから聞こえてくる。彼は私に質問する。本当に一切の中傷に関わっていないか。私は誓った。もし私がやったと言う事実が発見されたら、子供達を行政にでも引き渡す。つまり私は、私の無実に、私の命よりも大切な、世界の全てを賭けてしまった。しかしそこまで、無言電話にしろコメントにしろ、自分の無実を保証出来た。レジスタンスさんは、私の誓言を確信した。私と言えば、彼と電話が始まって、数分後には、電話の録音を切っていた。相手は悪人でもなんでもない。きよめだかさんについていたから、戦う羽目になったが、声にしろ、発言にしろ、人格者の見本。私がされた事はもういい。老練した賢者達は、権謀術数を兼ね備えたもの。今回は、向こうに先手を打たれただけだ。大切な友人を守ろうとして。その為に、私が犠牲になっただけだ。←んー、うん？いーのかな、ここまでバカで・・。電話を切って翌日美月さんに報告した。レジスタンスさんは、ヤクザなんか使わないよ、そんな人間じゃないから、大丈夫。ブログでは、きよめだかさんが、美月さんや、他の人に、裏切られたかのような、日記を更新していた。レジスタンスさんは、本当に、真犯人を、探し始めてくれていた。私は、ヤクザの危険が薄れた事を感じて、二人との和解も発表した。そうして、形勢不利を見て取ったきよめだかさんが、私たちにとっては、お馴染みの手に打って出た。誰かを非難して、それを苦に自分は死ぬと書きたてる手だ。これには、二つの効果がある、一つ、自分への批判をかわせる事。もう一つ、周囲を心配させて、自分を正論で訴えてくる人間達を、叩くように仕向けられる事。自分は一切被害者の振りをしたままで。周囲の取り巻きを利用して、相手を思う存分非難出来る。私たちは、やはりこの手で来たかと思った。自分の悪事がバレそうになれば、また自殺未遂騒動を起こして、私たちを封じる手に出るはずだと。今回は、しかし芝居が大きくなりそうだった。ブログでは、海に飛び込むと書いてある。これが狂言なのは、この三ヶ月、彼女に悩まされた人間は、みんな分かっていたから、それを案じた者はいなかった。美月さんは、少し心配してたけど。私たちは、きよめだかさんと、翔さんの、シナリオがどう作られるか、考えていた、。うまく読みどおりに行くのなら、海に飛び込む訳だから、先手を打って、芝居を暴ける。警察が、きっと有力な情報を出してくれるはずなのだ。私たちが考えていた、この二人のシナリオは、こうだった。まず、きよめだかさんが、行方不明になり、捜索に出た、翔さんが、五浦海岸で、海に投げ込まれた花束を、発見、その後、海に飛び込みはしたものの、助かったと言う、報告を、ブログで、きよめだかさん本人が、翔さんの名前を騙って報告ー。nekoさんの通報は、想定外の証拠を、私たちにもたらす結果となった。彼らの作ったシナリオも、報告者が、親戚を騙った以外は、読み通りの策だった。私は、きよめだかさん、発見の報告の後、茨城県警に確認するつもりだったが、本人失踪が、三日と少々、予想よりも長引いたから、早く狂言の証拠が欲しくて、１２日に、春日部警察署に確認の電話をかけた。これでも、一緒にテレビに出た関係だから、さすがの警察も、安否は何とか教えてくれた。翌日、きよめだかさん発見の情報がブログに出るまでに、私の所には、四件の彼女に対する情報が入ってきていた。まず、ある人が、県警から確認した安全の情報。彼女の親戚は、花束など、五浦に行って、発見した事実は無いと言う情報。それからnekoさんの、交番の警官が、彼女をパニックにさせた事実はなかったと、証言してくれた情報に、きよめだかさん失踪中、翔さんが、いつも通り仕事に出ていたのを、本人の証言で、確認した情報。そんな訳で、我々は、彼らがこの狂言を、どう収束させるかを、見守りながら、沈黙していた。気の毒な事だが、最初から全ては見破られていたのだ。ガネーシャ神が、父の言う通りなら、来て下さって、たった十日あまり。三ヶ月に渡った、私の汚名が、たった十日で晴らされて行く。そう、最初はここから書いて行こう。きよめだかさん、翔さん、あなた達には、神罰が下ったみたいだよ、と。

  2007.03.18

• 事件の顛末　ー１－

  パソコンを前に、極度の緊張状態に陥っている。この三ヶ月の騒動で、すっかりネット不信になった。今こうして、やっと自分の身の潔白の、説明をようやく周囲が聞いてくれる状態になって、これまでの事を、振り返りながら、書こうとする時、体に逆に震えが起こる。ネットで悪人扱いされ、誹謗中傷の犯人扱いをされていた時は、逆に理性をしっかり保てたと言うのに。ようやく私の潔白が周囲に認められ始め、事実無根の事で、叩かれるのが終わるであろう今、気丈な冷静さの下の、素顔が子供の様に泣きじゃくる。誰が真実の説明を聞きたかろうと、そんな要求に応える事無く、完全にネットから姿を消してしまいたいと思う。私はまだ大人じゃなきゃいけないんだろうか。どんな時でも大人じゃなきゃいけないんだろうか。キーボードの上にある左右の手に、軽い麻痺症状がある。恐怖から来るストレス性の軽い麻痺。本当にもう、あんな思いをしなくていいのか。周り中から、刃を向けられる事はないのか。出来る事なら、最初からずっと私を信じてくれていた、友人の背中の後ろに隠れたい。そして、泣くだけ泣いたら、心から安心して、立ち直れるまで眠りにつきたい。daraちゃん、君はきっと、私より怒って傷ついていた。君は一度も会った事のない私の、人間性を、最後まで信じてくれていた。michelleちゃん、苦しみも悩みも、今は私の方が大変だからと、相談を君は遠慮してた。ごめん、これが片付いたら、必ず力になるからね。バサラくん、ニコママさん、途中で私の話を聞いてくれてありがとう。それからあなた達は、陰になり、日向になり、本当に私を支えてくれた。はなこさん、あの渦中の時に、私を信じて支援を始めてくれた。あの時私書箱の中に、あなたからの手紙が届いてなかったら、私はきっと倒れてた。みきさん、あなたも一度は、何を信じていいか分からなかったのに、結局あなたは私を信じ、本物の友情を結んでくれた。美月さん、sun-chan-rakutenさん、謝罪の電話をありがとう。長い事、私を叩いてしまったから、本当に勇気のいる事だったと思います。レジスタンスさん、電話越しに、私を信じると言ってくれてありがとう。それから、中傷メールの犯人探し。犯人が分かろうと分かるまいと、どんなに嬉しかった事か。nekoさん、色々助けてくれてありがとう。でも、もう二度と、女の涙に騙されるのは勘弁してよ。（笑）大○さん、ちび達の事だけでなく、ネットの事でも心配をかけました。私と同じ様に犬を愛するあなたに、どれだけ勇気をもらった事か。しろちゃんの自由を守ったあなたを思うたび、私も勇気に満ち溢れた。もし私が、第三者の人達に、真実を信用してもらえなかったら、またあなた達を苦しめてしまうのだろう。あなた達の為に、どっちが良いのだろうかと考える。書く事か。消える事か。ネットの怖さを、あなた達も痛感させてしまった訳だから。もう止めたいね。平和に暮らしたいね。ネットの世界にそれがないなら、パソコンの画面は、永遠に黒いままにしておきたいよ。でも。書くか。手の感覚も戻って来た。誰が聞こうが聞くまいが、真実にだけは正直に。もう少し、せめて書き終わるまでだけは、大人のままでいなくてはね。取り合えず来週は、ブログのお陰で出会えた友達が、私の子守をしてくれる。あと一週間は、大人のつもりで頑張るか。読んでくれる人達へー、ごめんなさい。いろんな感情を抑えるのに精一杯で、まともな文章書けないかも。

  2007.03.17

• 終幕

  きよめだかさんの、失踪事件についてですが、私から証言しておく事があります。まず、１２日の夕方に、春日部警察の方から、私は彼女の無事を、既に確認していました。今、もう一度その時話した方と、電話で話しましたが、警察は、いい加減な情報は流さないと、保証して下さいました。警察の名誉の為にお断りしますが、彼女の個人情報を、簡単に教えてくれた訳ではありません。しばらく検討し、二度目の電話で、やっと無事だけ教えて頂けました。また、昨日nekoさんが、ご自分が通報した、彼女の家の近くの交番に、本当に大の男が、裸足の女性を取り逃がしたのか、疑惑に思い、翔さんを介さず、自分で交番に確認してみた所、警官が家を訪れた際に、きよめだかさんが、パニックになり、家から飛び出した事実はない、とお答えを受けたそうです。これは、nekoさんの、了承を得て発表しています。ブログ上で、一大悲劇が演じられていたもので、途中で止めさせてしまうのも失礼かと思いまして、取り合えず終幕まで拝見しておりました。何故、警官が来た時に、パニックになり、裸足で財布持って逃げたとか、警察が、私に彼女の無事を保証してくれた時でも、まだブログでは、行方不明になっている話が続いていたかは、ご当人達に伺って下さい。

  2007.03.14

• 真実と、尊厳と

  「－しかし、わたしにとっては、真実こそ、ほかの無数の原則をそのなかに含んでいる大原則なのである。この真実は、言葉の使いかたにおける誠実さのみならず、考え方における誠実さでもある。さらにわたしたちの真実に関する相対的な観念であるのみならず、絶対の真実、永遠の原則、すなわち神でもある。　　　－中略ーわたしがこれまでに書いた事の中で、読者が何か傲慢めいた印象を受けたとすれば、わたしの探求のなかに何か正しくないものがあるのではないか、そしてわたしが見たきらめきも、蜃気楼にすぎないのではないか、と読者は思うに違いない。わたしのごとき凡人は滅びても良い。しかし真実は勝たせなくてはならない。わたし自身のような、あやまち多い人間を判断するに当たって、いささかも真実の基準を引き下げてはならない。」ガンジー自伝　中公文庫　　ガンジー三ヶ月に渡り、私はネットの暴力に耐えてきた。友人だと信じていた女性が、実は、親しかった頃から、私を裏切っていた。何故？特に理由はない。彼女は私に限らず、他人一般を信じない。自ら何度も言っている様に。あの時、自分の対面を守る為に、私を失敗の身代わりにする必要があった。そして私が悪党に仕立て上げられた。この間に受けた暴力を、私は一生忘れられない事だろう。人格の否定、人権の否定、・・・。当事者と第三者は、私に対して、疑いを晴らす権利すら認めなかった。冤罪で、死刑台の前に立った人間。その虚しさを、経験した。誰か私の目が見えるだろうか？あなた方が、自分の潔白を証明すると言う、人権すらを、認めなかった人間の。かつて、彼女に、同じ暴力の犠牲とされた人間は、それと同じ暴力を持って、彼女を懲らしめようとした。しかしそれは正されなかった。暴力を持って、暴力を制する事は出来ない。悪を持って、悪を正す事は出来ないのだ。私は真実の力しか用いない。他の力は、暴力であれ、金であれ、権力であれー、私とは、決して相容れないものだから。その人間に、真実があるならば、真実は、決してその者を死なせはしない。真実から逃れようとするならば、その者の故郷は不正の谷だ。真実は凶器ではない。真実は、真実に過ぎない。もしそれに、暴かれて傷つく者がいたとしたら、自ら真実を凶器としたのだ。ずっと昔から、私を支える言葉がある。貧しくひ弱な人間の、体を支える大切な言葉が。社会から、今回の様に否定されながらー、それでも自分の心を信じ、それを育て続けた、私の心を支えた言葉。「－それゆえに、非暴力を真の自由の達成の唯一の手段であると信じている人々に、今日の計り知れない暗闇の真っ只中で、非暴力の灯火をかがやかしくかかげさせよう。少数の人々の真理にこそ価値があるのだ。幾百万という人々の虚偽は一陣の風の前におかれた籾殻のように消え去るだろう。」わたしの非暴力　みすず書房　　マハトマ・ガンディー

  2007.03.12

• 遅ればせながら、新しい年のご挨拶です。

  皆様今年も宜しくお願い致します。年末年始も休みなく、特に年明けからは、仕事が大変忙しく、ブログはおろか、友人達とさえ、連絡する気力もなかった若樹です。今日は二週間振りの休み。しかも、この季節には信じられない暴風雨の為、引っ越しの作業も出来ず、ここ数か月で、多分初めての、まともな休息を得ています。昨夜から、天気が大荒れすると聞いていて、子供達のご飯を、昨日まとめ買いに行きました。写真が昨日のお買い物。このフードの山の向こうに、まだドッグフードにキャットフード、猫砂の入ったカートがあります。さすが軽のワゴンには積み切れず、載せるだけ載せて、残りはお店で預かってもらいました。初売りの目玉商品で、「愛情物語」と言うフードが、１０キロ６９８円。期間中に買わなきゃ、本来の値段である、９９８円に戻ってしまうから、車の積載量を超えて買ってしまいました。本当はもっと買いたかったけど、生憎給料日前。これが精一杯でした。今現在、犬達には、一日７０キロのフードを食べさせているから、今回は五日分を買いました。猫砂も、私の愛用品である、シリカサンドが特売で大感謝。これだから、毎年年末年始って幸せです。それから、友人の家に以前捨てられた子猫二人、故あって、私の寮で預かれる事になりました。私の部屋を、同僚のゴミや荷物が占拠していた為（引っ越し時から、今までずっとね(-_-#)）、私は小さな仮部屋で我慢していたんですが、（グズでだらしないから、何度せっついても片付けない）子猫を引き取る事を期に、広い間取りの、私の本来の部屋に戻る事にして、ガミガミ叱って、部屋を片付けさせました。そこで私も、隣りの部屋から引っ越し。荷物がないから楽だったけど、布団を運ぶのに、体が辛くて泣きそうでした(-.-;)。私の猫で、体調が悪い猫も、友人宅から連れて来て、計三人の猫と、数日前から過ごしています。仮部屋は、病院の隔離部屋みたいな狭い所で、全く寄り付きたくない寝場所でしたが、猫達のお陰で、まともな部屋にようやく落ち着き、春に寮を出て、子供達の暮らす山に移るまで、少し楽しく暮らせそうです。ここの寮に間借りして以来、人間しか同居人がいなかった私は、寂しい事この上なく、猫達の到来で、やっと人心地をつけています。これで犬もいてくれたら、本当に幸せなんだけど。春までは辛抱ですね。では今から、でっかい一仕事に向かいます。また後で、ブログを更新したいと思っています。

  2007.01.07

• この一年に、感謝を込めて。

  今日、二回目の更新になります。昨日携帯に来た、日記メールを、今朝修正して更新したから。２００６年１２月３１日。本日も若樹は仕事です。今日は日曜日だから、本来ならお休みなのですが、大晦日やお正月は、ホテルの泊まり客が増える為、我々も休みはありません。さっき、常連のお客様を、いつもの感謝を込めて、一時間ソフト整体の料金で、二時間半も、施術していました。そこから、少し暇になり、お腹が空いた私は、今、お米が炊けるのを待っている所です。夕飯前に、仕事が入らなければいいな、と思いつつ。今年を振り返ってみると、本当に、私の人生の、最も大切な節目だったのだと分かります。犬や猫を、全く個人の慈善行為で、助け始めてから、足掛け２０年。信じられない苦労の連続。でも、常にそれを乗り越えて来た私が、今年の三月に、子供達と追い出される事になり、万策尽きて、生まれて始めて自殺に踏み切った。子供達と、別れて生きる選択肢は、私には端からなく、最後まで、自分が信じた者達と、運命を共にしようと思った。睡眠薬を、一箱丸ごと飲んだのも、生まれて始めて。手首を切ったのは、二回目だけど、今回は死ぬ気で切った。それでも死は訪れず、私は最後に、車のマフラーに、ホースを二本繋いで、車に引き込み、窓に目張りをして、死に切ろうとした。友人と、地主さんが、やって来て、私を病院に運び込んだ。家族に、子供達には、食べ物に睡眠薬を混ぜ、眠らせた上で、医者の手により、安楽死をさせて、私の元に、送ってくれと頼んでおいた。どうしても、子供達より先に死にたかった。子供が殺される所を目撃したら、私はその後、自殺どころか発狂して、残りの人生を、精神病院で送る事にしかならないから。でも、そこまでの覚悟が、結果として、私と子供達を救う事になった。我々は、引っ越し先を見つける猶予を手に入れて、私をそれを果たした。私達が住む、新しい土地への引っ越し作業を、友人は「引っ越し」とは呼ばずに、「開拓」と呼んだ。大好きだった、マッサージの仕事も、犬達の事で、近所からの仕返しとして、クビにされた。しかし、収入はまだ劣るけど、代わりに私は、経営者である先生のお陰で、自分が責任者として任される、ソフト整体や、オイルマッサージの、素晴らしいお店を、新たな職場として与えられた。ブログを始めて、私の前に、新しい人間関係が広がった。子供達の事が、世に少し知られて、賛同し、協力してくれる人々が現れた。それに不随して、最近の混乱も経験したけど、その代わりに、強い絆を持つ、本当の友人達にも恵まれた。今年一年と言うよりも、今年は、私の人生そのものの、節目となる年になっていました。３３年間。この歳月は、私に一度も人生の、陽の目を見せてはくれなかった。ただひたすら、日陰の努力を、たゆまず続けていた歳月でした。それが今年の、自殺未遂を乗り越えた辺りから、私はようやく、自分の人生で、努力や苦労が、報われ出しているのを知る事が出来ました。こんな日が、生きてる内に訪れ始めるなんて、夢にしか思えず、今も、喜びよりは、驚きの方が大きいのです。今年は、とても重要な年でした。私にとって、死と再生の年でした。３３年間の苦労が、五月の自殺未遂で一つの完結を迎え、私はそこから、新たに再生を果たしました。これから本当に生きるんでしょう。これまでの苦労を全て、バネにして。振り返ってみて、間違いなく、私の人生最高の一年でした。とても感動しています。私を支えてくれた、皆さんにも感謝を込めて。一年間、皆様もお疲れ様でした。来年も、またよろしくお願い致します。若樹と子供達より。

  2006.12.31

• 真実対虚実

  ブログ再開について、ずっと重い決断が付きまとっていた。今月の始めから、私のブログが荒れる原因となった、元支援代表の、降板。彼女が代表を降りる事について、彼女の友人が、私に全責任があると騒ぎ立て、事の真贋も確認されないまま、多くの人間が、その誹謗や中傷に加わり、ブログは大混乱。コメント欄や掲示板に、執拗に繰り返される、言葉の暴力。その余波は、私の友人のブログにも流れつき、遂に私は、ブログのコメント欄と、掲示板の閉鎖に踏み切った。私に加えられた、様々な批判は、全て批判者達の、憶測や主観、情報の、無確認などによって引き起こされた。私側からの、情報や証拠の提示の申し出。それを受けて、ある人は冷静な判断力を取り戻し、ある人は、尚も妄想にしがみついて、反撃した。私がコメント欄を閉鎖した頃には、こうした、元支援代表側と、私の、事実の行き違いの原因が何であったのか、中立となり、両方の側からの、話を聞く事が出来ていた人達からの協力を得て、全てが明らかになっていた。私がそれに対して、ここまでブログに記して来なかったのは、他ならぬ中立の人々、また、私の友人達が、私が再度この問題を持ち出す事によって、またしても、混乱が生まれ、私がその犠牲になる事を、良しとしなかった為である。彼らはみな、私に、黙って耐えてくれと、願い出てくれていた。私自身としては、私がまたこの問題に、解決の為とは言え、関わる事によって、ブログ仲間達に、迷惑が及ぶ事を懸念していた。もう一つの懸念は、全てが明らかになった今、自分に加えられた、余りに理不尽な仕打ちについて、冷静さと寛容さを失わず、怒りを抑え、客観的な解決を、自分が行えるか否かに、自信が持てなかった事による。私は、自分のブログに現れた、集団心理によって、他者に容赦なく暴力を加えてしまう人間を恐れて、真実を飲み込もうとは思わない。自分が、これ以上傷を受けぬ為に、汚名を自ら被る事を、潔良しとは思えない。自分の意思と、友人達の助言が、私の中で、拮抗していた。我々には、真実を明らかにする事によって、後一つ、重大な懸念が予想されていた。今回の騒動の、真実の露見によって、（もし、彼女に真実を理解する可能性が残されているのなら）多大な衝撃を受ける人間がいるのだ。その人間は、言わばこの騒動の、扇動者の一人でありながら、本当は、私に次ぐ犠牲者でもあった。もし彼女が、私について、あれだけの事実確認を怠った、誹謗中傷をさえしなければ、いや、それ故にと言うべきかー、彼女こそが、最高の犠牲者と呼べる、結果になっていたかも知れない。その彼女が、真実を全て知った時、ショックの余り、自殺を計るのではないか―、それが、私に真実を伝えてくれた人々の、最大の懸念だったのだ。彼女の命を案じるが故に、我々は、真実を背中の後ろに、隠しておこうと決めていた。しかし、私は、それによって、とてつもなく不都合な事態を抱える事になった。ブログが再開出来ないのだ。私の所には、元支援代表の口座から、支援者の方々からの、支援金が届いている。支援活動の、引継ぎの報告も、終わっていない。それに着手する以上、彼女達との混乱は、無視して通れない問題だった。ブログを再開すると言う事は、支援活動に関して、何等かの説明やケジメを、まず述べる必要がある。真実に触れないと言う事は、私は意図的に事を荒立てた人間の、罪を全て被る事になる。自分の名誉と誇りを傷付けられたまま、その人々の罪を背負う訳だ。誰にも真実の釈明なく。もう一人の被害者の、反応を憂慮するならば。しかし、世の中には、庇って良い事と、悪い事の、別がある。人が何等かの事情を抱え、善人が、泣く泣く犯した犯罪を、代わりに引き受ける事は善行である。反対に、意図的に人を痛め付けた人間を、庇う事は、悪行であると私は思う。人間が、道徳的成長を果たす為には、自らが原因となって招いた事に、目を逸らしたりせず、向き合う事が不可欠だ。彼女達の罪を、私が引き受ける事は、彼女達の罪を、許す事にはなりはしない。それは彼女達の罪を、擁護するだけであるのだから。結局、真実が明らかになって以来、私は自分の対処の方法について、考え抜き、また、友人達の意見を、繰り返し求め、何日もかけて、頂いた意見を尊重しながら検討し、最終的に、真実を明らかにした上で、ブログを再開に踏み切ろうと決断した。虚実について、詳細に渡って、説明を行うつもりはない。ただ、何があってこうなってしまったのか、それだけは、明確にしたい。それを明らかにして行く上で、彼女達を責める気持ちが、私の中に生まれないよう、私の敬愛する、聖者に祈るばかりである。私のブログは、自分の楽しみの為でも、吐き出しブログでもない。人とアニマが、地球で共生する明日が実現する事を願って綴っている、今の自分に出来る唯一の、社会的な行動である。だから、ブログを自分が再開する為なら、再び混乱の最中に立つ事も覚悟の上で、真実を書き記して行きたい。フリードリヒ・ニーチェの言葉だっただろうか、それを確認出来る書物が、今は私の手元にないのだが―怪物と向き合う者は、その途中で自分も怪物にならない様に、注意しなくてはならない。そう語ったのは。確か私の記憶が正しければ、「ツァラトゥストラはかく語りき」の、中かいずれかで。別に彼女達を、怪物だと言っている訳ではない。ただ、一人の女性の、心の中で、最も人間性に欠けた部分が、この騒動を引き起こしたのは事実である。そして私は、この騒動の最中、当事者と電話で話したある時に、相手の非人間的な姿勢に破れ、自分も冷静を失ってしまった事があるのだ。非人間的な相手と向き合う時、私は時に、激しい怒りに駆られて、自分を失ってしまったりする事がある。非人間的な相手に対する憎悪は、私の精神にはびこる、最大の病巣である。私を人間扱いしなかった、実父達、生命ある尊き者を、物扱いする人非人達。そうした人間の、精神や心に対する憎悪が、今尚、私の中で、命を失わずに生き長らえている。人非人と向き合う時に、己までが人非人になってしまうのなら、私に倫理を作り上げる力はない。その力を養う為にも、私は憎悪から、自分の生き方を引き剥したい。ついこの前に、私は人非人に対して、再び憎悪で理性を失ってしまった。ツァラトゥストラの忠告の様に。それを戒めとして、人を許す精神を持って、真実を明らかにしたいと思う。ツァラトゥストラ―ゾロアスター神の、得難い忠告を、心で常に、確認しながら。

  2006.12.30

• 疲れて立てない

  ふらふらする。力が入らなくて、コーヒーカップもまともに持てない。気力で立てなきゃ倒れてしまう。子供が待ってる。柵を補強しなきゃ、前の家から、残ってる子供を運べない。もう車が通れる、ギリギリの時なのに、疲れてまだ動けない。子供のご飯を買いに行かないと、世話しに行かないと、柵を補強して、子供の家を修理しないと、もうお昼になる。四時には真っ暗になってしまう。何も出来ない。誰があの雪を超えて、子供を守りに行けるんだろう。抜け殻の様なこの体を使って。私と子供達の土地。権利書だか登記書だかも持っている。前の地主さんから、七月に売買譲渡されて、行政書士が、確か七万近く払って書類を作ってくれた。柵は見た目じゃないし、寮は仮住まいだし、支援金の支出は、きよめだかさんのブログ通りなのに、私はドロボーで詐欺師だと言われる。草小屋しか建てられないから、設計も材料も全てやって、ただ間に合わなくなっていた。続きは来年。草小屋は、私が五年近く住んだバスより暖かい。バスは冬に、零下１５度までなってた。テレビはあまり見ないし、ドラマは全然興味ないから、北の国からって番組が、私の家程過酷なのかが分からない。道が雪で閉ざされる。時間がない。パンチドランカーみたいになって動けない。雪が降って動けなくなる。体に力が入らない。私達の土地なのに、嘘の記述だと叩かれる。誰も真実かどうかは構わず、人を殺す程の、精神への暴力を加える。寮の電気も水道も、みんな会社が払ってるって、会社に確認しないから、好き勝手に書き立てる。それらを見て、支援者だった人も背中を向ける。連絡もよこさなくなる。静かになるからそれでもいい。最後まで、信じてくれる人が、私の友達なのだから。電気も水道もガスもない暮らし。友達が、家でランプの火を見ながら、時間が長く感じるねと言っていた。灯油をランプに使うと、ホヤと言われるガラスは汚れ、毎日外してきれいにする。水を井戸から汲んで、家の中に運ぶ。猫を踏みかけて、転んで全部ぶちまけたりした。水ぶきして、お家をきれいにしてって言うのねって、笑って猫に、困って見せた。私達がバスを改造してた時、みんなのお昼ご飯を買いに、ホカ弁に行ったら知り合いにあって、どうしてたって聞かれたから、これから電気も水道も、ガスもない所に行くよ。今、住むためのバスを、みんなで改造してるんだって言ったら、あっ、今正午のサイレンなっちゃった。じゃあこれから毎日、新聞の死亡欄を読んで、お前が無事に生きてるか、確認しててやるよと言った、とんち君。私より先に死んじゃって、私が彼の葬式に出た。私が電気も水道もガスもない所で、暮らしていたのが嘘ならば、あの時の、とんち君との会話も嘘になる。今この争いを見て、あの世でどんな風に思ってる？収支報告をしようと言っても嘘だと言われ、ミッシェルちゃんに、フード代に使う許可を得て、きよめだかさんにも言っているのに、裏工作だと言われた。美月さんに、電話で話そうと言っても、無視され、代わりにブログで捏造流されて、それを読んだ人間が、私を全て否定した。草小屋の設計も知らず、バスより暖かいのも知らず、アイヌの人達が、草小屋に住んでいたのも知らず、私が冬に、アイヌの人の、昔の家（民族史料館）で、暖かい事を確認してるのも、アイヌの人の、家の作り方まで調べていたのも知らず、新しい土地が、林道が狭く、４トンもユニックも通れず、バスもプレハブも運べないのも知らず、朝７時半に起きて、ご飯を食べて支度して、子供達の世話をして、午後一時ギリギリに店に戻り、仕事をしながら、前日の売り上げを郵便局に届けて、釣り銭を銀行に行って作り、ホテルに置くリラクゼーションのチラシの打ち合わせから、地元タウン紙の広告の打ち合わせ、撮影だの、店からのコメントだの、顧客名簿の作成、今は年賀状書きまで、店の掃除、タオルやサラシの洗濯、全部責任者の私の仕事。店の前の雪かき、売り上げ計算、金庫の管理、子供のご飯の買い出しや、生活費の苦労、その間にブログの更新、この騒動の間は、更にあちこちと連絡をしまくり、夜もわずかしか寝られず、二日倒れた（今も）。なのにコメントに対し、返事を書かないとか、それは義務だとかも言われた。死んでしまう…。電話代もすごくなって、父から友人に苦情の電話が行った。私には連絡はくれない。人に連絡している暇があるなら、コメントに返事しろと何度もかかれた。人との連絡は、寝る時間を捨ててやってた。だから倒れて、子供は一日ご飯を食べられなかった。そんな事くらいで子供にご飯をやれなくなるなら、始めからやるなとか、また言われるんだろうね。私の名義になった土地、しようと言った収支報告、裏工作呼ばわりの支援金、ドロボーに詐欺師。見た目だけだと言われた柵、草小屋も、電気も水道もガスもなかったバスの家も、寮の電気や水道代も、全部否定されて、私は死にたい。勝手にブログを荒らしててよ。好きなだけやりなさい。やめたりしなくていいから、暴言の限りを命の限り尽くせばいい。そうしてロクに返信する時間も作れず、言われるがままにならなきゃいけない人間を殺すがいい。私の子供達は、その犠牲になって、母親と共に死ぬだろう。あぁ、うれしいね。そうしたら、もう頑張らなくていいんだ。疲れたら、何も困らず寝ていいんだ。熱があったら、仕事をしなくてもよくなるんだ。雪が積もりません様にと、空を見上げて祈る必要もない。残ってる子供達を、どうやったら連れて行けるか、方法を作り出す事もない。零下３０度にもなるこの土地で、命の危険を感じるのももう終わり。草小屋がないから、吹雪になったら、どこで身を守ればいいんだろう？薪さえ運べなかったのに。私が任されてるお店だって、もう守る責任から解放される。今回、こんな状態でも、支援したいと言ってくれる人が現れてくれた。昔から、ネットで繋がっている女性も、私を信じてると、支援したいと、アメリカからメールをくれた。ブログに来てくれていた人も、背中を向けてしまった人もいれば、最後まで応援を続けてくれた人もいる。でも、もう体が動かない。お昼を過ぎた、行かなくちゃ、時間がどんどん無駄になる。いてもたってもいられなくて、でも体が支えなしに立てなくて、時間が過ぎる恐怖を紛らわす為に、こんなバカげた文章を書いている。昨日近くのアウトドア塾が、規模収縮するから、そこにいる四人の犬が、保健所行きになったから、助けてやってくれって、知り合いから連絡が来た。仕事中だから、詳しく聞けなかったけど、確かあそこの犬達は、ゴールデンとかラブラドールとかって、以前に聞いた。大人だから、引き取り手がなかった。わかったよって、答える事しか出来なかった。その子達の柵を作らなきゃ、殺されてしまう。一日も早く、こうした世の中を変える為に、自分でブログを作ったと言うのに、もう倫理なんかじゃなくなってる。私の更新ブログは、倫理じゃなくって、勝手に捏造された事実などへの証拠や説明ブログ。後、もっと詳しく草小屋の事を書かなくちゃ。私が多忙で、トップページなんか忘れてたから、ブログにしか草小屋延期を書けなかったから、あれが支援金集めで、人の善意を集める詐欺の看板だって叩かれていた。そうじゃないんだって説明しなくちゃならない。誰が私の生活を分かると言うのだろう。分かる必要もないと言われた。ブログをやっているなら、コメントには全部答える義務があると。私が死んでも、子供が死んでも、コメントに寝ないで返信する義務があると言う訳なんだね、あなた方の、犬猫に対する愛って、どこら辺にあるんだろう？私が今日も潰れて、残された子供達が、雪で完全に道が閉ざされる前に、引っ越せる可能性を削り取って。ブログ荒らしを止めないで構わない。私や子供達を殺してくれるなら、私はむしろ有り難い事だから。あの世でみんなと平和に暮らす。もう一人で、子供達の食費をどうしようかと、悩み苦しむ事もない。パイプカットや卵菅を縛る手術のお金を悩む必要もない。疲れた体を引きずって、柵を直す、苦労からも解放される。あの世で昨日頼まれた、ゴールデン達の世話をするから。もう犬も猫も、自由にしてやれる。あの子達の幸せな顔を、毎日見ながらやっと暮らせる。有り難い事だ。やっぱりママ達の安住の地って、あの世以外はなかったみたいだね、頑張ったけど、仕方ないねって、子供達とあっちで暮らそう。私を全部否定していい。信じなくて構わない。疑って、誹謗中傷に加わって、心のままに、私を叩け。やるだけやるがいい。まだ足りないなら、私が死ぬまでそれを続けろ。私が友達にトップページを直してもらって、これで詐欺師じゃなくなったね、なんて言う必要ない。ドロボーでも詐欺師でもペテン師でも偽善者でも、ありとあらゆる悪名で、私の事を呼べばいい。今はもう真冬。気力を失った私と、子供が死ぬまで、そう時間はかかならない。続けなさいよ。そして自分の人生の１ページに、犬や猫と、人間を殺した事を、書き加えればいい。私達が殺されるまで痛め付けられて、それで何かが変わるなら。私以外の人間が、同じ様にネットで叩かれ、事実確認なしに中傷されて、自殺する様な事件を起こさない為にも、あなた方の、戒めとする為、私と子供を死なせるがいい。

  2006.12.17

• 謝罪と批判にお答えして

  まず、ニコママさん（彼女とは、少しは親しいので、ニコママと呼ばせて頂いていました。）、それからガビルさん、私に対する謝罪のお言葉、大変有り難く思いました。ガビルさんとは、直接連絡が出来た訳でもないので、前回のブログで、あれほど私への暴言を謝罪して下さって、望外の姿勢を示して下されました。草小屋については、私からもう少し説明がいると判断致しましたので、後程詳しく記します。掲載された写真は、草小屋を作る為、私が運んでいた大量のヨモギの草です。ニコママさんは、昨日の朝、私の携帯にお電話下さり、話し合う機会を作って下さりました。彼女の私との会話で取り上げられた、「柵の修理は見掛けをきれいにする為」と言った話の真実は、以下の通りです。私の子供達の脱走を防ぐ為、清美さんの呼び掛けで始まった、柵の補強支援金。家に必要なのは、何よりもまず、「ワイヤーメッシュ」と呼ばれる鉄網でした。近年の、中国の鉄鋼業界の景気の良さから、日本でも、鉄の金額が３倍に跳ね上がり、私は犬達の柵として、十分の強度のある、ワイヤーメッシュを買う事が出来ませんでした。やわなワイヤーメッシュを、子供達は、いとも簡単に、壊して脱走をしてしまいます。土を掘って脱走されるのもありますが、何よりも、柵の強度がない事、それが悩みの種でした。そこで支援金が集まりだした時、私はワイヤーメッシュを買えるだけ買わせて頂こうと思ったのですが、最終的に、どの位の額になるのか分からなかった為、取りあえず２０枚だけを発注しました。家の柵は、全体で約２７０枚位のワイヤーメッシュを使っています。そこでやはり、既に壊された場所を、買わせて頂いたワイヤーメッシュで補強しても、また、別の所を壊されるだけでした。私は更に集まっている、残金で、ワイヤーメッシュを買おうと考えていた所、清美さんから電話が来て、犬達の脱走を防ぐ為、柵の周囲にコンクリを埋めたらいいだろうと、彼女は考えていて、北海道のホームセンターに電話して、コンクリの金額から、使い方、季節によって、作れる時期も異なる事など、沢山聞いて、調べていてくれました。しかし私の土地は、熊笹が地を覆っていて、人力で地面を掘るのは、不可能に等しいのです。柵を友人と作る時も、杭を入れるのに、笹の根に阻まれ、大の男でも、ほとんど掘れないくらいでした。しかし清美さんは、自分の病気をおしてまで、コンクリについて、一生懸命調べてくれていて、私はそれを、「無理なんだよ。」の一言で、却下出来ずに悩みました。清美さんは、コンクリにとても関心を持っていて、このまま支援金を貯めて、来年の春に、コンクリを大量に買おうと提案していたのです。しかし、コンクリは人力では、笹があって埋められず、やるならば、ユンボを借りて来て、柵の周りの樹々をなぎ倒しながら、機械で大地を掘り進み、コンクリを流し込む、と言う様な、大規模な工事が必要になります。だから、コンクリを流し込むと言うのは、端から不可能な事であったのです。しかし、これだけ彼女が骨を折って調べてくれた後では、正直私は言い出しにくかった。何故なら、彼女は当時、知らない男性と、電話で話す事事態、大変な勇気を振り絞らなければ、出来なかった筈だと考えたからです。そこで、丁度その少し先に、彼女が北海道に来る事になっていたから、実際に現地を見てもらって、コンクリは不可能だと言う事と、最も必要なのは、ワイヤーメッシュだと言う事を、知ってもらおうと思っていました。元々皆さんからの支援金は、彼女が預かっているものですから、私が勝手に引き出せるものではありません。お金を管理してくれている人に、実際に現地を見てもらって、納得してもらった上で、ワイヤーメッシュに、支援金を回してもらおうと考えていました。ニコママと電話で以前話した時の、先に買ったワイヤーメッシュ、２０枚が、何の意味もないんだ、と言った事の意味は、「２０枚だけでは、どうにもならない。」と言う事なのです。そして、ＴＢＳの取材に同行して来てくれたきよめだかさんに、前の家の、６ｍｍの太さの柵と、新しい家の、３．２ｍｍの太さの柵を、見比べてもらい、また、ちび達が、それをどうやって壊しているかを実際に見てもらい、熊笹も指して、根がすごいので、犬はともかく、人間は簡単には掘れない事を説明し、直に大地も凍り付き、柵の下は、取りあえず犬さえ掘れなくなるから、来春まではこの問題は置いておく事にして、取りあえず、ワイヤーメッシュを買おうと話し、きよめだかさんも、現地を見て理解して、賛成してくれたのです。彼女が帰った後、ＴＢＳと、しばらく揉めて、私もワイヤーメッシュを発注する余裕がなくて、ようやく発注出来たのは、それが一段落した頃の事です。きよめだかさんの収支報告にも載っていますし、私もワイヤーメッシュを買った際の、領収書を持っていますが、最初のワイヤーメッシュは、１０月の１８日に買っていて、次のワイヤーメッシュは、１１月の１７日に買っています（私の領収書では）。後から買ったのは、１３０枚で、ようやく半分以上の柵を補強する分を、お陰様で買えたのですが、まだ、一人で補強している為、その半分くらいしか、終わってなくて、ちび達の脱走は止まず、皆さんに、きちんとした報告が出来る段階には、なっておりません。こうした事情があり、ニコママさんが、最初の話しか知らなかった為に、その時の私との会話を、きよめだかさんに伝えた所、きよめだかさんは、私にその会話の真実を確認する事なしに、美月さんに、ニコママさんからのメールを転送し、美月さんは、更に何もご存じないまま、それをネットで批判を加えて流してしまったのです。そして、かなりの人達が、更に何も知らないにも関わらず、私を詐欺師扱いしておられました。支援者の善意を悪用したり、無駄にしたとして。ニコママさんと、電話でお話しした時、事の顛末を知って彼女は、自分が事情確認をしないままに、それを伝えていた事を、とても後悔して下さいました。最初から、電話でお話ししていたら、こんな曲解は避けられた事、それが発端となり、私への批判をしてしまった事、一切謝罪して下さり、私やきよめだかさんのブログにも、謝罪文を掲載して下さいました。私は、互いの誤解が解け、私は詐欺師でも、アニマル救済金ドロボーでもない事を、証明出来れば、彼女に対しては、十分ですから、心から和解して、電話の終わりには、彼女の体調や、近況のお話しで終わりました。きよめだかさんには、その後で、誤解の内容を電話で説明しました。説明が遅れた訳は、批判された内容が、自分の知っている事情と余りに異なっていた為、何を指摘されているのか、批判や非難の文章からは、さっぱり読めず、ニコママさんと電話でお話しした時に、やっと何の話しだったのか、合点が行った為なのです。この様に、支援金は全て、最初の話通り、柵の補強に使われておりますし、フード代については、前述した通りです。草小屋につきましては、先に述べた通り、制作途中でして、建てる前に、雪が降るまでの時間を計算した所、柵補強と、子供の引っ越しを、全力を傾注してやらなければ、間に合わなくなると判断し、今年は制作半ばで諦めました。その為、今、お店の二階にある、部屋の一つを借りているのです。とかく多忙を極める身故、状況が変わった事を、現在進行形で書いている、ブログの中での報告に止まり、トップページの変更までは、注意が回らなかったのは、私の落ち度です。しかしそれを、さも私が人様を騙して、支援金を募る為の、偽りの広告としているとまで指摘されるのは、少々邪推が過ぎるのではないかと思います。この日記は、昨夜仕事の合間に、途中まで仕上げましたが、仕事が多忙になった為と、私自身の疲労の為、最後まで仕上げられず、朝、七時半に起きてから、続きを書き上げて更新しました。これから子供達の世話に行き、店に戻れるのは、午後一時少し前、そして一時から、十一時まで仕事になります。草小屋の、細かい説明については、また、後程時間がある時に、書いて行こうと思います。次の日記には、私が刈った大量のヨモギを、干してある写真があるので掲載します。尚、この日記に掲載された写真の中で、私の隣りにある、車の上に載っている角材は、草小屋の柱にする為に、知人から無料で頂き、運んで来たものです。

  2006.12.14

• 私からの答えです。

  まず、私がブログに書いて来た事は、全て事実です。コメントされている部分で、事実と違う事は、草小屋について、私は今年は、犬達の柵を壊す行動に追われ、断念したと、明記してありますし、何度も言いますが、カップラーメンを毎日は食べていません。実際は、それよりもっと、安価な食費に抑えています。今回の、支援金に対しての支出に始まり、私の生活の環境について、一度も面識のない方達から繰り広げられる、誹謗、中傷、捏造は、正直、まだ私の、我慢の限度内でした。ですから、忙しいこの身とあれば、根拠のない中傷に、付き合う道理はないでしょうし、（事実関係を、確認された上での疑問や質問なら、答える義務がありますが。）静観するつもりでおりました。しかし、先程、清美さんのブログに書かれた美月さんのコメントが、私の私生活に止どまらず、全く知りもしない、私の職場に関してまで、捏造を加えられていた事に、とうとう堪忍袋の緒が切れて、警察に通報するに至りました。私の方は、支援金に関する、清美さんのｅバンクの収支の記録と、柵の資材を買ったお店の、売買の記録を証明出来ます。領収書も持っています。それは、清美さんのｅバンクの記録と、全く合致するものです。柵についても、私が以前買った時と、現在では、鉄の値段が３倍に跳ね上がっていて、以前の半分の強度のある柵しか、買えなかった事も、証明出来ます。それには、私の家の以前の柵と、新しい家の柵の、太さと金額が、当時と今で、幾ら変わったかでも、立証出来ます。柵の補強は、見た目ではなく、事実上の補強であった事も。また、私が、新しい家のみならず、以前の家も、電気やガスや水道もない、ただの廃バスを、改造した所に、凡そ五年住んでいた事は、真っ向から否定されていた人には、大変気の毒な事ではありますが、地元の警察から役場、住民まで、確実に証言が取れます。また、職場の捏造に関しては、ここは２階建ての一軒家の、一階が店舗に設計されたものであり、２階部分は寮になっており、今回住む所が間に合わなかった私も、一部屋借りております。電気代は、２階は全て、一階とは別に請求書を、北海道電力から頂いており、私を含めた三人の従業員で、分けています。北海道電力から、いつでも裏付けが取れます。また、水道代や、店舗の電気代は、店のオーナーと、我々の折半で、毎月給料から天引きされています。店で使う、灯油代についても同様で、その為我々は、寮費を免除されています。ガス代については、２階部分の電気代同様、寮を使う、三人で分けて支払っています。私に対しての、個人的な中傷は、まだ我慢も出来ましたが、私を全く知らない方が、ここまで捏造を、ネットで流す事について、さしもの私も、容認し兼ねる所です。私に対しての、他の方達の、度を超えた中傷、また、nekoさんに対する、暴力的な姿勢に対しても、やってから後、考え直したとて、許される事ではないと思っています。既に先ほどから、警察に電話して、サイバーポリスの対応を含め、明日改めて、相談する事になりました。ここまで私を誹謗、中傷、捏造された諸兄は、何の証拠もなく自身が騒ぎ立ててしまった事を、私程にもご存じです。皆さんの、事実確認を怠った、他人に対する暴言や、捏造は、全て証拠として、保存しています。警察と話し合い、私の証拠を全て提示した上で、告訴もありえますので、そのおつもりでいて下さいませ。

  2006.12.12

• 追記です。

  Nさま、スノボーウェアにベッドパットに、フリース上衣、お店に届いておりました。有り難うございます。スノボーウェアは、一番今、欲しかったものです。戸外の作業をするのに、普通のツナギでやっていたら、私は凍死しかけていました。何とか時間を作って、大きい街のリサイクルショップへ行き、スキーウェアか、スノボーウェアを、買って来なければ、長くは保たない所だったのです。これから春が来るまでは、私はいつも、スキーウェアやスノボーウェアが、子供達の世話の為の、作業服になるのです。今回支援頂いた皆様と共に、今日の私の日記を添えて（ブログを見ていらっしゃらないかめ知れないので…）、お手紙を献上したいと思っています。どうぞ今しばらくお待ち下さいませ。

  2006.12.10

• 先日の報道ビデオを見ました。

  ＴＢＳの方から、ビデオは送られて来ていたのですが、私は何度も念を押しました様に、自分の映されているビデオは見たくなくって、そのまま箪笥で肥やしておこうと考えていました。清美さんや、イヌホウズキさんに、見るようにと説得を受けていましたが、ヤダヤダヤダヤダと、駄々をこねまくり、逃げ切ってしまえばこちらの勝ち、なんて不実な事を目論んでおりましたら、番組プロデューサーから、どうしても見た上で、北原さんの感想を聞きたいと申し渡され、渋々捨て鉢の覚悟を決めました。土曜日、michelleさんが、北海道に来てくれた為、彼女の背中に隠れて、こっそり見るか、と考えておりましたら、michelleさん、わざわざ私の為に、報道された映像を、全てデジカメに納めて持参して下さっていました。ここら辺で、若ぽん、全ての退路が断たれた事を、ようやく悟るに至った訳なのです。デジカメの小さな画面で見るなら、テレビ越しに見る程、痛手はあるまい。その報道を再生する前に、ビールと日本酒をちゃんぽんし、心の中に、麻酔をかける事はきちんと忘れず、仕方なしに、その内容を始めからみんな見た訳です。その感想なんですが、幾ら私でも、自分のブログで、「漫談日記」に分類出来る様な類いのものに、仕上げられているとは想像すらしていませんでした。特集はまず、保健所で殺される、犬達の映像から始まります。ナレーションが、そうした無残な現実に、疑問を投げ掛けた所で、番組に、視聴者から、ある個人活動家の女性について、情報が寄せられた、と展開して行きます。テレビはその届けられた手紙をアップで映し、そこに紹介された女性は、この犬猫問題への、解決の糸口になる人間なのか、それとも否か、とナレーションしながら、場面を北海道に移します。国道を、清美さんを隣りに乗せ、家に向かってひた走る、私の愛車トムトムの背中を映しながら、私の前の家の入口に辿り着きます。道道から、（国道ではない）私の借りた土地に入る道は、鉄条網と、ワイヤーの車止め（本当は別の目的のもの）が道を塞ぎ、支柱の前には、「立ち入り禁止」の立て札があります。ナレーションは伝えていませんが、これは家の地主さんが、自分の飼っている馬を逃がしたり、知らない人間が入って、やはり馬を逃がさない様にしている処置で、私のものではありません。私の借りている土地は、馬達の放牧地の先にあるだけなのです。そして、山道を少し走った所で、私の子供達がお迎えします。カメラは柵の中のちび達の姿を映し、ナレーションが、「闇の中に、無数の犬が…」と、状況を説明しています。そこでいつも通り、ちび達に足蹴にされてる私を映し、「この女性が犬達の飼い主の北原めぐみさん」と、踏まれて地面にはいつくばっている、私を紹介していらっしゃいます。（せめて顔をあげてからでもいいんじゃないの…）カメラは照明を使って、私の住んでたバスや、ちび達を代わる代わる映し、支援者として、清美さんを紹介します。ナレーションは、ここで二つ、不思議な話をしています。まず、１１月の北海道の、気温は零下１５度と。ここはアラスカかツンドラか。なりません、幾ら北海道でも、１１月初頭で。大体あの時、誰も気温計持ってなかったでしょう。氷点下には、間違いなくなってたけど、いい所氷点下２― ３度です。しかし私はこの撮影で、以前ブログに書いた様に、翌朝から尻に座薬を刺す羽目になりましたが。そしてもう一つ、私のちび達の柵は、最初はなくって、近所から苦情が来た為に、作ったのだと言っています。私の今の地元の噂話くらい、想像ででっちあげた、作り話でした。私は先に柵をまず作り、バスを運び、全部完成した所で、子供達を運びました。地主さん他、私の友人知人、ついでに家族。当時手伝って下さった皆さんから、その事実は証言取れます。誰から聞いて、そういうデマを言ったのでしょう？場面は次に、確か私が子供のご飯を買いに行っている、翌日の姿に移ります。それからまた、前夜撮影した前の家に。それから今度は、新しい土地の方に、場面は切り替わって行きます。私の子供達や、草小屋が出来る前の、仮住まいとして作ったテントが映し出され、やっぱり子供達に、足蹴にされてる私が映っていました。（確か）そしてナレーションは、私が実は、以前の借地からここの土地に、近所から苦情が来た為、追い出されて引っ越す事になったと説明します。ここで、顔を隠した近所の方々が、犬に吠えられ怖かったと、犬が鹿を狩っていたと、テレビの前で証言している姿が映されています。そこで私のインタビューの中から、近所の主張に対する反論として、しっくり来る部分の語りを切り取り、彼らに対する、私の反論意見の様に映します。私はブログで書いた通り、近所の方々の事は、撮影も報道もしませんと、ディレクターが、取材の際に、約束しましたから、こんなストーリーは知りませんので、客観的な立場から、それぞれの種族の性質を、否定する事は許されない、と語っていたのですが、あれを見るなら、あたかも私が、近所の方々が、私に対してテレビで語る言葉を、先に聞いた上で反論している様にしか見えません。確か掲示板かコメント欄で、私が近所に対して、身勝手な反論をしていると、非難の書き込みを頂戴致しましたが、そう勘違いなさるのも、全く無理はない事です。場面は確か次に、私の仕事シーンへと移り、そこで私が嫌がった、過去の話をさせられる所になります。私の子供達、まず神社で会った、三本足の吹雪の写真から、雪乃にこずえやくるみ、ブルー達の写真が映し出され、私の子供達が、増えた経緯をここで語ります。しかし、彼らを私が育てている事を、私が犬を飼った最初の切っ掛けは？ と尋ねられ、親から虐待を受けていた為に、犬の愛を強く欲していた、と話した所で説明切られ、私が、命は尊いとする思想が、私の信仰である為とは、一切説明していません。あれでは確かに、被虐によって、犬に依存しているだけの女性でしかありません。私の主張する、倫理の進化と言う概念は、全く紹介されていず、せいぜいが、私が動愛法を、アパルトヘイトと読んでいる事を取り上げただけで終わっています。何故、アパルトヘイトと読んでいるのか、その説明もしていません。放送の終わり、ナレーションは、私は避妊も去勢も、狂犬病予防注射も、登録もしていないと語ります。狂犬病予防についての、私の見解には一言も触れていません。避妊、去勢については、私はブログに書いた通り、根本的に反対。しかし、私の様に、多数の子供を養育している者は、道理に反する行為を自覚した上で、パイプカットや卵管を縛る等の、必要最低限の手術を必要としている事は、全く言っていません。そして、避妊、去勢については、私の話を聞かずにディレクターが、インタビューを打ち切り帰ろうとしたから、避妊問題についてまだ話してないよ、と言ったら、「一度にそんな沢山放送出来ませんから。」と言って、話をさせてもらえず、帰られて、放送の中では、避妊、去勢はしていないと断言されています。私は避妊手術を、今年の七月にも、帯広の獣医師に出張してもらい、一度に６人手術しています。それ以前も、お金を貯めては一人づつやって来ていました。獣医に行けば、その手術のカルテは残されています。しかも、お金がない時は、私は近所の牛や馬を診る獣医師さんから、犬用の、排卵誘発剤「ギナンドール」を買って、自分で子供に皮下注射して、繁殖を極力防いでいました。ギナンドールは、交尾して、二週間以内に、二回注射するだけで、受精を解消出来る注射です。私はずっと、この薬を使って繁殖を防いでいました。ここ三年で、重なる逆境によって、激しい鬱になり、子供を養うだけで精一杯だった為に、ギナンドールの注射が出来ず、爆発的に子供が増えました。その為、本格的な、避妊、去勢手術をしているのです。今は、仕事が変わった都合で、食費だけで精一杯の為、手術代が出来なくて中断していますが、とにかく七月には、６人は手術したのです。それを全く聞かなかったにも関わらず、報道は、私は避妊、去勢をしていないと断言していました。何故、そんなデマを報道するのか、さすがの私も理解不可能です。報道された女性は、私とは赤の他人とも言える程、実在とかけ離れた女性でありました。それは、単に自分が被虐を受けたが故に、人間から遠ざかり、犬を飼っているだけの女性であり、避妊、去勢、狂犬病について、一切しっかりした考えは持っていず、流されるがままに、何とか暮らしている、あまり賢くない一人の、世間知らずの女性でした。私のブログに寄せられた、誹謗中傷が納得行きました。私でさえ、あの通りの女性がいたら、老婆心でも、一言言って、目を覚ませてやろうと考えた事でしょう。そこで彼女のブログを探したら、私のブログに着いちゃった、と言うパラノイア的なオチに帰結する訳ですね？取材をしなかった事に対して、憶測を真実として、社会に報道をした事については、さすがにＴＢＳと、その責任について話し合う必要があるのを理解しています。とにかく、私の提示した条件とは正反対の報道になっていました。この問題に関しては、以前に詳しく書きましたから、ここで再記述する必要は、ないと感じています。最後に、報道された内容について、一つだけ、声を大にして否定したい箇所がありました。私は、自分のブログのコメント欄に、ハンカチを口に当てているから、人格に障害があるかの様な、書き込みを頂きました。私の友人達は、人格否定だと、そのコメントを非難しましたが、単に風邪を引いて、ハンカチで鼻水を拭き取っていただけの私自身は、「鼻水拭いて、人格障害だと指摘を受ける、私ったらかわいそー。」と考えていただけで、コメントの筆者に対して、さして不愉快さも感じず、否定すらしませんでした。つまり、あまり細かい事に、執着する性格ではないのでしょう、しかし…この私でも、今回絶対に許せない、酷い局側の勘違いがありました。それだけは正します。テレビに映っていた女性が（え？ 私だって？）、子供の名前を、アルバムを見ながら呟いています。字幕で名前が綴られています。「カエル、アポロ…」カエ………カエルぅぅぅぅぅ！？馬鹿ヤロ、そりゃあ、カエルじゃなくて、「ノエル」だ、このタコ！！私の娘の名前を、誰がカエルと読んでいいと言ったか、野郎、ノエルお嬢ちゃまだ、ノ・エ・ル！！！！これだけは許さん。

  2006.12.04

• 私の大切な仲間達へ

  シェリー 「無秩序の仮面」より「諸君は多数、彼らは少数」諸君よ、静かに断固として立ちたまえ生い茂った無言の森の様に、腕を組み、じっと凝視して―それこそが無敵の戦いの武器。そして、それでも暴君達が挑んで来るなら諸君の間に彼らの馬を踏み込ましめよ、切り付け、突き刺し、傷つけ、なぎ倒し―彼らのやりたいままにさせておくがいい。腕を組み、じっと目を見据えて、恐れず、驚かず、彼らが虐殺を欲しいままにするのを見ていたまえ―彼らの逆上が鎮まるまで。その時、彼らは恥じて帰って行くだろう彼らのもと来た場所へと。そうして流された血は彼らの頬を恥じらいで赤らめるだろう。これは、ガンディー・ジーが引用された詩です。私の仲間達、どうか彼らともう、争わないで下さい。孔子が言っています。「言葉が行動より立派な事は恥である」批判に対して反論をしている限り、我々は前には進めません。否定派と、やり合う必要はありません。私達は、自分の信じた道を歩く事に、全神経を集中させなくてはなりません。人と争っている暇はないのです。我々が、正しいと言う事を、行動によって示して行ければ、こうした批判は、自ら退いて行くものです。彼らも、同じ惑星で暮らす仲間。この人達を排斥するくらいなら、私はむしろ、死を選びます。今はまだ、彼らの批判に付き合う時間はありませんが、彼らに対する、私の最大の奉仕とは、倫理の進化を完遂して見せる事です。ガンディー・ジーが、ヒトラーに宛てた手紙で、こう述べています。親愛なる友私があなたを「友」とお呼びするのは、儀礼上そうするのではありません。私は敵を持ちません。私の人生の使命は、過去３３年の間、民族や肌色や主義の相違を超えて人類を友とする事によって、全人類の友情を得る事でありました。 マハトマ・ガンディー「わたしの非暴力２」みすず書房私達の趣旨が、自分達と異なるからと言って、批判を浴びせる方々に、同じ反応を示していては、我々もまた、主義、主張の違い故に、他者を差別する罠に、自ら嵌まってしまいかねません。どうか我々を傷つけようとする者にさえ、あなた達の深い愛と、思いやりを捧げて下さい。終わりに、黒人公民権運動の父と呼ばれた、マーティン・ルーサー・キング牧師の言葉を。悪人が憎しみに満ちた罵声を浴びせる時、善人は喜んで愛の栄光に身を捧げなければならない。悪人が不正な現状を保持しようとするところで、善人は正義の秩序を生み出すように努める必要がある。 コレッタ・スコット・キング「キング牧師の言葉」日本キリスト教団出版局

  2006.11.29

• テレビ放送の内容に対しての補足

  昨日、28日、TBSイブニング５で、我々の私生活と、私の思想が報道された。報道を見れない地域の人間としては、見た友人達の、意見を頼りに判断せざるを得ないが、余りに説明不足が目立つ内容であったと言う為、友人の勧めに従い、幾つかテレビの補足をする事にしたい。補足の概要としては、フィラリア予防について、それと、狂犬病ワクチン接種と、避妊去勢手術について。私は、このブログの中で、狂犬病問題と、避妊去勢問題については、既に己の見解を述べている。しかし、今回の放送に先んじて、これらのブログを読まずに来たディレクターは、一切この問題には触れて来なかった。避妊問題に関しても、聞かずに帰ろうとするから、その話はいいのかと、相手に尋ねた所、「一度にそんなに放送出来ませんから。」と言う返答が帰って来た。然るに、それを多方向から質問を受けるに至った訳なので、以前書いた内容を、簡潔に書き直しておきたいと思う。他ならぬ、テレビ放映を見てから、私のブログに訪れている方達の為に。まず、フィラリア予防についてから。私はこの問題は、ブログで一切触れて来なかった。理由はただ一つ。道東にはフィラリア病が、存在しないからだ。そうした地域に八年も暮らしていると、フィラリアの事など、綺麗に日常から忘れてしまい、今日、それについて、非難を受けるまで気が付かなかった。北海道の道東は、恐らく日本で唯一、フィラリアが発生しない地域である。夏が極端に短く、また、昼夜の寒暖の差が、夏でも激しいこの地域は、フィラリアが生きて行けない環境である。多数の子供を育てていて、資金繰りに苦労をするこの身としては、フィラリア予防は苦悩の種になる。その為、新たな移住先を、沖縄の様な、暖かい地域ではなく、厳寒の北海道にした。これは、犬達が、フィラリアと、皮膚病や、ノミから守られる為である。この道東には、ノミさえ殆どいないのだ。元来寒さには、滅法強い犬達にとって、ここは理想的な環境だった。尚且つ、ここは土地が安価で広い。自由に出来る場所が、本州に比べて、桁外れになる。猫達は、暖かい部屋の中で、冬は過ごさせている。しかし猫も、実際は犬に負けない程の、寒さへの対応力を見せ、厳寒の時期でも、果敢に戸外で過ごそうとする。フィラリアについては以上である。－－－－－－－－－－　ｷﾘﾄﾘ　－－－－－－－－－－－上記の要約です。 このたび、若樹本人が自分の報道された番組を見ることが出来ない地域に住んでいるため、複数の知人から寄せられた情報を元に、報道の中で説明されていなかった事柄への見解を、一つずつ、ブログにアップしていきたいと考えます。フィラリア予防、狂犬病ワクチン接種、避妊去勢手術についてが皆様の主な疑問となっているのではないかと考えておりますので、今回はフィラリアについてです。道東にはフィラリア病が存在しません。北海道の道東は、恐らく日本で唯一、フィラリアが発生しない地域です。夏が極端に短く、また、昼夜の寒暖の差が、夏でも激しいこの地域は、フィラリアが生きて行けない環境なのです。多数の子供を育てていて、資金繰りに苦労をする身を考え、移住先を、沖縄の様な暖かい地域ではなく、厳寒の北海道にしました。これは、犬達が、フィラリア、皮膚病、ノミから守られる為です。この道東には、ノミさえ殆どおりません。このようなフィラリアら守られた環境で犬達は過ごしております。狂犬病、去勢避妊については後日またご説明申し上げます。

  2006.11.29

• 聖者の行進―Ｍ・ Ｋ・ガンディー・ジーによせて―３

  「君はケチだよ。」 私に空海を、後に勧めた友人が、東京を離れる直前に、私に向かってそう言った。 今はどこか覚えてはいない、ファミレスのテーブルで、昼餉をつつきながら、交わした会話。 「君は、自然から、様々な叡智をもらって生きてる。 それは、物質社会で足掻いている、人間達に必要な叡智だ。 現代人が、この暴力的な社会から、救われる為の知恵が、そこにはある。 君は、その知恵を持っているのに、誰ともそれを、分かち合おうとしない。 人間達が、苦しんでいるのを、見て見ぬ振りをしている。 それは、たっぷり財布に金が入っている金持ちが、目の前で、貧乏人が、飢え死にしようとしているのに、財布から、金を出してやらない様なものだ。 君はケチだよ。」 私のこうした、自然的な精神と生き方は、生まれ持ってのものだったから、あの頃も、同じ精神を貫いて生きていた。 件の友人は、そうした精神に敬意をはらい、それは、人間達みんなが進む道だと共感して、私にその知恵の開示を求めていた。 何がしかの形で。 しかし、私はそうした要求に、答える義務が、自分にあるとは考えなかった。 人間は、自分達が作り出した、歪んだ社会の中で溺れている。 生活を進化させると歓迎して来たものは、全て、彼らの精神を、怠惰に、脆弱に、利己的に、貶めてしまうものだった。 私はあの頃も、物質文明には、真っ向から否定的だった。 仲間内では、自然やアニマと共生して行く事を、自分の信念として、打ち明けていた。 当時、私の周りには、求道者的性質を持った人間が、多く集まっていて、前述の友人も、その一人だった。 彼は私の思想を評価していた為、私がその精神を、人間と分かち合おうとしない事に、不愉快さを隠さなかった。 私はと言えば、当時はまだ、大の人間嫌いだった。 心を許せるのは、広汎な世界観を持って、物事を判断出来る種類の、人間達だけだった。 偏見も、独断的な姿勢も持たない友人達。 それ以外の人間は、言うなれば、蛇蝎の如く、嫌っていたのだ。 それは、無理もない筈だった。 物心ついた時から、真っ正直で、正義感が強かった為に、自己中心的で、独裁者としての地位と権力を、欲しいままにしたかった、父や祖母達に、虐待された。 権威に屈しない私は、独裁者達にとっては、幼い小娘とは言え、宿敵も同然だった。 暴力に次ぐ暴力。 学校の教師も含め、周りの大人は皆、私の助けを、無視によって答えた。 私が培ったものと言えば、人間に対する否定観だけ。 それはいつしか、人間と名の付くものを、片端から憎悪するまでに膨らんで行った。 そして、やっと家族の呪縛から離れ、明るさを取り戻し始めた時、私は犬達の保護活動を、自然にやり始めていた。 犬や猫を、保護してからは、更に多くの人間の、負の部分を、あからさまに見せられる様になった。 私の家に、命を平気で捨てに来る人間達、捨てられた犬や猫が増えた事によって、私達に、怒りの迫害を加える近隣の住民達…。 私の人間に対する感情は、悪化の一途を辿って行った。 「人類の消滅した世界」 それが、あの頃の夢だった。 今でもよく、同じ様に、アニマを愛する為に、人類の絶滅を願う人間の、声を聞いている。 私も、同じ気持ちだった。 余りにも、人間の負の部分ばかりを見させられ、こんな種族は、地上で暮らす事は出来ないと、本気で思った。 折しも世の中は、世紀末ブーム。 ノストラダムスの予言他、様々な予言が巷に溢れ、人類の滅亡を示唆していた。 それを待ち望んでいた。 自分も共に、滅びていい。自然とアニマだけは、残したい。 だから私は、当時彷徨う人間を、正しい道へ連れ戻そうとする、あらゆる精神的指導者達を、うとましく思っていた。 彼らは「地球」の怒りを解く為に、心を入れ替えて、共生の道を歩めと人間に訴える。 余計な事でしかなかった。 私は、人類の滅亡を願っている。 下手に、人類が改心し、このまま地上に残存される事は、最も歓迎出来ない事だった。 友人の言う通り、私は某かの真理を知っていた。 それが、彷徨う人間達の、最後の希望に等しい事も。 しかし、そんな話なら、とっくに別の人間達が、口角泡を飛ばし、訴えている。 私は彼らと一緒になって、人類の力になる事など、考える事も出来なかった。 それは、今より未熟な人間だった、あの頃の私にとって、自然とアニマに対する、裏切り行為でしかなかった。 その真理を他人に与えず、確かに私は、真理を見失った人間達が、その為に、滅んで行くのを、傍観するつもりだった。 私は友人に答えた。 私は人間に対して憎悪の感情を持っている。 それは全て、人間の、悪行故に、生まれたものだ。 私は人間達からずっと、迫害を受けて生きて来た。 私の子供達を守る為に。 人間の暴力から、生きた楯となって、か弱い命を守って、ここまで来た。 これほど人間に、石をぶつけられて生きて来た人間が、相手が逆に困っているのに、助けないと言う事で、誰かに非難される言われがあるのか？ 友人は、しばらく考えてからこう言った。 全ての人間が、君達を傷つけて来た訳じゃない。人間の中には、いい人間だっているんだ。 そういういい人間は、私は答えた。 私の助けなくても、生き残る。 何故ならそうした人間は、始めから真理と共にあるから。 しばらく沈黙が、我々の間に居座った。 友人は、私の指摘に対して、言葉を失っていた。 たたみかける様に、私は口を再び開いた。 それに、私が知ってる真理とは、非常に厳しく難しい。ここまで頽廃した現代人が、私の勧めに従って、生き方や考え方を変えて行くのは不可能だ。 共生とは、人間の法則を外れて、自然の摂理に従う事だ。 あらゆる人間的、特権を自ら捨てる必要がある。 少しづつ、物に頼る生活を改めて、不要なものを、社会から消して行かなければならない。 今更、人間が自然の生き方に帰れるか？ 電子レンジがなければ、飯さえ食べられなくなった人間が？ 私の思想を世に出したら、人間はきっと恐怖か何かに駆られて、ヒステリーを起こして、私を始末したがるさ。 私の思想は、それくらい、今の人間には、受け入れ難く、厳しいものだ。 こんな知恵を出された所で、誰も救われはしないだろう。 社会に恐慌を来すだけさ。 私は犬達の事で、十分社会の嫌われ者になっていてね、好きでもない人間を助ける為に、これ以上嫌われるのは、願い下げだね。 斜に構え、突き放す様に、私は言った。 ２６歳の私の、正直な本心だった。 友人は、逆に私の言葉に、取っ掛かりを見つけたらしい。 もうこれで、完全に黙り込むだろうと思っていたら、その反対に、身を乗り出して、こう言った。 君は、人間は、正しい道を与えられても、絶対にその道を進むはずはないと、最初から決めてかかっている。 でも、真理を人間が生かせるか生かせないかは、人間の判断に任される事であって、君が判断する事じゃない。 今度は私が論破された。 相手の意見の方が正しい。 しかし友人は、そう言ったからと言っても、自分が何か社会活動をして、人間は改心出来る存在なのだと、 生まれながらに邪悪な性質ではないのだと、私に信じさせる、何事もしてはくれなかった。 ただ、口先で道理を述べただけだ。 人間の本質とは、性悪説か正しいのか、それとも性善説が正しいのか。 人間の、善良さを信じる人間は、性善説を信じ、 人間の、性悪さを信じる人間は、性悪説を信じた。 私は、性悪説を信じていた。それもかたくなに。 理論はどうあれ、私は友人の言葉で、自分の考えを変えたりはしなかった。 その為友人は、自分が尊敬する、空海の教えに触れれば、私も考えを変えるだろうと思って、やたらと熱心に勧めて来たのだ。 しかし私は、空海ではなく、ガンディー・ジーに出会ったのだ。 あの、内戦状態になったインド。 ムスリムに、我が子を殺されたヒンドゥー教徒が、ガンディー・ジーの、命を賭けた諭しの前に、改心して、膝ま付いて涙を流した姿を見た時、 私は生まれて初めて、人間の姿に希望を見出だした。 頭の中は、希望の叫びで溢れていた。 変わる！変わる！人間は変わる！ 暴力を捨て、こんなにも善良な存在になれる！！ と。 この時私は初めて、自分の知っている事の全てを、人類の前に、さらけ出そうと思った。 何か出来るかも知れない。 私の知っている、僅かな真実が、全ての生命にとって、役に立つかも知れない。 私は凡人で、知っている事などほんの少ししかない。 これは全て、これまで、素晴らしい精神的指導者達によって、語られて来た事の、微かな一部に過ぎない。 しかし、ガンディー・ジーによって、自らも改心した人間の一人として、敬愛するお方が残された仕事の、手伝いの一端を（そこまでの能力さえないではあろうが）担いたい。 師のお役に、ほんの少しでもいいから立ちたい。 そう、あの時私は誓ったのだ。 人類を、救いようのない邪悪な者とは、もう、二度と信じない。 どれほど、その信頼を、覆される事件を目撃し、また、自分がそうした暴力の、犠牲者であろうとも、私の脳裏から、あの時改心した、父親の姿を消す事は出来ない。 彼は私にとって、人類そのものの象徴となった。 どんな事があっても、人間を改心させたガンディー・ジーの、出された結果が、私を支える。 私は、暴力的な人間だった。 やられたらやり返すのが、私の掟だった。 非暴力主義に、改心を遂げた人間だ。 ガンディー・ジーの存在によって。 私が、非暴力主義になった経緯を告白し、ガンディー・ジーの存在を称え、彼の精神や思想を、このブログで、しばらく連載しようと始めた所、 無期延期になっていた、私の取材のＶＴＲが、急に報道される事になった。 信心深い私としては、ガンディー・ジーの存在を、そしてその力を、こうした流れの背景に、感じずにはいられない。 どうか御身の崇高にして、偉大なその名を、私が辱める事のない様に、心から願うばかりである。 今の私は、全ての人間が、この世界と共存して行ける事を、心から願って止まない。 この連載は次回から、日本人には、一般的には知られていない、ガンディー・ジーの思想について、詳しく紹介して行きたいと思っている。 彼の珠玉の精神が、それを知った人々の心の中に、根付く事を、心から確信している。 そして必ず全ての人々が、彼の指し示す道を、歩き出すと信じて。

  2006.11.28

• 今日放映だそうです。

  ただいま、プロデューサーの方から連絡頂きました。突発的な大事件が起きたら分かりませんが、平穏な一日である事を、取りあえず願っています。それと、一昨日の日曜日、店で大問題が起きてしまって、皆様への、コメント返信が出来ませんでした。以前書いた通り、携帯から、価値ある返信は出来ないだろうと判断し、皆様への返信は、日曜日の休日の夜に、パソコンのある、友人宅から返信していました。コメントを読み込み、じっくり考えて、丁寧に返信する。とても楽しみで、有意義な時間なのです。ですから、今回の返信を、次の日曜日まで、回さなければならなくて、残念かつ、誠に申し訳ありません。また、放映によって、書き込みが増える事も想像されます。誹謗、中傷コメントは、残しませんから、どうぞ見過ごされて下さい。ここまで一緒に励まして下さった皆様を宝とし、これからも、私や子供達、そして清美さんの友人として、どうぞ末永くお付き合い下さい。

  2006.11.28

• 成るか、三度目の正直

  午前中に更新した、日記の続きです。今日の放送も、先送りになりまして、次の予定は、２８日、明日の放送です。その都度お知らせをする、清美さんと私の苦労もさることながら、毎度それを信じて、ビデオやＤＶＤをセットする、皆様のお苦労が、本当にお気の毒です。私はそうした、録画の苦労はしておりませんが、そろそろ、首を伸ばして待っていて下さってる、皆様の為に、放送されて欲しいと、今、初めて、本気で思いますm(_ _)m。ちなみに、放送地域が分かりましたので、報告致します。まず、関東圏は放送されます。（静岡は関東圏には入らないのですね。）他は、北から、宮城県、山形県、福島県、新潟県、富山県（nekoさん！ そこ放送されるんですよ！！）、石川県、岡山県、広島県、愛媛県、福岡県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、そして沖縄です。以上だそうなので、放送外地域の方は、イヌホウズキ先生が、清美さんのブログで、見られる様にして下さるのを、どうぞお待ち下さい。今気が付いたんですが、インターネットで流されるって事は、全世界ネットで流されるって、事ですよね。そしたらあれかな？私はＴＢＳで流されるよりも、人様の目に晒されるわけ……………やめろぉぉ、イヌホウズキぃぃぃぃ！！今ならまだ間に合うっ、頼む、止めてくれ！！！！！ちゃみこっっ、その人止めて、お願いだから！！！！清美さ～ん、やっぱり放送やだ～(ToT)も～、仕事したくな～い。°・(ToT)・°。

  2006.11.27

• 更に延期です

  また、番組の都合で差し替えがあり、明日の「予定」になりました。大変申し訳ありません。また、番組が見れる地域が分かりましたので、後ほどその地域をお知らせ致します。明日、放送されるかどうかは、明日の午前中に分かりますので、改めて報告致します。本当に申し訳ありません。

  2006.11.27

• 月曜日放映と、連絡が来ました。

  番組プロデューサーの方から、午後５時過ぎに、月曜日放送予定（急なニュースがあったら、変更もある事でしょう。）と、携帯電話に、お電話頂戴致しました。丁度その時私は、ホテルの送迎バスに乗って、以前の職場（某有名ホテル）に、お店のお客様と同僚と、一緒に向かっておりました。その日ホテルで、札幌交響楽団から、ピアニストと、バイオリニストの方がいらっしゃり、演奏して下さるのです。それを、ディナー付きで、ホテルが販売したチケットを、私達の社長である、札幌で治療院を構えていらっしゃる先生が、５枚購入なさり、我々従業員３名の他に、よく来て下さるお客様を、お二人誘って行って来なさい、とおっしゃって下さいましたので、送迎バスに乗って、ホテルに向かっていた最中のお電話でした。しかし、たまたま電波が届かない場所近くでお電話頂いた為、お話途中で切れてしまいました。確認出来た所まででは、月曜日放送だと言う事、それから、確か全国で、１７県だけの放送だと言う事でした。ちなみに北海道では、放送されないそうです（感謝！！）ビデオを送りましょうか、とおっしゃって下さった所で、電話が不通になってしまいました。私はそんな恐ろしい代物は、いまわの際まで見たくはありませんが、札幌の先生が見たがっていらっしゃるので（お店も映っているからだと信じよう。）、札幌にだけ、送って頂こうかな…。と、言う事ですので、月曜日放送と相成りました。見られない地域の方は、イヌホウズキ先生が、清美さんのブログで、確か全編見られる様にして下さると、おっしゃってましたから、少々お待ち下さい。北海道では放送されない事を知った私は、非常に幸せに、月曜日を過ごせそうです。（ご覧になった方の書き込みを見るまでは。(ToT)或いは、それさえ拝見する勇気を抱けないかも…(-"-;)）あっ、胃が痛い。さてここからは、そのリサイタルと、ディナーのお話です。私と同僚Ｎ君は（皆様ご存じ、ポッキー鼻詰め男ですね。）、頂いたチラシをよく見てなかったのか、ディナーとは、ディナーバイキングだと信じていました。去年の年末も、先生がディナーバイキングのチケットを沢山下さり、我々は友人知人にお分けして、バイキングに何度か行ったのですが、一回さんぜんななひゃくえんするバイキング、元は取らねばなんね、と、バカの如く食べまくりました。しかし私は大食ではない為、バイキングでは必ず損をします。しかしこんな高いバイキングで、負ける事など受け入れられず、胃袋の限界まで食べまくった結果、担架で搬送される、一歩手前まで行きました。みんなに怒られました。さて、今回のバイキング、何と豪気な事に「フリードリンク」なのです。酒が加われば話しは別。私に敗北の二文字はもうない。飲んで、飲んで、飲みまくってやるわ、と、豪快に、勝利の笑いをこだまさせ、当日を待ち焦がれておりました。ちなみにＮ君も大の酒好き。しかも大食いですから、その期する所は、私以上のものであった事でしょう。ディナーは夕方六時からなのですが、朝から米粒一つ食べずに、断食してバイキングと対戦する、準備を進めておりました。私はと言えば、先週の日曜日、余りに寒い中での、柵の補強によって、風邪を引いてしまい、金曜日から、熱が結構上がってしまいました。元々私は、熱には弱い体質だそうで、２度も上がったらクラクラします。しかし、ちび達の為、それくらいでは休む事は出来ないので、頑張って動いてる内に、何とか慣れて来ました。最近では、熱があっても、多少は辛抱出来るみたいです。（一度仕事中に、３８度を超えた時は、マッサージしながら朦朧として、早退を余議なくされたが）土曜日も、朝からちび達のお世話をして、仕事に行きました。でも、今日は四時で閉めるから、二階の寮で休んでなさいと皆に言われ、取りあえずその通りにしました。しかしふらふら。こんな事で、愛するビールを鯨飲出来るだろうかと、悩んでいた所、清美さんがくれた座薬が、一個残っていた事を思い出した！！有り難う、清美さん、座薬に勝る、風邪の特効薬があるでしょうか、（いや、ない）私は出発一時間前、喜びに満ちて、それを使用したのです…。バスがホテルに着く頃には、熱もすっかり下がり、逸る肝臓と胃袋をたしなめながら、我々はバスを降りました。すると…そこは、ディナーバイキングがある本館ではなく、高いお料理しか出さない別館。はぁぁ！？今日はまさかコース料理なの！？お連れしたお客様の方が、私共よりお詳しかった。「あら？フレンチのフルコースって聞いたわよ。」若樹とＮは、撃沈されました。いや、まぁＮ君が、でしょうね。奴は朝から飯抜きですから。私は酒がたらふく飲めるなら、どっちだろうと構いません。そして、お客様達と、席へ向かい（これが一段高い、全体を見渡せる立派なお席でねぇ…）座ったが早いか、即ビール。グラスが空いたから、またビール。お料理が来る前には、ビールを入れたグラスの他に、まだ余ってる空のグラスがあるから、そこにもワインを入れて下さいと注文した辺りで、私の前に、ビールとワインのボトルを、そのままウェイターは置いて行かれました。ビールと赤ワインを飲んでいたのですが、白ワインだってある。お酒に対して不公平があっては無礼であると、今度はまた、白ワインも持って来て下さる様にお願いして、グラスの手持ちが足りないから、グラスも増やして下さいと頼み、ついでにビールのボトルも空いたから、もう一本持って来て下さいと、お願いしました。お料理は、前菜に地鶏と寒ブリのマリネ。寒ブリが絶品でした。（しかしビールには及ばず）次いでリゾット。牡蠣と松茸のパルジャミーノチーズ味。これが一番おいしくって、寿司おけに入れて持って来んかいと、酒の魔力で言いかけた所を、何とか制御。松茸ちゃんと食べたの初めてで、香りの良さに感動致しました。そうか、あんなバカガキ共を食わせてなかったら、たまにはこんなおいしいものが頂けたのね、と感心しながら、ビールを飲みました。お次は牛タンと根菜のスープ。みんなで喋りながら飲んでいて、全員、お肉が牛タンだとは気付かずに、何故だかゴボウを称えていました。ワインはホテルの自社製品なんですが、噂程にはおいしくない。私の口には合わないと言う事で、赤白ワインのボトルを、空にするのは止める事にして、可愛いビールを続々飲みました。食事途中で、二回程、膀胱の叫びに応じて席を立ちましたが、私を見たお客様に、「それだけ飲んで、何でふらつかないの！」と、驚かれてしまいました。しかし昔取った杵柄。ちび達の為に、十年以上も水商売をした人間には、この程度は朝飯前。ビールにワインのちゃんぽんくらいで、足を取られようはずはありません。（でもｍｉｃｈｅｌｌｅさん、私ゃドンペリ２本、アイスペールにぶち込んで、一気飲みは出来ないよ。）次なるお料理は、「アコウ鯛と帆立貝のペルシャード、ベルモット酒風味のバターソースに軽く泡立てた濃厚なタラバ蟹のソースをデュエットさせて」これは料理名か、それとも会話の一端なのか、判りませんが、それがまた美味で、ソースも絶品だった為、みんなでパンを注文して、ソースを残さず食べようとした所、ウェイターが、パンを床下に取り落としました。すかさず後ろのテーブルの男性から声が。「その、落としたパンでいいから、こっちにもちょうだい。」その心意気や良し！！ビールを飲みながら、お料理は、本日のメインである、牛フィレステーキへ。これはレアが強く、一人のお客様には過酷なご賞味となりました。焼き方を聞けないんだから、ミディアムレアにすればいいのにね。そして、デザート。焼きりんごにパイに、アイスクリーム添え。私は普段、余りこういったものは食しませんが、折角だからと、ビールを飲みながら頂いた所、やっぱり舌は喜ばず、どなたかに差し上げれば良かったなと思って、ビールのボトルが空いてしまったから注文しました。さて、それからレストランで、ピアノとバイオリンの演奏が始まりました。始めはうっとりしながらビールを飲んでいたのですが、曲目が、映画「タイタニック」のテーマに、「冬のソナタ」と続いた辺りで、ミーハーではない私は、クラシックを期待してましたから切れました。何でクラシック演奏会で、あんなベタなの聞かなきゃならないのっ。次は演奏しながら、ハーレクインロマンスの朗読でもするのか、君は、と、苛立ちを抑えられず、演奏途中でトイレへ向けて堂々と席を立ち、センスの無さに、無言の抗議。田舎の人間の趣味に配慮したつもりなら（いや、あれはやっぱり彼女の趣味でしょ。地元にヨン様ファンなんて少ないもの。次いでにディカプリオファンも。）、いっそ道東の有名な歌（知床の春、霧の摩周湖、釧路湿原）でも、一曲ピアノやバイオリンで、演奏して下さった方が喜ばれます。いいから、ヨン様は。しかし今回、クラシック演奏を久しぶりに拝聴して思った事が、「恩が区←何でこういう変換しか出来ないの、私の携帯は？ わざわざ音に、楽しいって入れなきゃだめか？ 仕方ないのぅ(-_-#) 音楽。って、鎮座して聞くものじゃないな」って事でした。聞きながら、体を揺さぶる、リズムを取る、踊る…。いや、音楽に合わせて聞き手が踊る事が、音楽に対しての、最高のお礼であり、礼儀じゃないかなって思いました。音楽に取っても、それが最大の望みである様な…。なんて考える私は、クラシック的な洋楽よりも、やっぱり踊りながら楽しむ、民族音楽の方が、波長が合うのだと感じ、今後はクラシックコンサートは、遠慮致そうと、結論しました。ピアノとバイオリンの演奏は、とても良かったのだと思いますが、タイタニックのテーマ辺りから、聞かずにビールを飲んでいましたから、何だかよく分かりませんでした。一時間の、演奏途中で、また、ビールを２本追加して頂きましたし。お料理はおいしかったねぇ、と、お連れしたお客様達に、大変喜んで頂いて、それぞれバスに送られ、帰路につき、私は寮にＮ君と戻ってから、うっかり冷蔵庫に最後に残ってた、秘蔵のエビスビールの琥珀（季節限定賞品）を、開栓して飲んでしまいました。一生の不覚でございました。 真面目なお話が、最近続いた私のブログ。久々の漫談日記で、皆様凝った肩をほぐして頂ければ、ご幸甚にございます。しかし携帯からの更新ですと、この日記も「思想」に分類されている訳でして、これが本当に思想なら、こういう人間とは、弱冠距離を置きたいものだと、客観的に考えてしまう、現在の私です。

  2006.11.25

• 来週の放送について

  皆様に、かなり気を揉ませてしまっている事と、存じます。昨日、今日と、番組プロデューサーの方と、メールを中心に、数回連絡し合いまして、取りあえず、最終的な合意に達しました。私達のプライベートの、放送に対する姿勢として、生命が軽んじて扱われる、現代社会に於いて、視聴者に、「何か」を感じてもらう為。それが良いにつけ、悪しきにつけ、何らかの意識変換に繋がるのではないか。それが、番組プロデューサーの見解です。こうした視点からの報道は、私の願望に沿ったものだと、判断しました。千葉の子供達に関して行った撮影場面は、私の癒えない辛さを察し、省いて欲しいと伝えたのですが、どうしても必要な流れであるらしく、短縮して流すと言う形で、私の心情に、配慮して下さるとおっしゃいました。また、近隣住民の方から受けた迫害についても、彼らの不利益になる可能性がある為、報道は控えて頂きたいと希望した所、私が新しい土地に移る事情や背景として、「犬に吠えられ怖かった」等の率直な意見を、短く流す事で、我々の問題には遠慮下さると言う事です。そもそも、私達が追い出される事になって、悲しい事ですが、一応の解決は見ています。また、報道をする側として、取材させて頂いた相手の方を、不幸にする様な報道の仕方はしないと、明記して下さいました。その勇気を、信頼しようと思います。私は正直に、この報道のお蔵入りを願っていました。慎ましくも、静かな生活を大切にしていて、来年春から予定している、裁判までは、最後の自由な生活を楽しみたいと、思っていました。私が起こす裁判は、国民の耳目を集めてこそ、意義あるものになるのです。それまでの、気持ちを整える為の時間。それが今年の冬の目標の一つ、と思っていました。また、我が子愛しい余り、私が自分の力で足りず、苦労していて、こんな親では頼りにならないと、あちこちから、子供を手放せと、攻撃を受ければ、どうすれば良いのだろうと、老婆心に過ぎないかも知れませんが、不安に晒されていました。私は、友人こそ常に多いものの、自分が目指す生き方に於いて、同志と呼べる人間は、周囲に一人もおらず、孤独な努力を続けています。家族もおりません。傷つき、落ち込んだ私を、守ってくれる者は、全くいません。だからこそ、報道は私の不安を否が応にも増大させ、私は神経を張り詰める事を、余儀なくされていました。しかし、恐れていては、何も始める事が出来ません。私が成し遂げたい仕事の大きさを考えれば、私は自分の人生を賭ける程の、リスクは覚悟しなければならないと考えます。恐怖に打ち勝つ勇気は、いつでも自分の中にあるものです。それを呼び起こせばいい。取りあえず、また一歩を踏み出します。私達に興味をお持ちの方は、どうぞご覧になって下さい。また、地域的な事情で、報道を見れない方の為に、イヌホウズキさんが、清美さんのブログで、報道を見られる様に、何か細工をして下さるそうです。そちらがありますから、見逃しても、余り問題はないかと存じます。報道は、来週以降の予定ですが、毎日ニュースが飛び込んで来る為に、報道日が、前日や、当日に決定する事もあるそうです。どうかご容赦下さい。当日、私の仕事中に、報道が決定されたら、それをお伝えする時間がないかも知れません。それと、清美さんのフラッシュバックについては、今回は削除されています。私の子供達から、問題を逸らしたくないのだと思われます。性犯罪被害者の、その後の人生の苦しさを、また、別の形で取り上げて頂けないかと、望んでいます。どうか皆様も、そうした被害を受けた人々達の、辛さを共有して、事件の再発を、共に食い止めて行って欲しいと思います。本日までの経過でした。

  2006.11.23

• 聖者の行進―Ｍ・ Ｋ・ガンディー・ジーによせて―　２

  リチャード・アッテンボローの「ガンジー」は、総製作費１０８億円。製作年数は２０年に及び、その年のアカデミー賞を、八部門制覇した。その映画は、決して娯楽大作としては作られていない。まるで記録映画の様に、余計な説明は、一切省かれていて、ガンディー・ジーの人生を、知らずに観れば、展開に全くついて行けずに狼狽する。アッテンボローは、寒気を感じさせる程の、毅然とした孤高の姿勢で、映画を展開する。ガンディー・ジーの、人生の説明は一切しない。この映画を観る者なら、ガンディー・ジーの映画を観ようと言う人間なら、彼が南アフリカで立ち上がり、遂にインドで独立を勝ち取るまでの間の歴史は、知っていて当然、と言った態度である。不勉強にも、そこを知らず、この映画を観ようと言う愚か者の世話まで、自分はする意思はない。そんなメッセージが聞こえて来る。この映画を観た時、私は完全な愚か者の方で、話の流れに全くついて行けず、苦心した。しかし、映画を観て行く内に、そんな事は細やかな問題であったと、知る様になった。マハトマは、インド独立運動の指導者だった。イギリスを相手にして、何十年にも及ぶ戦いをしていたのだ。その独立運動の最中には、幾度となく、逮捕、投獄があり、運動の挫折や失敗や成功、そしてイギリス政府の強行な支配政策が次々と現れ、様々な事件がある。しかし、そんな事は、些細な事だったのだ。重要なのは、ただ一つ、マハトマが、非暴力をインドと、そして世界に説き、自ら、生きた手本となって、世界に非暴力の判例を示したと言う事である。マハトマがおわした時代は、第一次世界大戦と、第二次世界大戦が勃発した上、列強諸国の植民地支配に、人種差別と、人類が、最も暴力を経験した時代だった。そこにガンディー・ジーが現れた。西洋のヒトラー、東洋のガンディー。この二人を指導者と戴く、暴力の戦いと、非暴力の戦いが、全く同時期、地上で行われたのだ。ガンディー・ジーの思想を知る事は、彼の独立運動の歴史を知るよりも、遥かに人間の心を澄み渡らせて行く。ガンディー・ジーの、人生など、何も知らなくても関係ない。彼の生き方を知れば、他に何の説明も必要としない。ガンディー・ジーの、たった一言でも、珠玉の言葉が撮影されているなら、あの映画は傑作を超えたものになる。それを恐らく、アッテンボローは確信していた。説明はいらないのだ。彼と言う人物を戴けば、何も手を加えたり、無理に盛り上げる事もない。「ガンジー」では、音楽など、ほとんど使われていない。何一つ、効果を狙った演出はない。しかし映画を観た者は、その映画が成し遂げた偉業を、生涯忘れない事だろう。アッテンボローは、彼がこの世界から去ってから後、生まれた者達にも、再び彼を知らしめたのだ。私達に、希望を抱かせる為に。冒頭、ガンディー・ジーの葬列から入るこの物語は、アインシュタインの、ガンディー・ジーに対する讃辞を区切りに、場面をそこから過去へと遡らせる。「将来の人間達は信じられない事だろう。この世界に、本当に彼の様な人間が存在していた事を。」トルストイは、ガンディー・ジーの偉業を称えてこう言った。「キリスト教国ばかりか、全世界の国の人々が必然的に参加するようになる、今、この世で行われている、最も重要な仕事。」グレゴリウス歴で、２０００年の八月の事だった。私が、その映画をとうとう観たのは。日本で封切られてから、凡そ１７年後の事。川辺に座し、ミルク色の川に手を浸す、一人の男性を、別の次元で見た、あの日から。初めて観た時、話の展開に全くついて行けず、焦ったり、苛立ったりしながら、物語を追って行った。しかし、彼が非暴力で、イギリス政府に立ち向かおうと、民衆に対して宣言した時、最早、そんな事はどうでも良くなってしまい始めた。南アフリカ。１８９３年。若い駆け出しの弁護士であったガンディー・ジーは、南アフリカにいる、回教徒のインド人から、仕事を依頼されて、海を渡った。南アフリカは、イギリス人が支配する、白人至上主義の、人種隔離社会。そこに着いて早々、彼は人生で、初めてとも言える、本物の人種差別を経験する。その現実に晒された彼は、インド人の人権を求めて、政治的活動を起こそうと、差別に負けていたインド人を扇動した。多勢に無勢、武力も持たないインド人が、どうやって南アフリカ政府から、市民権を獲得するのだと、仲間に尋ねられた彼は、こう言った。非暴力の力を用いて。と。相手を傷つけたりはしない。生命は尊い。人間は、傷つけ合ったり、殺し合ったりは、断じてしてはならない。自分が殺されようとも、相手を傷つける事をせず、しかし断固悪法には従わない。我々が苦しむ様を見て、相手に己の不正を気付かせるのだと。弱冠、２５歳の青年が選んだ、社会改革の為の手段だった。この運動は、武力闘争と異なり、インド人の魂を覚醒させた。暴力には屈しない、恐怖に打ち勝つ精神を作り上げた事が誇りとなって、南アのインド人の団結は固く、厳しい戦いを耐え抜いた。その間、実に２０年。一つの仕事の為に、南アフリカに渡った青年弁護士は、その地でインド人人権運動の旗手となり、故郷と遠く離れて、若い日々を、他国で戦い抜いた。そうして南アフリカにて、数々のインド人に対する悪法を撤廃させ、ようやく母国、インドに帰った時、彼は人生の、中年期を生きていた。インドでも、イギリス政府の支配に対して、不満や怒りが高まっており、南アフリカで行われた、ガンディー・ジーの非暴力闘争は、畏敬の念を持って見守られていた。帰国後、彼はまず、インドの現状を知る為に、各地を旅して回った。そして、農村の、目に余る貧困を目の当たりにして、インド独立運動は、何よりも、貧しい村民を第一に考えたものにならなくてはならない、と結論した。それはまた、不可触賤民達を平等にする為の、解放運動でもあったのだ。南ア同様、インドでも、ガンディー・ジーの指揮の元、国民は、ヒンドゥー、ムスリムの宗教の違いを超えて、一つに団結し、非暴力、不服従闘争と言われる、「サティヤ・グラハ」運動を展開して、武力で弾圧するイギリス政府と軍隊と、精神力だけを持って、三億五千万のインド人が、真っ向から対決していた。サティヤ・グラハは、自制心や、忍耐力に欠ける人間には、余りに実践が困難な運動で、独立運動を共に展開するインド人は、幾度か、弾圧に理性を失い、集団暴動に走り出した。途端に、無差別の虐殺が嵐の様に、市民を襲った。報復に次ぐ報復。放火に虐殺、そして略奪…。理性を失った民衆に、自責の念を感じたガンディー・ジーは、彼らの理性を再び取り戻す為、死に至る断食を始める。「争いを、止めなければ私は死のう。」民衆は焦りだした。ガンディー・ジーは、既に国民的英雄で、「偉大な魂」と称えられる人間だった。同時に彼は、その暖かい性格から、国民から、「お父さん」と呼ばれ慕われていた。その父なる偉大な魂が、自分達が犯した愚かな争いによって、失望の余り、自ら命を断とうとしている。ガンディー・ジーを支える、国民会議派を始め、市民はパニックになって、暴動を取り止め出した。反目し合っていた人間達が、互いに手を取り合って和解して、マハトマの為に、兄弟愛を誓い合った。彼らは互いに、花さえ贈り届けたと言う。マハトマの信念が勝ったのだ。「人間は、命を捨てた信頼の元に寄せられる、愛の接近には、必ず応えるものである」と言う。しかし、彼は幾度となく、こうした実例を、人々に示さなくてはならなかった。私が最も彼に畏れ、おののいた瞬間、それは、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒が、同じインド人であるにも関わらず、袂を分かち合う結果になった時、双方の間に憎しみが爆発し、インドは完全な内戦状態になった時の事だった。ガンディー・ジーは、狂った民衆を鎮める為、自ら暴動の中心地に赴き、ムスリムの友人宅に泊まり込み、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の融和を求めて、またしても死に至る断食を始めた。余りに全国各地に飛び火した暴動は、ガンディー・ジーの断食を持っても、簡単には鎮まらず、彼は危険な状態になった。そして、民衆は再び理性を取り戻し始めた。ムスリムに決起を呼び掛けた人間が、今では逆に、武器を捨てる様に説き、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒は、互いに平和を誓い合って、ガンディー・ジーの元へと行進を始めた。しかし、ガンディー・ジーは、簡単には断食を解かなかった。二度とこんな争いを生じさせない為に、より効果的な教訓になるのなら、死をも望む所だった。民衆は悲しみ、次々と彼の元に集まり、そこで和解を誓い合った。刀を彼の前に捨て、二度と取らぬと誓いを立てた。そして…。映画の中で、ある男が、ガンディー・ジーの元に飛び込んで来た。瞳孔の開いた、恐怖に満ちた顔、それは危険を感じさせる程だった。ガンディー・ジーについていた者達に、緊張が走る。しかし男は、彼に向かって、「食え！」と、チャパティーを投げ付けた。「俺は地獄行きだが、あんたを助けたい。」男は目を見開きながらそう告げる。「地獄に墜ちるかどうかは、神様が決めなさる。」マハトマが答えた。「俺は、ムスリムの子供を、壁に頭を叩き付けて殺した。」男が震えながら告白する。彼は、ヒンドゥー教徒で、ムスリムに、自分の子供を殺されていたのだ。彼はその報復として、同じ年頃の子供を殺した。マハトマが答えた。「地獄から抜け出す方法がある、両親をなくした男の子を、拾って育てなさい。ただし、ムスリムの子供を拾うのだ。その子を大切に育て、立派なムスリムにしてやりなさい。」男はしばし、呆然となって、マハトマを見詰め…、後ずさりながら、彼から離れた。その場を去りかけながら、まるで抜け殻の様に立ち止まり…マハトマの前に戻った。そして、彼の前に膝ま付き、泣き崩れた。マハトマが優しく言う。「行きなさい。」これは全て史実。彼は本当に、そう説いていたのだ。私は生まれて初めて、人間の精神の崇高さを前に敗北した。私の屁理屈。人間などは生きている価値も資格もない、生まれながらの呪われた外道。それを、根底から覆えされた。人間に対する憎しみが、高潔な精神を前に、完全に敗北した。私は愚か者だ。至上の精神の崇高さも知らず、劣悪な精神の証拠のみで、人間の存在を判断していた。恥を知るべきは私であり、改心すべきは私であった。あのマハトマの一言が、私の、人間に対する偏見の芽をつむぎ取り、永遠の兄弟愛主義へと改心させた。私はそんな精神は知らなかった。犬を笑いながら殺すような人間しか、それまで知らずに生きて来た。誰がそんな人間を持って、人間と言う種そのものを、判断する過ちを犯せたのだろう。私を人間の出来損ないと罵り、神経を蹴り潰す程に、暴力を加えた父親。犬やアニマを愛する私を、悪魔の娘と罵った、育ての親である祖母。あれが人間の基準であって良かったのか？人は、心からの愛の接近には、必ず応える。ただ、命を捧げる程の信頼があるのなら。神様に言いたい。私に取ってガンディー・ジーは、あなたよりも偉大であると。彼は私から、人間に対する憎しみを解消させ、私を救い給うた。この方の御心に、卑しく粗末な人間ではあるが、力の限り、沿って生きよう。２７歳。私は自分の人生の、大きな転換を手に入れた。 続く

  2006.11.22

• プロデューサーの方と、メールで連絡つきました。

  放送は、来週以降になります！取り急ぎ報告まででした！

  2006.11.22

• ＴＢＳから連絡、明日放映だそうです。

  今、メールが携帯に届いてました！ぎぇぇ、仕事が忙しくて、先方と連絡出来ない(ToT)明日ぁぁぁ！？番組プロデューサーに、命預けるしかないですね…。まだ、仕事の予約が詰まっているので頑張ります。

  2006.11.21

• 聖者の行進ーM・ K・ガンディー・ジーに寄せてー１

  私が初めて彼の事を知ったのは、リチャード・アッテンボローの映画、「ガンジー」からだった。日本での公開に合わせ、映画はテレビコマーシャルを流していて、たまたま家族で夕食を食べていた時、そのコマーシャルを、私は見た。　多分、１０歳の頃だったと思う。そのコマーシャルを見ていた時、不意に自分の魂が、違う次元に入り込んだ。私は、ミルクの様に、白い色をした、川の前にいた。　対岸で、一本の樹木を背にしながら、川辺に女性らしい仕草で座り、その川の水に、手を浸している男性がいた。一見すると、その人は僧侶に見えた。褐色の肌に、白い布だけを身にまとい、頭は剃髪していた。年の頃は、３０代と言った所。目を閉じて、ただ川の水に触れている・・・。私はその男性を見て、この人が今、コマーシャルでやっていた、「ガンジー」本人なのだと、悟った。私は何故だか、その人のいる世界に、やって来ているのだ。まるで眠っているかのようなその人を、私は畏敬を持って見守った。ただ見ているだけで、その人の人間性は、手に取る様に分かった。「至上の人間」幼いながらに、それを強く理解した。欠点の無い人間。それが、私がその男性に対して出した、結論だった。こんな、心の綺麗な人間がいるのだろうか？目の前にいるのは、奇跡の存在。この人を目指したい、この人に近づきたい、少しでも・・・。それから私は、家族に呼びかけられたらしく、元の世界に戻って行った。それが、ガンディー・ジーとの、初めての出会いだった・・・。私が彼を詳しく知るのは、それから１７年程後になる。２８歳を間近に控えた、北海道の晩夏、私は東京の親友と、電話で話しをしていた。電話の相手は、私よりも、６歳程年上の男性。　兄妹の様に仲が良かった。彼は、思想や哲学や、宗教に造詣が深く、この面では、大分私も勉強をさせてもらった。宗教の中でも、彼は真言密教に傾倒していて、僧門に入る事も、度々検討していた。私は当時、筋金入りの人間嫌いで、この世界とアニマの為に、人間は絶滅するべきだと、強固に唱えていた。友人はそうした私の意見に、異を唱え、私はもっと、偉大な智慧を持った人間の思想に、触れるべきだと主張していた。彼は、それに相応しい人間として、密教の僧侶、空海の名を挙げた。自分が空海に心酔していた彼は、私も是非、空海に師事するべきだと、強要して来る。しかし、私は空海には、何も感じる所は無かった。　興味は持てない、と断った。それでも、友人は諦めない。俺は君の後ろに、空海が見えるんだ。君は空海に守られている。彼の教えを絶対に学ぶべきだと。空海が、彼に興味を持たない人間の後ろに見えるとは、どうやら友人は、熱意で血迷って来たらしい。　　何とか無理強いを止めなければ。心が焦った。　こうなったら、誰か他の人物の名前でも挙げなければ、彼は黙らないだろう。しかし、全く思いつかない。偉人と呼ばれる人間の名前は、次々浮かぶが、どの人間にも師事する気になれない。そうやって、人が考えている間にも、友人は、空海が君を見ているんだ、君はそれに答える義務がある筈だと、いささか理性を失って、電話越しにせっついて来る。いい加減に、私も苛立って、頭に血が昇って来た。そもそも、納得がいかない事を、他人に強制されるのが、何より嫌いな性格である。友人に対して、暴言を吐く一歩手前の瞬間になって、私はカッとなって無意識に叫んだ。私が師事するのは、ガンジーだ！！　空海じゃない！！友人が、それを聞いて黙り込んだ。私も自分の言葉に気付いて黙り込んだ。ガンジーの事など、一度も考えてはいなかった。　誰がこれを言わせたのだ？しかし、そう言った直後、子供の頃に見た、あの、ガンジーの姿が、脳裏にハッキリと甦った。胸が高鳴り、体中の血が、沸き立つ様に感じられた。電話の向こうで友人が、少し気落ちした声で、確かにガンジーは、素晴らしい人間だよね、と、呟いていた。もう、そんな言葉に、返事をする余裕はなかった。一体何故だか私は、彼こそが、自分に唯一必要な存在なのだと、確信を持って感じていた。私の頭と心は、一瞬で、ガンジーに洗脳されたいた。他の事など、全く入る余地がなかった。しかし、私は自分が、最も探し求めていた人に、とうとう出会ったのだと感じていた。探していた事すら、意識出来ない魂の奥から。体中の細胞の一つ、一つまでもが、狂った様に、ガンジーを求めて叫んでいた。でも、私は、彼の事を何も知らない。　子供の頃に見た、川辺で座っていた彼と、彼が非暴力で、インドを独立させたと言う事だけだ。彼とは、どんな人生を生きた人間だったのか？彼の思想や精神は？その問いが生み出す渇望に、一時も耐える事は出来なかった。今から、ガンジーを調べに行くと友人に言って、受話器をフックに叩きつけると、車に飛び乗って、まず図書館に向けて、矢の様に走って行った。田舎の小さな図書館であったが、私はそこで、カルヴィン・カイトルの、「ガンジー　非暴力の兵士」（潮出出版社）を見つけた。はやる心と必死に戦いながら、今度は車を、約５０キロ離れた隣町に走らせる。レンタルビデオは、そこまで行かなければ借りられないのだ。頭の中には、アッテンボローの、「ガンジー」しかなかった。ガンジーを川辺で見つける事になった、あの映画のコマーシャル。何としても、あの映画を観なくては。ビデオショップに駆け込むと、名作ビデオのコーナーに、私の望みの全てであった映画が、鎮座なされていた。それを借りて、帰路を急ぐ。しかし、私の家にはビデオデッキがなかった。どこで観させてもらおうかと、悩んだ挙句、北海道に移住する前、いつも泊まっていた、同じ町にある、とほ宿（相部屋制の、旅人宿）で、観せて貰おうと思った。オーナーに頼み込むと、快諾され、私はすぐにビデオをセットした。宿泊客は結構いて、みな居間に集まって、旅の情報を、初対面の人間同士で交換している。私がビデオを観始めると、若い男性が隣に来て、一緒にガンジーの映画を見始めた。ガンジス河で、女性が洗濯をしているシーンから、映画は始まった。場面は次に、ガンディー・ジーの、祈祷のシーンへと移る。二人の少女に支えられて、歩く一人の老人がいた。皆が、彼をもっとよく見ようと、身を乗り出している。その中で、目に怪しい光を湛えた男が、彼に近づいて来る。そしてその男は、ポケットから銃を取り出すと、ガンディー・ジーの胸に、３発の弾丸を打ち込んだ・・・。よろめきながら、彼は胸を抑え、神の名を呼んだ。　そしてその神が、彼を召された・・。壮大な葬式を持って、彼は弔われた。彼の葬儀を報道するジャーナリストが、彼を評価した人々の言葉を紹介した。ガンディーは、「全人類の良心」と呼ばれていたと。「偉大な魂ーマハトマー」アインシュタインはこう言った。「未来の人間達は、とても信じられないだろう。　この世に、こんな人物が本当に存在していたなどとは。」それを聞きながら、私は体中に、、鳥肌が立つのを抑えられなかった。私はこれから、どんな人物を知る事になるのだろうと・・。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く

  2006.11.19

• 虫達の命とは

  今、きよめだかさんが、ＰＴＳＤを悪化させてしまって、追い詰められています。 彼女の病気が悪化した理由は、私の今回の取材の時、私が最も他人に気安く触れられたくない、過去の話をさせられた為だそうです。 私の気持ちや辛さが分かっているだけに、それは彼女の心をもえぐってしまいました…。 私が、彼女の為に出来る事、フラッシュパックを起こした直後でも、私の倫理をみなに伝えてと、うわ言の様に、清美さんが言い続けた言葉…。 その思いを汲んで、今は彼女の分まで、インターネットを通して、世に倫理を発信して行きたいと思っています。 私のブログは、堅い、真面目な意見が多い為、読んで下さる方は、かなりご苦労なさっている事と、案じています。 それでも、尊い命の為、私達は己の足を止められません。 どうかご容赦の程を。 ………………………… 命の事など、ろくに理解していない人間達と、生命を尊ぶ姿勢について議論する時、 必ずと言っていい程、こんな質問を浴びせかけられる。 「犬や猫を大切だと思うなら、あんたは虫の命はどう思っているんだ。 あんたは虫は殺さないのか。」 こうした質問は、文字通り「浴びせかけられる」のだ。 生命に対して、非人道的な姿勢を私に指摘され、悔し紛れに、反撃して来る。 私はこの質問を受けると、非常に腹立たしい思いに駆られる。 何故なら、問い質して来る本人は、虫の命を本気で考えている訳ではない。 犬猫の命すら、物と同列に扱っている人間だ。 不愉快を隠さず、私は答える。 虫の命について考えたいなら、まず犬猫の命の価値を、正しく理解出来てからにしなければならないと。 犬猫の命さえ、真面目に考える事の出来ない人間に、虫の命について諭すなどは無意味な事この上ない。 私の限りある時間が無駄にされる事になる、と。 件の質問を、先日取材の際に承った。 何故、何も分かっていない人間が、そう分からぬままに先を急ぐのだろう？ まず、目の前の問題を理解してから、それから次の対象へ移れば良いではないか。 これこそ、命を軽視している証ではないかと、私は思う。 先に述べた言葉と、同じ様な見解を述べて、相手の質問を棄却した。 しかし、彼女は尚も食い下がって来る。 私はしばし考えこんだ。 犬猫の命の価値さえ分かっていない相手に、どう虫の命について説明すれば分かると言うのか？ そもそも、相手は恐らく、虫の生命に対して、興味を持った事などない。 真剣にそれを論じ合いたいのではなく、私の粗を探したいだけなのだ。 私の忍耐が危なくなって来る。 決して人間が出来ている方だとは言い難いから、たまにとんでもない暴言が、口から外へ飛び出してしまう。 憤懣やる方ない気持ちを抑えながら、論理的に説明出来るか考えてみた。 出来ない。いや、やりたくなかった。 虫に対して、私が抱いているあの神秘。 それを、犬猫さえ真っ当に扱ってくれない人間には語りたくない…。 その答えを提供するには、余りにも相手の質問は、不躾過ぎる。 結局私は、後回しにすると言って答えなかった。 そして、インタビューは時間が足りず、避妊、去勢の問題には触れもしないで終わり、殺処分問題も、形だけのもので終わった…。 私のブログを読んでいたら、国家に対して裁判を起こそうとしている事の、説明を求める事も、出来たはずだったが。 虫。 私は割り合いと虫好きだ。 昆虫採集したり、虫籠で飼う趣味はないが、 空を飛んでいたり、地を歩む虫を手の平に載せ、彼らの姿の均整さに、しばし時を忘れて眺めやる。 虫は私の手から飛び立ち、或いは飛び下り、それぞれ空や、大地へ戻って行く。 彼らの生きる様を見詰める。 私の視界が、届かない所に行ってしまうまで…。 虫には、大きく分けて、二つのタイプがある。 人間を刺す虫と、刺さない虫だ。 蚊やブヨに刺されると、その箇所は腫れ上がり、強い痒みを伴う。 ブヨなどに刺された場合は、手の甲なら、甲全体が腫れ上がる。 痒みと痛みで２、３日は苦しむ事になる。 こうした虫は殺さないのかと質問されれば、自衛の為の、最低限の殺生はすると、私は答える。 蚊やブヨ達は、命賭けで、私の血を求めて群がって来る。 間も無く死に至る体なら、せめて最後に蚊達の役にと、好きなだけ血を吸わせてあげて構わないが、 生きる為とあらば、夏の間中、蚊達の攻撃を甘んじて受け続ける訳にも行かない。 痒みや睡眠不足に苦しめられて、蚊の攻撃によって過労死し兼ねない。 だから、自分の身を守る為に、最低限の自衛はする。 血を求める者と、求められる者の、攻防になる。 しかし、身を守る為に蚊やブヨを殺す事は、いい加減な気持ちで飼って、面倒見切れないで犬や猫を、保健所などで殺す事と、どこが比較の基準になるのか全く理解出来ない。 殺生ならば、何でも同じだと言うのか？ 生きる為に、オオカミが鹿を狩る事と、肉など欲しくないのにも関わらず、殺生そのものが面白くて、鹿を狩るハンターのそれは、同様に見なされる事なのか？ 命を尊んでいるなら、自分を刺しに来る、蚊だって殺すのは間違っているだろうと言い掛かりを付ける人間は実に多い。 命が大切なら、何故肉は食べれるのかと。 本気で尋ねている訳ではない。 反撃したいだけなのだ。それは反論ですらない。 反論するに足る、知識を持っていないのだから。 取材の時、お約束事の様に、虫の命から、肉を食べる事に対して、私の行動は疑問に感じると、尋ねて来られた。 私は肉食に関しては、自分のブログで既に書いている。 我々の体は、他人が食べて生きて行けるもので作られている。 金属で作られている訳ではない。 だからこそ、我々は、互いに命を与え合いながら生きている。 命を下さる方に対して、深謝の気持ちがあるからこそ、自然民族はみな、頂いた命を儀式によって祭るのだ。 人間が、精神的完成を目指す最大の理由は、命を頂いて生きる者として、相手に対して最上級の道徳と礼儀で、応える事が目的なのだ。 それを全く知る事もなく、命を尊ぶ人間に対して、尊ばざる人間達は、肉食をしているなら、自分達と何が違うのかと言って来る。 ここまで理解して、頂いた命の名誉の為、人として、世界や社会に対し、最善を尽くす事。 それが命を尊ぶ人間と、尊ばない人間の違いである。 身を守る為に、最低限の殺生はする。 しかし無意味な殺生は断じてしない。 刺しもしない虫を捕まえて、遊んだ挙句に命を奪う筈もない。 殺生するのは、自分を刺しに来る相手だけだ。 それも、殺虫剤を撒きまくって地域全体、皆殺しにする訳でもない。 身を守る為に殺生をする事と、生きる為に殺生する事は、魚類から鳥類、哺乳類、種によっては、植生の者までが、等しく選択する、生の手段である。 我々は、この、自然の掟の中で生きている。 その中で、本能よりは、良心に従って、出来得る限り、謙虚であろうとする。 犬猫の命を尊ぶのなら、蚊に刺されるままになれと言うのは、道理も何もない、子供じみた屁理屈だ。 そんな怒りを感じながら、こうした屁理屈に対して、真剣に答える義務を、私は残念ながら感じないのだ。 それから、虫…。 私は虫を、注意深く観察する内に、虫とは個別の魂を持たず、この大地の魂の支配を、受けているのではないかと思う様になった。 アフリカで育った女の子で、象からチーターや、カエルとまで仲良くなってしまう、ティッピと言う子が、以前、虫には魂がないから、交流が出来ない、と言っていた。 その当時は、私もそう感じた事がある。 しかし、結構な虫好きとして、よくよく観察していると、虫の周りに、母なる大地の気配を感じる。 心を澄ませてそれに集中していると、虫を動かしているのは、虫自身の意思ではなく、 大地そのもの意思ではないのかと、理解する様になった。 大地は、自分の体の介助が出来ない。 それを可能にする為に、大地は虫と言う、自分の意思に従って動く、生命と、物質の中間の様な命を、生み出したのではないのだろうか？ だから虫達の体は、我々他の種族達と比べて、生命的と言うよりは、機械的な姿態をしているのではなかろうか。 私はふと、そんな風に思ってしまう。 虫達はきっと、この大いなる大地の、指先なのだ。 大地の魂こそが、彼らの真の姿である。 虫は森や大地を、維持してくれているのだから…。 そんな風に考えると、私の友人達が、私を虫扱いしてくれるのは、あながち悪い喩えでもない。 私が過労で、適当な場所で倒れていると、友人はよく、私にこう声を掛ける。 「オーム、森へお帰り。」 風の谷のナウシカのセリフなのだが、友人はこれがお気に入りなのだ。 巨大なだんご虫と呼ばれているのは、余り感謝を出来る表現ではなかった。 しかし、よくよく思えば風の谷のナウシカは、腐海と、虫達の物語だった。 世界を守る、虫に喩えられているなら、有り難い事だと、姿勢を正す、今日この頃である。

  2006.11.16

• 彷徨える人間達

  私がしている仕事は、中国医学の体系の中で作られたものだ。 東洋医学は、人間の体を個別には見ない。 一人の人間の体を構築してる以上、全てが常に、関わり合い、互いに影響を及ぼしあっていると解釈する。 体に熱が出た時には、熱を下げる前に、何故、熱が出たかを考える。 ウィルスから来たものか？ 疲れから来たものか？ 或いは何かの信号なのか。 東洋哲学は、常に、全体を見た上で、問題に対処しようとして行く。 しかし、西洋哲学は、部分しか見ようとしない。 これが医学の姿勢として、実に見事に分かれている。 頭痛に対して西洋医学は、痛みを伝達する神経を、ブロックする対処療法を取る。 東洋医学は、頭痛の原因を割り出して、それを解決させる事により、頭痛を止めようとする。 犬猫が増え過ぎれば、西洋哲学によれば、避妊、去勢で対処する。 東洋哲学なら？ 何故、そこまで増えたのかを、まず考える。 人間が、ブランド的感覚で、犬猫をやたらに欲しがり、それが繁殖家の熱を上げて、社会で世話し切れない数の犬猫を、増やしているのだと、原因を一つ突き止めれば、まず、遊びで命を飼う事と、命をどんどん作って売り出す、繁殖家を食い止めようとするだろう。 それからまた、人間が自然の摂理を無視して、命を守る事に、病的なまでに執着した為、 犬猫の生存率が、自然の状態を、大幅に逸脱し、彼らの人口増加の原因になってると突き止めたなら、 もっと野良の様に、自然な状態に犬猫を戻し、彼らが生きて行ける数を、自然の御心と、彼ら自身に任せねばならない、と言う答えに至る事だろう。 以前にも書いたが、東洋哲学とは、汎神論を基盤にしている。 動物愛護論は、西洋で生まれて、この日本に輸入された価値観だ。 西洋的思想は、科学文明を心棒して、自然や生態系を破壊する、今の人間達の生き方を作り出した。 そのやり方が生み出した、あらゆる弊害をなくす為に、同じ考え方を用いてそれにあたるのは、本末転倒ではないかと、私は思っている。 それは、生命をコントロールし、純血思想と言う、偏見的な考えで、犬猫の正常な姿形を破壊して、自然に任されたら、生きて行けない様な、か弱い犬達を作り出した。 ブランド化させて、生体売買の市場を作り、いい加減な気持ちで、安易に犬猫を飼う人間を、社会に大量に生み出した。 その結果、面倒見切れず、尊い命を、遠くで捨てたり、保健所に持ち込む人間が、後を断たなくなってしまった。 全て、欧米流のやり方だった。 そしてこの問題に対処する為、欧米は、避妊、去勢を施して、「不幸な」犬猫が増えない様にと、また、責任ある飼い方を、民衆に指導する。 犬や猫が、人間に虐待されるなら、法律を強化したり、アニマルポリスを作って、対処しようと反応する。 しかし、西洋思想が生み出した過ちは、同じ西洋思想のやり方を用いて、決して解決する事は出来ないだろう。 毒を持って、毒は消せない。 より大きな毒を、体の中に残されるだけだ。 こうした西洋的やり方と、他ならぬ西洋人達が、袂を分かち始めている。 彼らは、偏狭的な西洋思想より、普遍的な、汎神論を基盤にしている、東洋思想に希望を見出だし、その哲学を、探し求めながら歩いている。 大方の日本人は、欧米コンプレックスにかかっていて、人間らしく生きると言う事は、西洋人らしく生きる事だと、信じこんでいる。 だから、犬猫を愛する人は、欧米の動物愛護論と言えば、何でも無批判に受け入れる。 しかし欧米の中の、精神的な知識人達は、既に、自分達の世界観に、見切りをつけている。 その事実を、動物愛護論を信仰する人々は、知っておいて損はないはずだ。 世界は、物質文明を築いた、西洋思想に見切りをつけ、汎神論へ帰る道を探し始めている。 その汎神論の基盤は、この東洋にこそ、残っていると言う事を。 私達の住む東洋にこそ、自然と共存して来た、普遍的な哲学が残されているのだ。 いずれ西洋社会そのものが、この惑星で、自分達が生きる道を見出だす為に、東洋の叡智を求めて来るだろう。 日本人が、欧米の背中ばかり追っていては、彼らに道を説ける日本人はいなくなる。 欧米の背中を追って、辿り着いた先が、母国では、みっともない事、この上もない。 生命倫理を論ずる時には、これまでの価値観を超越した、より広汎な知識が求められる。 全てのアニマルに対して、最も被害者達の、望む救済に近付ける様、安易な理論に落ち着いてはならない。 我々はまだ、答えを探し始めたばかりなのだ。 そして、我々がどう生きるべきかを考え始めた時、必ず前回の日記に頂いたコメントの様な疑問が、人々の脳裏に浮かび上がる事だろう。 文明的な生活を捨て切れない人間が、環境問題を論じる資格があるのか？ 私はこの問いに対して、都会に住まう人間程、逆に考える義務を持つと思っている。 彼らが考え出さねば、人類は一歩も前には進めない。 思想は生き方に必ず通じる。 現在の自分の生き方が、自分の哲学を物語っている。 私の様に、自然とアニマルを愛する者達は、都会を捨てて、自分の家族たるアニマルと、自然の腕の中に帰って行く。 現代思想に順応した人間は、文明的な生活を自ら望むものだ。 しかし、ここに、思想を変えてみたいと考えている人々がいる。 しかしその人達は、自然で生きる術を全く知らない為、そこに戻る事を恐れている。 私がその人々の先達として、自分の経験から教えられる事があるとすれば、先に述べた様に、思想が変われば、自ずと生き方も、それに合わせて変わって行くと言う事だ。 汎神論に、共感を抱くなら、それを深く知る内に、人は自然に対し、強い渇望を抱く様になるだろう。 その渇望が、自分の足を、大自然の中へと導いて行く。 生き方を変える事は、意識的に成せる事ではなく、ごく自然にして行く事なのだ。 自然にそれを出来ない内に、理屈だけで変えようとすれば、必ず失敗する事だろう。 自然やアニマへの愛が、快適な生活を求める気持ちを超え、無力な現代人が、自然に戻ったばかりに命を落とす事になろうとも、そこで死ねるなら本望だと、そう思える様になった時、始めて人は、一切の抵抗を感じる事なく、それまでの生き方を変えられる。 まずは、人間側と違う世界観や、価値観を、じっくり学んで行く事である。 そして、物質的な生活を捨てられない内は、その人間にとって、最も大切なものは、命ではなく物やお金であると言う事を、しっかりと意識するべきである。 誰もが、この世で最も大切なものは、何よりも命だと、口を揃えて言う。 しかし、それは偽善に過ぎない。 本当に命が何よりも大切なら、その命の為なら、捨てられないものなどは、一つもない筈だ。 犬や猫を助けたくても、自分の生活が、一番大切だから、最低限の事しか出来ないと言う人は、命よりも、家やお金や、食べ者、洋服や雑貨の方が大切なのだ。 その事実と、まず向き合って、自分が普段何より大切だと言っている命は、本当は自分の意識の中で、何番目になっているのか、把握して欲しい。 私は、犬猫を助ける為に、故郷を捨て、友達と別れ、家族と別れて、北の大地までやって来た。 自分の夢や願望も捨てて来た。 絵の勉強がしたかった。また、大学に行って、あらゆる分野の研究もしたかった。 学問以上に、私を誘惑出来るものはない（お酒を除く）。 しかし、それも断念している。せめて、本でも買って、学問に勤しみたいが、そんなゆとりは残念だがない。 洋服も買わない。人様から、いらなくなった服を賜って、着させて頂く。 自分の財産は、車と少しの本しかない。 子供達の命を守る為、文字通り全てを捨てて来た。稼いだお金も、惜しみ無く彼らの胃袋に奉納して来た。 だから自信を持って言える。 私は、何よりも命が大切だと思っていると。 それが分かっていても、そう出来ていない事、それを正しく意識する事は、自分を変えて行く、貴重な第一歩になる。 ジャーナリストの、バリー・Ｈ・ロペスは言う。 知らない事、出来ない事を認める事が、より大きな世界に立つ為の、足掛かりになるのだと。 私は生命に対する姿勢として、愛護論より、汎神論を、人々に提示して行きたい。 その道が、厳しい事は分かっている。 正しいと分かっていても、すぐに実践出来る事ではない事も。 その矛盾した感情を解決させてくれるものは、自然とアニマに対する、口先ではない、本物の理解である。 それが自分に訪れた時に、自然に葛藤は、解消されて行くだろう。 孔子の弟子が、ある時こう言った。 「先生の言う事は、大変素晴らしいと思いますが、私は力量が足らず、先生について行けそうにありません。」 孔子、答えて曰く 「本当に力のないものなら、途中で脱落する。お前は始める前から見切りをつけている。」と。 自然の背中に惹かれているなら、恐れずに、転ぶ所まで歩き出して欲しい。 そして転ぶ時が来たなら、始めてそこで、自分は次の段階に進めるのか、それともそこで終わるのかを、見極める事になる。 誰しもが、理想を追って生きる資格を、生まれながらに持っている。 辿り着けるまで、どれ程の時間を要してもいい。 終わりに、私の敬愛する、マハトマ・ガンディー・ジーの言葉を。 「人類が、暴力のない世界と言う、史上最高のものを築く為なら、何千年の時間をかけようとも、私は憂慮しない。 誰かが、不屈の精神を持って、それを始めなければならないのだ。」

  2006.11.15

• 愛護と愛誤

  私の拙いブログに、様々な人々が読みに来て下さっている。生命を尊び、犬や猫を我が子として、守り、生きている私が綴る、言葉の性質上、ここに来られるのは、主に、犬猫問題に関心のある方達だ。その中のある人々は、私のブログに出会う前からこの問題に関心を抱き、自ら本やネットなどで、現実を知って来られた筈だ。沢山の、愛護団体のサイトも見られた事だろう。既にそうした団体に、支援をされて来た方もきっとおられる筈。愛護団体が、不幸な犬猫を減らそうと、社会に呼びかけている、様々な事。多くの人が、それに共感して、同じ呼びかけを、自分のホームページなどでしている。しかし私は、犬猫を助ける人間の一人だと言うのに、そうした愛護論者と、異なる理論を展開している。これに、何かしらの疑問を感じる人は、少なくない筈。その理由を、説明したい。そもそも、私は「動物」愛護論者ではない。狭義においてこだわるのなら、私は命に対して、「動く物」と言う表現は、決して自分に許さない。これは、人間を、えた、非人と侮蔑するのと同じ、暴力的な、蔑称であると心得ている。広義において述べるのなら、動物愛護論とは、人間と他の生命を、同等に「見なさない」事に立脚しているものであると、私は考えているからだ。愛護論とは、「動物」は人間が、守ってやらなければ、生きて行けない者だと捉えている。だから彼らは、対象を守る為に、対象へのルールを全て、人間達で決めようとする。そもそも、本人が勝手に繁殖する事を許さない。勝手に戸外に出る事も許さない。全て、自分の管理下に置こうとする。まるで自分の子供を、いつまでも自立させない母親のように。二人の人間が存在していたとして、一方の人間が、もう一方の人間に対して、上記のような行動を、全て自分の管理下に置き、自由な意思を、何らかの理由で制限した時、両者の存在は、対等と言えるだろうか。その人間は、命の尊さは対等だと思っていても、実際はそれに反した言動を行っている。もし両者が対等なら、片方の人間が、もう片方の人間に対して、その生き方を、自分に従って制限させたりなどは出来ない筈だ。それが母親と子供の関係である場合、子供が選んだ道が、母親の望むそれではなかったとしても、道理をわきまえた母親なら、子供の意思と人格を尊重する。未熟な母親なら、子供が自分の意思から独立する事は許さないだろう。動物愛護論とは、非常に偏狭的な論理であると、私は考えている。己の主観に基づいた世界観しか、そこにはないのだ。こうした発想をする人々は、近代文明的思想から、一歩も外には出ていない。近代文明的思想とは、自然を人間が、コントロールして生きる事を、基本的な姿勢としている。山や森を崩し、川の流れを変えた。海を埋め立てて、陸地や道を作った。犬や猫を、自然な交尾から、人工的な交尾に支配し、好きな形状の犬や猫を創った。試験管で、人間の複製を作ろうと試みた。臓器を移植してまで、生の正しい閉じ方である、「死」を駆逐しようとしている。近代文明とは、自然の否定そのものであったのだ。動物愛護論は、生命の正しい存在の仕方を否定している。犬や猫は、本来自然に大地を歩むものであり、当人の意思で交尾をし、自分の力で彼らは出産をして、自分の力で子供を育てる。そして、子供と別れ、また新たな性の営みに戻るのだ。これを愛護論は否定する。その見解は、犬や猫は、人間の手厚い保護なしには生きられず、人間は、彼らの諸生活を、人間の管理下に置き、彼らが人間社会と、余計な悶着を起こさぬ様、勤めなければならない、である。これは、自然を支配しようと、愚かな夢を見た人間の、雑言であると私は考える。今の人間は、何一つ、自然の現実を受け入れられない。自然を破壊して作った、非自然的な人口社会で暮らす為、この世界の現実を、全く理解出来ないでいるのだ。人間は、自分達が生きて行く為のリスクを、全て自然とアニマに負わせた。人間が快適に暮らす為なら、犬猫の性器や子宮を引き裂き、頭数を自分達が管理していいと、本気で今も思っている。生態系の、人間の意思による支配と、自然の支配は、同じ事を意味している。愛護論は、人間がそもそも、他者の生き方に、関わって良いのかどうかと言う議論をしない。相手が人間でなければ、無条件で、干渉する権利があると思っている。私は動物愛護論者ではなく、汎神論者である。この真理に基づき生きる人間は、対象への恣意的な干渉を、最小限に抑えようと考える。犬や猫、それから、野生で生きる全てのアニマ。そして、我々人間・・・。その、生育数を管理出来る唯一の存在は、我々に水と空気と命の糧を与える、自然であり、その母なる自然の成さい給う事である。　決して人間ごときが審判すべき事ではない。その恩恵の受給者である人間に、我らの神足る、自然の下されるべき判断を、勝手に下す権利がある筈はない。我々は、この地球における、己の立場を、正しく認識していなければならない。それはいつの時代であろうともだ。私達は、地上に先達である、多くの生命がいるからこそ生きていられる。蝿も、蟻も、鳥も、魚も、像も鯨も・・・。山や、森や、海や川も。その全てがいなくなって、人類だけになったなら、我々は何分で絶滅するだろう？息が続く間だけだ。様々な生命の恩恵によって生きて行けているのだと自覚すれば、自ずと自分の振るまいには注意をする様になる筈だ。自然の摂理を排斥した、人間社会に倫理への道はない。自然の中に立ち帰り、人間の小ささを自ら自覚しようとする事は、大地へ帰る道であり、賢者へと向かう道である。その精神的覚醒こそが、有史以来、人間が望み続けた事ではないのだろうか？犬猫の問題に対して、本質的な回答を出す事が出来るものは、愛護論ではなくて、汎神論に、他ならないと私は思う。私はこの考え方を基に、自然や、犬や猫、そして全てのアニマと、共存して行く道をここで示したいと思っている。動物愛護論に落ち着いてしまっている人間や、そうした考え方しか知らない人間には、私の考え方は異質であるだろう。同じくアニマを愛する人間であったとしても、今の段階で、全ての人間が、私の考え方を、受け入れられるとは思っていない。かつて全ての人間が、この真理を理解していた時の様に、もう一度、これを人類の普遍的な真理とする事、それが私が、自ら任じている責務なのだ。愛護論を、犬猫との共生の上で、最終的な結論であると、考えていた人々に、知って頂きたい事がある。あなた達は、犬や猫は、長年人間の庇護の元で生きて来たから、もう絶対に、自分では生きていけないのだと結論する。そして彼らの自由を奪う。前世紀のアメリカで、黒人奴隷を解放すべきか否かと議論された時、真っ向から反対したのは、白人至上主義者を除けば、奴隷に親切な女性達であった。彼女達は口々に、黒人はずっと、白人に頼って生きて来たのだから、解放されたら、生きて行けずに死んでしまうと、彼らを案じて反対した。その気持ちを、有り難く思った黒人は、ただの一人もいなかったのだ。黒人はむしろ、白人の干渉さえなければ、幸も不幸も、全て踏まえて生きて行く事が出来たのだ。愛護論とは、本当に考え尽くされた理論なのか？私は彼女達が催す、チャリティーイベントなどで売られている、動物愛護のスローガンが書かれたTシャツなどを見ると、とてもそんな事は理解出来ない。そのTシャツは、命を救え、とか、毛皮は反対！とか、色々なスローガンが書かれているのだが、何が言いたいのか、大抵の日本人には、さっぱり納得出来ない。何故ならそのスローガンは、全部英語で書かれているからだ。私はよく、昔は一人で海外に旅行した。お客様とも、英語で最低限の会話は出来る。なのに、愛護団体のチャリティーで、売られているTシャツの英文は、読めないものが本当に多い。何故万民に分かる様に、日本語で書かないのかと尋ねてみたいと、いつも思っている。愛護論とは、本当に考えを極め尽くした理論なのかと。我々は、アニマに対しては、偽善的な姿勢よりはむしろ、独善的な姿勢こそ、陥る事がない様、自ら警戒を怠ってはならないのだ。

  2006.11.12

• 性犯罪の残した傷

  四年前に、足に大けがをしてしまった。 地主さんのトラクターの、サイドブレーキの故障で、無人で坂を降りて来る、その機械に巻き込まれ、右足の足首をざっくり切られ、筋と神経を切断された。 傷口は塞がり、回復した。しかし、ズタズタにされた内部は、二度と元には戻らず、様々な障害となり、今も私を苦しめる。 心の傷も、これと同じではないだろうかと考えた。 虐待を受けていた子供時代。あまりにも、人間性を否定され、精神を壊してしまったあの頃。 犬達の力添えで、私は本来の人格を取り戻した。 しかしふと、何かに心がつまづいてしまう時、私の心の一部は、生涯カタワになったままなのではなかろうかと考えてしまう。 何かが破壊され、二度と元には戻らない。 足を失い、車イスに座らざるを得ない様に、一生私の心も、そうした治らない部分を、肯定しながら受け入れ、消す事は出来ず、認めながら、前へ進まなくてはならないのかも知れない。 清美さんのフラッシュバックを見た時、そんな自分と同じ、生涯残る傷を見た…。 １０月 ３０日の釧路空港。 搭乗客の一番最後に、暖かそうなジャンパーに包まれた、小柄で痩せていて、か弱そうな女性が私の目の前に現れた。 疲れと安堵が、顔から溢れている。 柔らかな化粧で整えられた、優しげな面差し。 この女性が、今、最も深く、私と日々関わって来た人…。 私から、インターネットへの嫌悪感を薄らがせ、このブログを、始めさせてくれた人。 ずっと毎日、メールで交流していた。 昨日も電話で話した。そして今朝も。 その人が、今、目の前にいる…。 初対面だと言うのに、何も緊張感は訪れなかった。 ねぇ、あなたはきっと、私の人生に、始めから存在していた人なんだね。 あの時も、あの時も、出会う事なく、きっと共に頑張って生きていたんだね。 空気の匂いを嗅げば、地上にいる全ての生命の匂いを嗅げる様に、 ずっと私は、あなたの匂いを確認しながら、ここまで生きていたんだね。 二人でトムトム（私の愛車）に乗り込んで、彼女に、生まれて初めてのアイヌモシリ―北海道―を紹介しながら、昨日も会っていた友達の様に、ただ緩やかに、談笑の時間だけが流れて行った。 そして翌朝、彼女の笑顔を古傷が奪った。いや、壊した。心ごと。 私が起きた時、彼女はまだ寝ていて、私は部屋の電気を点けた。 台所に、顔を洗いに行くと、背後からすすり泣きが聞こえた。 夢を見てるんだ。昔の悪夢の夢を。 心配で近付き、様子を見ていると、彼女の泣き声は、どんどん激しくなって来る。 その内に、彼女は股間を強く抑え、声を殺した悲鳴を上げ始めた。 いや、止めて、止めて 彼女の細い指を付けた手が、彼女が着ている、洋服の長袖を引き上げ、腕を掻きむしり始めた。 その、掻きむしられた部分を見た時、思わず息が止まった。 二の腕に、幾つもの細長い傷が、刻みつけられている。 明らかに、ナイフで切り付けられた傷。 同じ部分を執拗に、何ヵ所もナイフを肉に突き刺したのだ。 何故？ この人は女性だ。 一体世にいる男の誰が、こんなか弱い女性の身に、ナイフを持って襲いかかる事が出来るのか？ 私の目の前にいるのは、ヤクザやチンピラの男じゃない。 でも、この傷が相応しいのは、男の中でも、極道と呼ばれるタイプの、人間達だけのはずだ。 決して女性が持つ傷じゃない。 彼女は泣きながら傷をむしる。 目は堅く閉じられたまま。 目覚めているの？ それとも夢から抜け出せないの？ 清美さん、何度も声を掛けたけど、全く「目覚める」気配がない。 電話を掴んで、清美さんの彼に電話をした。 こんな場合は、どうしているの？ 体を起こして、無理にでも起こしちゃっていいから。 そう言われて、丁度取材班が来たから、手伝ってもらって、清美さんを抱え起こした。 彼女の悲鳴や泣き声は止まない。 激しく自分の体を打つ。まるでその体が、全ての悪夢の元凶の様に。 細い女性が私の腕の中ですすり泣きながら、必死で暴れる。 必死で自分を傷付けてる…。 私は、取材班にカメラを回させた。 フラッシュバックが起きたら、それを撮影する事。 性犯罪を受けた人間の、現実の姿を伝える為に。 清美さんは、そう取材班に頼んでいた。 しかしその現実を前に、取材班は、カメラを構える事を忘れていた。 或いは同じ女性としての心情が、このあまりに痛ましい姿に、カメラを向ける事が出来なかったのか。 私が撮影を促した。 彼女の意思に、私は添う。 この姿を社会に見せるのだと言う、彼女の考えに、私は心から同調していた。 カメラが回りだし、私の腕の中で、恐れ、泣き、苦しみ、悶える女性の姿を捉える。 過呼吸を始めた彼女が、激しく苦しみ出した。清美さんの彼の説明に従って、ビニール袋で口と鼻を覆い、吐き出した二酸化炭素を体内に戻す。 何度か頭の中に、救急車を呼ばなきゃならないと言う考えが浮かんだ。 しかし、彼女は病院をとても恐れている。 絶対に、病院に頼る訳には行かない。 ここで抑えるしかないのだ。 ディレクターが、彼女がフラッシュバックを起こした時、予め飲ませてくれと、指示されていた薬を思い出して、取り出した。 過呼吸が落ち着いた所で、私がその薬を受けとり、少しづつ飲ませた。 何度も激しくむせながら、薬を何度かに分けて、彼女は飲んだ。 少しづつ、薬が効き始め、彼女の体から力が抜けて行く…。 三日。 たった三日の時間だった。 一人の人間に、ここまでの傷を与えた時間は。 あの事件から、十年以上も経った今でも、清美さんは、その三日間の魔の手から逃れられずにいる。 何故自分の体を打つの。 何故自分の傷跡を、更に強く傷つけようとするの。 何故、踏みにじられた、性器を殴るの。 恐怖と痛みに悲鳴を上げて、泣きながら。 あなたにとって自分の体は、悪夢そのものなんだね。 傷が残る足や腕。 そして性器が、激しい痛みを、今も忘れられないで、あなたを繰り返し、その三日間に引き戻すんだ。 叫べるものなら、私が叫び出したかった。 正気の頭で、あんな痛みを見るのなら、いっそ私が狂いたかった。 どうしたらいいの？ 犯人を憎んで、八つ裂きにして、そして暴力が止まるだろうか。 そんな甘いものじゃない。 暴力は、暴力でしかない。 復讐は、際限なく続く暴力だ。 私はそれを、無頼漢に見せしめに殺された娘から、血のにじむ思いで学んで来た。 暴力を憎むなら、本気で自分から、暴力を捨てなくてはならないのだ。 犯人を八つ裂きにしても、平和は来ない。 人間の意識が変わられなければ。 私は昔弟に、女と付き合う際に、必ずこれは守れよと、言い渡した事がある。 好きな女性が出来て、付き合い始め、彼女を自分のものにしたいと思った時、彼女の父親の事を考えなさい。 彼女をこれまで愛し、育てて、守って来た男の事を。 男なら皆、娘を愛する父親の気持ちは、想像する事が出来るはずだ。 その父親から奪っても、彼女を幸せに出来ると確信出来るまで、何があっても、相手に軽々しく手を出すなと。 これは、私が弟に教えた、倫理的な性に関する教育だった。 相手の事だけでなく、相手を育てて来た人間の存在も、決して忘れてはならないのだと。 目の前にいる人間の事を、身勝手な人間は、非人格化して踏みにじる。 しかし、その人の親の存在を心に感じた時、彼はどこまで、その人の人間性を、否定する事が出来るだろうか。 その人が人間である、紛れもない証しになる、親の存在。 全ての人間に、命ある者への敬意を取り戻させたい。 詩人のリンダ・ホーガンの言った言葉。 「命の真実を教えてあげよう。 何千と言う愛が交わされた。 だからあなたはここにいるのだ」 彼女を傷付けた人達。 また、全ての命を傷付けた人達。 忘れないで欲しい。 被害者が、人間であった事を。 物ではなく、魂を持った、尊い命であった事を。 たった三日の暴力が、その人の人生を、今も痛め続けている事を。 破壊された体や魂は、二度と元には戻らない。 他人を粉々にして、その責任を、取れる人間などいないのだ。 溢れる欲望に身を任せ、暴徒となる時、人間は、自らの価値を破壊する。 魂を失った、悪しき肉塊になってしまう。 誰に、彼女の痛みが分かるだろうか。 その恐怖が理解出来るだろう？ 私はただ、その一端を見ただけだった。 ７２時間の悪夢に、人生を左右されている人間の現実を。 彼女の苦しみを見れば見る程、犯人に対する個人的な感情より、そうした人間を無数に作り出している、 この人間社会そのものを、強く変えなければと胸に危機感が迫って来る。 あの、「こげんた」と誰かに名付けられた子猫の死の様に。 犯人一人を捕まえて、罰して済む問題じゃない。 恐ろしいのはその人間よりも、そうした人間を無数に作り出している社会そのものの方なのだ。 社会全体の崩壊に目を向けず、個人的な暴力に気を取られていては、我々は滅びるまで、この社会に蝕まれて行く事になるだろう。 彼女の為に。 そして全ての命ある者達の為に。 一日も早く、倫理が進化を完成し、全ての人間が、道徳的成長を遂げなくてはならない。 この世界そのものを、正常な形に戻して行く。 それが、私に出来る、彼女達に対しての、ただ一つの救済なのだ。 彼女の受けた暴力を、世界から浄化する事だけが…。 清美さんにも、私の愛しい子供達にも。 そして、世界中の、暴力の犠牲となっている全ての人間や生命に、 決意も新たに約束をした。 必ず倫理を完成させてみせると。 どれほど困難な道だろうと、裏切れようはずがない。 傷つけられた者の、目を見た事がある人間なら…。

  2006.11.10

• ＴＢＳが、対応してくれました。

  本日の昼頃、件のディレクターの上役の方から電話を頂いて、やっとお話しが出来ました。電話を頂いた時の、私の最初の言葉が、「有り難うございます。」でした。何しろ、誰とも連絡つかないまま、放映予定の日が近付き、昨日、無期延期を聞けたとは言え、相手は名前もおっしゃってくれず…。無期延期と答えた方も、私と直接話して下さった訳ではない為、本当に、倒れそうな位、神経が参っていました。何故、私がそこまで、自分の取材に対して危惧を抱くのか、それは後から説明する事にして、まずは、今日お話し出来た、プロデューサーの方の見解を、ご本人のご迷惑にならない様に祈りながら、報告したいと思います。プロデューサーの方は、今回ディレクターと、我々（私と清美さん）の間で、話しがこじれているのはご存じでしたが、私の取材内容については、ご存じありませんで、私が北海道で、電気もガスも水道もない所で、百名ほどの犬猫を育てている事は、先ほどの私との会話で知って下さいました。実際それは、非常に興味を抱く相手である事を、ご自身も認めていらっしゃいました。私も、自分の生活が、他人様の関心の対象となりやすい事は、十分理解していますと答えました。しかし、私はあくまで一個人として生きている人間であり、犬猫の事は、仕事でもないし、売名行為の為でもない、遊びでやっている訳でもない。ですから、それを取材に来るおつもりなら、世間に支援さえ求めて回る気のない私には、歓迎致し兼ねますと、申し上げざるを得ませんと。しかし、今回の取材は、私のブログが作った縁でした。私のブログは、ご存じの通り、社会通念を変え、全ての生命が、敬意を持って扱われる世界を築く事を、目標にして綴られているものです。ですから、その理念を理解して、そちらを中心に取材を進め、私の提言に力を持たせる為、実際に自分で実践している生活を、写すと言う姿勢なら、受け入れると。それを、プロデューサーの方は、しっかり理解して下さいました。こんな生活をしている女性がいますと言う形から入り、それを見てもらい、では「何故」、この人はこんな生活をしているのか？その原動力となっている理念とは、何なのか。自分達は、テレビとして、誰かに何かを伝えて行く立場であるから、そういう形で取材をしたいのですと。ですから、それは私が最初に、そちらに出した条件がそれなのです。と言いました。姿勢が真剣であるが故に、興味本位の取材は受けられない。私の考えを、しっかり理解した上で来て下さいと。プロデューサーの方とは、そうして互いの意見は一致しました。今後の放映については、まず、今回の取材は、こちらからお願いした事なので、北原さんの許可なしに、放映などは絶対にしませんと、お約束下さいました。また、自分はまだ取材のビデオを見ていないので、それを見てから、社の方で、無期延期を撤回するか話し合いたいと。私は、正直放映は、もう取りやめて頂きたい…。でも、今回私の所に来てくれた、清美さんは、第三者として、私の子供達や、私がインタビューで答えた理念は、絶対に放映する価値があると、断言されています。私は、第三者の意見を、優先しようと考える事にしました。しかし、既に一度、お蔵入りになった取材ですから、放映する方針になるかは分かりません。また、プロデューサーの方が、私の理念をもし、しっかりと読み込んで下さった場合、これは今の社会には難し過ぎると、判断されるかも知れません。今は、割と鷹揚に、局の判断を待つつもりです。取りあえず、私の同意なしに放映はなくなったのですから。それから、私が自分の取材について、神経を尖らせる事についての説明を、これから詳しくしたいと思います。ここ数日の私の日記、非常に怒り心頭に達していて、感情的に走っていた事を、正直に認めたいと思います。まだ、ディレクターさんからは、一切謝罪はなく、また、そのご意思も全くお持ちでないと、昨日伺ったのですが、私としては、当人よりも、上役の方が、誠実に対応して下さった事で、彼女自身の事も、これ以上何も責めるつもりはありません。ただ、彼女にも、そして皆様にも分かって頂きたいのは、私がそこまで感情的になる理由です。私は、元々何の力もない人間です。生まれつき、酷い喘息持ちで、学校は休みがち。小学校の頃は、喘息を治す為、千葉にある、養護学校にまで行っていました。家庭的な環境問題から、中学を出て、高校へ行くと言う、普通の進路は取らず、専門学校に一年行き、そして社会に出ました。所謂中卒です。金も学歴もない、病弱な人間が、行き場のない犬猫を助け、北海道の田舎に、約一万五千坪の土地を持つまでに辿った道程は、とても人に言える様な、軽い苦労などではありませんでした。苦労を重ねれば重ねる程、自分の苦労に対して、私の口は、どんどん重くなりました。今では、まず、自分が子供達を背負って生きて来た日々を、人に話す事など、全くありません。誰に聞かれても、何とかはぐらかします。何故かと言えば、人に言えない苦労だったからです。だから、何も知らない他人様に、興味本位で気安く尋ねられたくないのです。どれほどの苦しみがあったか…。聞かれる度に、あまりに重過ぎる過去が、私の胸の中で、暴れ回り始めるのです。私は自分の経験を、今この日も含めた過去を、自分の子供達以外の、誰とも分かち合いたくはありません。共に生き、共に苦しみ、共に踏ん張り抜いた、戦友のごとき家族である、子供達以外とは、絶対に共有出来ないのです。本当に、奥深い真実は、私や子供達は、決して互いに触れ合う事なく、暗黙の了解として、黙して語らず、墓の下まで持って行きたいと考えているのです。辛かったなんてものじゃない。そんな易しい話じゃありませんでした。今も昔も。誰に、それが分かるでしょうか。私の人生に通りすがった程度の人に？いえ、私にとって無二の親友であったとしても、私や子供達が共に乗り越えて来た日々を、分かち合ってもらう事は出来ません。私はこの前ディレクターに、朝食の場面を撮影されながら、「普段はカップラーメンを食べているのですか？」と聞かれました。その食生活にまでなる経緯を、全く知りもしない相手から、ただ、興味本位でそれを聞かれるやるせなさ。何も知らない相手なのに、何故、無責任な質問を出来るのか。私は何故、人の興味に答える為に、自分の血肉をつつき回されているのか。千葉にいた時の子供達の写真を持ち出され、何があったか詳しく話して下さいと言われて、それは嫌だと言いましたが、番組を作る上で、過去の経緯を説明する必要があると食い下がられ、話す事を余議なくされました。撮影の後も、あれはカットして欲しいと何度も言いました。しかし、近所のトラブルまで撮りたがる、相手と譲歩し合う為、仕方なしに、その場面を入れる事を承諾しました…。でも、本音は、誰にも触れられたくありません。何故私は、他人の無責任な興味に答えなければならないのでしょうか。そんな辛い思いをしてまで、私がテレビ出演など、望んでいると、誰か思いますでしょうか？誰に分かると言うのでしょう。私がどれだけあの子達を愛しているか、その為に、どれだけの悲しみに耐えて来たのか。零下３０度の気温の中で、電気すらない家で、凍死と戦って生きる私の大変さが、誰か理解出来ますでしょうか？子供が病気で亡くなり、悲しみで立つ力さえなくなったこの身で、しかし残る子供の食費を稼ぐ為、心身を休める事すら許されず、泣きながら仕事へ行き、結局仕事が出来なくてクビになり、その重なる不幸の中、しかし更に倒れる事が許されず、翌日には自分を叱咤しながら仕事を探しに行く…。誰に、ああした苦労や悲しみが分かってもらえるでしょう。人間の子供を育てているだけなら、誰かが必ず助けてくれます。私の子供は犬や猫の子です。私が様々な外的要因で、生活する事さえままならない事になった時、人に言われる台詞は、「だったら保健所に連れて行きなさい。」です。生活が出来なくなるなら、子供を殺せと普通に言われる。自分の苦しみや悲しみや、辛さや苦労、疲れた体、病。それらを全て隠して、毎日毎日、立っているんです。本当は、子供達と毎日暮らして行けるのか、不安で押し潰されそうなのに、絶対にそんな気持ちは見せられない。私が弱気の顔を見せるのは、子供達の中だけです。あの子達とここまで歩いて来た日々と道程。ただひたすら、あの子達への愛だけが、私の心と体を支え続けた。そして、同じく愛する全てのアニマを、苦境から救うのだと言う目標が。ディレクターから取材で、私にとって子供達とはどんな存在かと聞かれました。何と言ったら伝わるだろう？私は、子供達とは私の「世界」だと答えました。あの子達は、私にとって空気であり、日光であり、水であり、食べ者と言う存在でもある。山であり、谷であり、海である。喜びであり、悲しみであり、希望であり、絶望であり、楽しみであり、憎しみでもある。至上の存在。私に、人生に於ける、全ての世界を与えてくれた。それしか言えません。あまりにも、色々な事があり過ぎた…。だからこそ、その過去に最低限の敬意は払って頂きたい。興味本位で、心の扉を叩かれるのは、耐えられないのです。私は、今回の取材が、興味が先行したものになっていて、その姿勢に憤慨し、取材が終わった後も、話し合おうとしていたのに、先方に避けられ続け、本当に憂慮しました。私達の事を、どんな視点から放映するつもりか？それを聞きたいのに、誰も電話に出てくれない。ディレクターは、オンエアまでは連絡しませんと言っている。これで、私達の生活を、もし批判的な視点から放映され、世間が私の子供に間違った同情をして、私からあの子達を取り上げようとする事態になったら？守る為に、文字通り何でもして生き抜いて来たのに。疲れた体に鞭打って、仕事を幾つもこなし、辛くても、泣く力を仕事に回して頑張って来たのに。零下３０度の気温に耐えて、子供を愛しているから頑張って来たのに。自分で働いたお金の全てを、子供の為に使って来た。自分の稼ぎで自由に、食べてり飲んだり、散財出来る友人を眺めながら、着る物は、人が捨てるからあげるよと言われた服ばかり。外に行くのは結構恥ずかしくて、これは中途半端だから、いっそ肥料袋に頭と腕を通す穴を開けて着るなら、返って踏ん切りつくよなぁ、なんて思いながら生きて来た。お金より、物より服より、本より暖かい家より、おいしい食べ者より、子供が愛しいから必死に頑張って生きて来た。それを、その苦労を、全く理解していない人間に、いい加減に報道され、これまで命を捨てて守って来た、全てを失う事になったら…。それだけの、危惧があったのです。だからこそ、恐ろしい位に感情的になっていました。せめてその心境は、理解されたいと思っています。もう一度言います。私は自分の過去は、共に乗り越えて生きて来た、私の子供達としか、共有する事は出来ません。どうか如何なる、興味本位による質問は、控えて欲しいですと。苦労をした人間が、その苦労を黙して語らないのには、他人には想像も出来ない苦しみがあったからなのです。その、人の痛みや苦しみを、取材の為なら全く意識しないと言うのなら、そのジャーナリストは人非人であり、私はその人からの取材は受けられません。痛みを理解してくれる人を、人間と私は呼ぶでしょう。

  2006.11.08

• 二回目の更新です。

  今、イブニング５の男性と話しました。相変わらず、上役は電話に出ませんでした。これまでと同じ様に、私の主張を述べて、対応を求めました。ただ、今回電話の向こうにいた相手は、自分の名前さえ名乗ってくれませんでした。で、今後どうするのかと言った所、彼は電話を置いて、他の人間に聞きに行き（上役の女性ですかね？）、報道は、無期延期にされたと言いました。それを記しておきます。しかし、私は自分の名前も名乗らない相手の約束を、信じる事は出来ませんと言いました。どなただか、今、無期延期にすると、あなたに言った人間に、私に電話をさせて、約束させて下さいと。それと、今回の取材班の中で、音声を担当した女性と、話しがしたいと希望しました。その方は、非常に共感出来る女性で、清美さんと私が、唯一、心から好ましく思った女性です。イブニング５のお陰で疲れ、今、一番話しを聞いてもらいたい、また、何があったか、話せる限りで教えて欲しいと、立場を超えて向き合いたい女性です。私と清美さんは、彼女とは個人的に友人になりたいねと、最初の晩から言っていました。どうか、電話をかけて欲しいと思います。オフレコで構いませんから。この様に、電話を回され回され、当事者と話しも出来なく、テレビ局側は、放映を無期延期しますからと、名前を言わない男性が口約束をしてくれただけ。イブニング５から、ちゃんと今回の取材について、当方の誤りがあって、それにより、多大な迷惑を周囲に掛けた事、また、取材を受けた側と、取材した側の納得がない以上、報道は致しませんと、きちんと名前を名乗ってくれる方から、謝罪の電話を頂きたいと思っています。私はこの取材の為、仕事を二日休みました。友人も、取材班の移動を手伝う為、仕事を二日休み、同僚は、私が休んでいる際、店を続ける為、二人が一日交替で、自分の仕事を休んでくれました。全員が、無償で今回の取材に対応したのです。きちんとした謝罪が頂きたいです。それは音声さんからではなくってね。ディレクターの上役から。それと、今回の私のインタビューや、私の子供達の事を、清美さんが、自分のビデオで撮影しています。希望の方に、テープ代と、送料を負担して頂けるなら、ダビングしようと考えています。清美さんの体調次第ですが、希望の方は、ご一報下さい。取り敢えず、報道されないなら、安堵出来ます。この話しを進めて下さった方の責任ではありません。ディレクターが、愚か過ぎたんです。もし、約束通りに私のブログを読んでいたなら、多少なりとも正しい取材になり、私達の努力が、徒労に終わる事もなかったんです。全てはディレクターの責任です。あるいは、あの程度の人材しか育成出来ない、ＴＢＳが問題なのです。あなたのせいではありません。また、必ず正しい形で、私達の理念を世に出す機会が与えられるはずです。それまで、地道にブログで思想を綴り、子供共々、頑張って行きたいと思います。

  2006.11.07

• ＴＢＳの対応の実態

  現時点で、先週の私が更新した日記の内容から、事態は一歩も動いていません。問題のディレクターの上役の女性に、金曜日から、私は電話をかけています。取材に出てるとか、言われて繋いでもらえないので、私の電話番号を先方に伝えて、金曜日に、「今日中に電話を下さい。」と伝言をお願いしました。電話はかかって来なくて、土曜日に、再度ＴＢＳに電話をしました。イブニング５に繋がらないと、電話受付の女性に言われ、月曜日に、電話を掛け直して下さいと言われたから、昨日電話しました。午後一時頃掛けて、また、上司の方は取材だと言われて繋がらず、こちらに電話を折り返させますと言うから、電話を切って待っていました。夕方まで待って、電話が来ない事に業を煮やし、またこちらから電話をしました。すると、上司の方は、編集に回っていて、電話に出られないと言う事、代わりに出た男性が、クレームの内容を聞かせて下さいと言うので話しました。で、その男性は、上司に電話があった事と、私が電話を今日中に寄越してくれと言っている事を、伝えておくと言いました。私は仕事がありますから、必ず電話に出れるとは限りません。時間が合わなかったら、こちらから掛け直しますと約束しました。大事な用件だから、電話をくれるまで、夜中の一時まででも待っていると言いました。電話は、今まで全く掛かって来ませんでした。私は何とか話し合いたくて、今回のディレクターの携帯に、電話を再度致しました。すると、呼び出し音がなって、出たと思ったら音声ガイダンス。で、ガイダンスの途中で、向こうの電話が切れました。何度か繰り返し掛けましたが、その度に、電話に出ないで切られます。最後はいきなり留守電になっていました。明らかに、電話を取れる状態なんです。仕事を休んで家にいると、同僚が言っていたんだから。そのディレクター、清美さんと最後のメールのやり取りで、「私も疲れてるから、オンエアまでは、連絡には応じません」と書いて来たそうです。こっちは、取材の内容が、約束と違うから、オンエアをするかどうかについて、話し合いたいって言っているんですよ！？こちらの約束を破って取材して、条件通りに出来ないなら、放映しないでくれと言っているのに、こちらからの連絡には、オンエアまで応じませんって、ごめんなさい、どういう理屈なんです？私を罠に嵌めてでも、私達の私生活を、彼女は撮影したかったって訳なんですか？それを、止めてくれと訴えている、私から逃げ回って、無理矢理報道するつもりなんですか？何かな、あの人は、最初から所謂多頭飼育をしている私を、チンケな「動物愛護精神」に乗っ取って、告発する気で取材に来てた訳ですか？これでもし、「動物愛護団体」などが、私の子供に手を出す事態になったら、ＴＢＳを私は徹底的に訴えます。そういう事態になる事を避けたいから、私の倫理を中心に取材に来るなら、受けると言っておいたんです。正直、許しがたい裏切り行為ですね。電話にさえ出ないとは。しかも、上司は部下のクレームから逃げ回る。私こんな社会人は、見た事ないですよ。誰だって、仕事でトラブルが起きたら、対処して解決するでしょうが？それから本人が逃げ回り、あまつさえ、上司までが、部下のクレームから逃げ回るなんて、初めて見た異形の世界ですよ。アルバイト感覚じゃありませんか？しかも高校生クラスの。失敗したら、怒られない様に逃げて、辞めてしまうアレ。しかしね、一市民の私生活が、全国ネットで放映されるんですよ？その人間を、騙し打ちした形の報道になろうとしているのに、あの二人、逃げて片が付く問題だと思っているんですかね？こんな人物が、イブニング５の企画責任者に、ディレクターって…ごめんなさい、ＴＢＳのレベルが分からない。コンビニで、パートで働いている、人間よりも社会人意識が低いんですね。後でまた、ＴＢＳに電話します。（電話代を請求したろか）このまま報道されるなら、ディレクターと、場合によっては上役の方も告訴します。また、今回のＴＢＳの取材の在り方について、他局のテレビ局に、助けを求めて行くつもりです。状況が変わり次第、また報告します。どうか相手が、誠意を持って私達に対応してくれます様に。

  2006.11.07

• 取材は、小市民的インタビューに終わってしまいました。

  今回の取材についての報告、みなさん首を長くして、お待ちでおられると思います。現時点までの事を、大まかにお伝えしたいと思います。まず、私は取材を受ける際の条件として、私の理念である、「倫理の進化」に記して来た様な考えを、中心に取材し、私の私生活は最小限にする事を、申し出て、約束を頂きました。私が、自分の苦労話を全面に押し出すのが嫌いな事は、みなさんご承知の通りです。苦労などはもとより覚悟。他人様に訴えるものではありません。あちらも、それは承知でいらっしゃったと思ったら、取材二日目に、私と近所のトラブルを、近所のインタビューも入れて撮りたいとおっしゃる。呆れました。それでは私の活動のみに、焦点が当てられるでしょう。私は自分の苦労に立ち入って頂きたくないと、初めに言いましたと。テレビで近所の方々に、迫害に対しての批判をするなんて真っ平です。私にした事が明るみに出たら、近所も糾弾を受けるでしょう。私が我慢して出て行く事で、ようやく収まった事を、何故赤の他人のあなた方に、また悪化させられなくてはならないんですか、と。あちらは勝手な理屈で、何とか取材をしようとするので、停戦状態になってる私と近所の間に、再び砲火を飛び交わさせる事態になっても、あなたは責任を取れないのだと説明して、それは断念させました。そこで私は、この人達は、私の信念について本当に理解しているのか、その上で来たのか疑問に感じ、私のブログを読んでいたのか、尋ねました。答えは、ごく最近の、僅かなものしか読んでいないと言う事。憤慨しました。それを理解した上での、取材なら受けると、私は言い渡しておいたのです。ですから、ここのブログにいらして、私の信念に触れ、魂の共感を感じ、それまでの諦念を払い、新たな目覚めをした方々とは、全く違う、単なる興味本位の取材だった訳です。それだけは、断りますと言ったのですがね。私が思っていた程度には、日本語が堪能でない、日本人のお嬢様だった様です。ですから、私のインタビューなどは、撮影のメインにされてる筈がありません。彼女は、私のインタビューを一時間、近所の方々のインタビューを一時間で撮りたいと言ってらっしゃいました。清美さんが同じく憤慨して、彼女の理念を撮りに来た筈なのに、一時間で終わるものですか、四時間でも五時間でも、納得出来る話をこちらが出来るまで、カメラを回しなさい、その上で、編集されればいいでしょう、と言ったのですが、それは一時間で大丈夫です。と、頑なにこちらの言う事は聞かず、最終日は、局に帰るから、最初の予定よりも、早く切り上げて帰ります、と言いました。私のインタビューは、その最終日の、早く切り上げて帰る日に予定されていました。そうして、結局私と清美さんのインタビューを、二時間弱で撮り上げ、取材班は一路東京を目指しました。清美さんを、彼女達と同行させず、一人で帰したのは私の判断です。その時には、今回の取材に対して、度し難い不満が、双方の間に厳然と横たわり、とても取材班の中に、疲れ切って気落ちした、清美さんをいさせる事は出来ませんでした。日本航空の方に、私から彼女の病気をお伝えして、空港で待つハイヤーの所まで、女性従業員の方の付き添いをお願いしました。何とか無事に帰れて安堵しています。清美さんは、帰京後、取材の形に納得出来ず、相手とまずメールでやり取りをしていました。すると、清美さんのインタビューを、削除する可能性を相手が伝えて来た為、話は更にこじれ、倫理の進化に共感して、ここまで来た人間のインタビューを削除するなら、ただの犬猫好きの女性の取材で終わってしまうと判断して、清美さんが、その時は放映を止める様に、申し入れました。すると相手の方は、そうなった場合には、清美さんの、チケット代や、ハイヤー代を返金する様に伝えて来たそうです。その旨確認しようと、私から昨日その相手に、携帯から２度電話し、留守電にも入れましたが、連絡ありません。私が何時間も待っている間、その相手の方は、清美さんには連絡し、話していらっしゃったんですが。これは、多分最終日、少し腹に据え兼ねた私に、頭から怒鳴りつけられてしまった為、怖くて避けているのではなかろうかと推測しています。そこで私は、ＴＢＳ本社に電話し、彼女の上役の方に電話をしましたが、生憎お留守でした。そこで、彼女の同僚の方に、一連の話をさせて頂いた上で、至急に上役の方とお話したいので、何とか今日中に電話を下さる様にお願いしましたが、とうとう電話は鳴らずじまいでした。多忙を極めておられるのだと判断します。しかし、そうした諸事情の経緯から、ここまでの事を、ブログに載せる事にしました。今日、また後で、上役の方に連絡を試みてみます。みなさん、もし、取材班が、本当に倫理の進化をメインに、私の取材をして下さるなら、周りのインタビューを受けるのは、それを全くご存じない、近隣住民の方ではなく、それを知った上で、全面賛成派ではないのに、私や子供達に、惜しまぬ努力を尽くしてくれている、私の友人達、そして、このブログを切っ掛けに、自分の目が覚めたと、有り難くも言って下さる、みなさんの方ではありませんか？そうした人達の意見を入れて、初めて今回の取材は、私の信念を中心としたものになるのではないでしょうか。私は、ＴＢＳに、そう意見したいと思います。本当なら、取材中にそう言わなければならない所でしたが、相手の方の、私の要求と余りに違う取材の仕方に憤慨し、互いにぶつかり、その折衝に忙しく、そこまで落ち着いて考える暇さえありませんでした。私は、最初の夜の撮影で高熱を出して、翌日朝から、座薬に鎮痛剤を使ってました。清美さんのフラッシュバック、私の子供の世話、それから仕事…。それを全て、座薬に発熱を下げさせながらこなし、ちょっと気を抜くと、しばらく頭が真っ白になり、物が考えられなくなる状態だった為に、こうした論理的な思考が、出来る様になったのが、昨日の話である事を、告白しておきたいと思います。どうぞご理解下さい。また、ＴＢＳが、最初の約束通り、私の意向を飲んで下さり、正しい相手のインタビューを望んだ場合、電話取材で構いませんから、私がご指名した方には、協力頂きたいとお願い申し上げます。また、それがＴＢＳに受け入れられない場合、私との、最初の約束違反と言う事で、今回の取材は消去して頂きます。清美さんの、チケット代などの返金については、私はその相手の方の、独断でおっしゃったものと心得、ＴＢＳの、見解とは考えてはいません。もしそれが、ＴＢＳの要求にもなる場合には、こちらも話し合う必要があると考えております。最後に、取材班の方々は、そうした的外れな姿勢の他には、高熱を出した私への、女性らしい、親切な心遣いも、して下さっていた事を、みなさんにもご理解して頂きたく存じます。状況が変わり次第、また、ご報告申し上げます。今回共に行動したディレクターさんには、帰京後腰痛で会社を休んでおられるとの事、一日も早く快復され、元気に歩ける様になれる様に、意見の対立を超えて、本心からお祈り申し上げます。

  2006.11.04

• 思いを貫くと言う事

  私が、初めて野良犬を拾った時、私はまだ１１歳でした。 虐待を受けていた私は、生来のアニマル好きと言う性分に加え、愛情に包まれて生きたい一心で、犬を求め、毎日毎日、神様に祈り続けました。 神社にも通いつめ、犬の絵が描かれた絵馬だけを選んで、「犬が欲しい、犬が欲しい」と書き続けました。 その数は、犬が来るまでに百枚は書きました。 ついに、念願叶って、氏神様の神社に、三本足の、柴犬の野良犬が現れました。 彼は、神社に来てから、約二週間、誰にも体を触れさせる事なく逃げ続けていました。 私が彼と出会ったのは、彼が神社に住み着いてから二週間ほど過ぎた吹雪の朝。 犬が欲しかった私は、毎日神社に行って犬を探しましたが、なかなか会えず、 やっとその朝、神社の近くに住む、友人の電話で駆け付けて、出会う事が出来たのです。 私が神社に着くと、その美しい赤毛の、三本足で歩く柴犬は、二人の子供をからかう様に、 雪の中を、ひらひらと、舞うように走っていました。 私はしばし、その光景に魅せられ…そして我に返り、犬に声を掛けました。 すると、その犬は私を振り返り… そして、こう私に表情から語りかけて来ました。 「何だ、ここにいたの。」 それから彼は、私の方に走り寄り、私の目の前で止まり、座りました。 首にはボロボロの青い首輪。 私は、いつか犬を飼えたら使おうと、お小遣いで買って、大切に持っていたリードを、その首輪に繋ぎました。 犬は、私に無事会えたと、とても喜んでいました。 これは、ちょっとした奇跡として、当時みんなに驚かれたものです。 その犬「吹雪」は、それまで、どんな人間にも、指一本触らせない犬がいるとして、その周辺の、噂の種になっていたからです。 三本足の犬だから、可哀相に思った人が、毎日神社へ行って、吹雪に食事を与えていました。 しかし、吹雪はその人にも、毛の一本すら触れさせませんでした。 吹雪が、ただ一人触らせたのは、私が初めてだったのです。 それも、彼の方からです。 私は、吹雪が神様の、化身だと理解していました。 彼は、私を救う為に現れたので、私に出会う前に、他の誰にも、捕まる訳には行かなかったのです。 そして、私は生まれて初めて、犬と生活を始めました。 しかし、それは、私と周囲の意識の違いを、浮き彫りにして行ったのです。 私が吹雪に惚れ込めば惚れ込む程、私は犬気違いと軽蔑され、 どんなに命はかけがえのないものだから、それに心を奪われる事も、大切にする事も、正しい事だと周りに言っても、全く理解はされませんでした。 彼らと生きる事は、偏見との戦いであったと思います。 私がどんなに命はかけがえのないものだと説明しても、人間はともかく、犬なんて、と全く相手にされず、 ただ、ひたすら社会から、私は否定されて生きました。 私も悩みました。これだけ多数の人が、私を間違ってると言うのなら、本当に、私の方が間違っているのかも知れない。 いっそ、多数派に寝返ってしまえば、もう、誰からも否定されずに、楽に生きられる、とも。 しかし、それでも私は、何としても、自分が間違っているとは思えなかった。 命の尊さを、固く信じ、その為なら、自分の命を投げ打つ事も辞さない強さで、彼らアニマルに、心から惹かれていたのです。 いつしか私は、誰彼となく、「命は大切だ」と、公言する事を止めました。 言われなければ分からない人間は、言っても分からないと悟ったのです。 他人を変えよう、理解してもらおう、そうした願いは、余りに傲慢だったと気付きました。 他人を、私の都合で無理に変える権利など、私にあろう筈がなかったのです。 それからは、聞きたがる人にしか、私は自分の真理を話しませんでした。 世界の中で、自分はどうあるべきかを、探し求める人達は、私の中に、何か感じるものがあるらしく、私から、自分が求める答えを引きだそうとし、私はまた、求められるものがあるなら、惜しみなくそれを与えて来ました。 自ら聞きたがる様になっていない人には、まだ、難しい事を理解する為の、心の準備は出来ていません。 その人に、自分の考えを押しつけても、言い合いになるだけです。 今の私は、自分から話すよりは、人から尋ねられるのを待ちます。 それ以外の時間は、自分の真理や信仰に即して、真面目に、我欲を除きながら生きています。 このブログの中で、思想を語る時、私はこうして、相手に話しかける対話の形式を取らず、独白の形で、文章を綴っています。 それは、誰にも私の理念を、押し付ける気持ちはないからです。 あくまでも、私の個人的な思想。 私の理想とする世界、そして、理想とする人間の在り方。 それを、静かに、時に憤りながら、私は自分で考えるままに、独白の形で綴っています。 その、私の考え方に、共感を抱く人達が現れれば、その人達は、私に何ら強制を受ける事なく、 自分の意思で、私の考え方や理念を、追及する為に食いついて来ます。 悟る事が出来るのは、始めはこうした人間達だけです。 生まれつき、道を知っている者が、生まれた後、道を求める者に、知恵を注ぎ込み、それから覚醒した者達が、道を求めず生きている者達を、強く感化し、導いて行くのです。 私は道を、犬達から教わりました。 その経過の中で学んだ全ての事は、それを知りたがり、求めて来る、全ての者達のものです。 私がここまで来れたのは、多数派の否定に、自分を見失ったりしなかった為です。 私の力の源は、アニマー魂、或いは生命に対する、崇拝そのものと言った、無上の愛でした。 私にその愛を与えたのは、他ならぬ、生まれて、生きて、死に逝く命達です。 彼らが、余りに素晴らしいから、余りに美しいから、余りに尊いから、私は、どんな時でも、自分の信仰―生命とは、この世で最も尊い―を、見失う事なく、抱き続けて来られました。 始めから、完全な人間などおりません。 あらゆる経験、あらゆる逆境（修行なるものです。）が、人間を、一つ、また一つ、成長させて行くのです。 今、アニマルを愛していても、何も出来ない、何をする力もないと、苦しむ人達。 ただ、何も出来ないと言うだけで、彼らへの愛を捨てられますか？ 無力な人間に、正義は与えられる資格はありませんか？ 始めに愛ありき、 始めに正義ありき、です。 根本がすでにある人なら、その先は、必ず伸びて行くものです。 自ら手折ってしまわない限り。 人間はまず、気持ちを外に向けず、己の中に向けたいものです。 自分が正しく生き、しっかりしていれば、周りには、何も言ったりしなくても、向こうから、気付き、関心を持って来るものです。 他人を、変えようと思わずに、自分が正しく生きて下さい。 私の持論の一つは、 「人間は、いいものは必ず真似をする」 と言うものです。 私の生き方が素晴らしいものであるなら、誰一人に、それを強制などせずとも、いずれは多くの人々が、私に倣うものと信じています。 もし、私の周囲がそうならないのなら、私の生き方は、まだまだ甘く、人に感化を呼び起こすだけのレベルに至っていないと言う事で、 ますます私は、自分に厳しく、己に苦しみを課せなくてはなりません。 私は、人に対しても、時にとても厳しい。 それは、私が導く義務のある方を、過たせる事は、したくないからです。 厳しく言うのなら、その相手に対して、絶対の愛情がなければならないと、私は思っています。 私が、みなさんに応えられる事は、決して多くはないと思います。 また、優秀な求道者は、一日で師を追い越す事もあります。 孔子が言っています。 「倫理の道に於いては、師に先んじても一向構わぬ」と。 私から、何事かを学ぼうと思って下さる方に、この言葉を捧げます。 そしてどうか、仲間が道に迷った時、私達に、その仲間を救う力があります様に。

  2006.10.28

• 慈善と偽善

  最近、私の身近な人達の間で、偽善と言う言葉が、重くのしかかっている。 慈善と偽善の見極めは、多分よほどの目利きの人間でなければ、簡単にはつけられない。 両者の行動は、その精神の対局さに反して、余りにも似ている。 慈善とは、見返りを求めない奉仕。 偽善とは、見返りを求める奉仕。 行動だけを見るなら、どちらも奉仕。 両者を分けるものは、奉仕を生み出す、心の動機。 少なくとも、これだけは言える。 自分の他者に対する奉仕が、慈善であるのか、偽善であるのか、当人だけは、必ず見極めがついている。 偽善者は、後はどれだけ、周囲をごまかせるかの戦いになる。 広島で、大変な数の、犬達が、人間の犠牲者として発見された。 それに多くの人間が、支援の呼び掛けをして、それに答えた。 その犬達の、里親譲渡会に於いて、５００人の犬に対して、３０００人の、里親希望者が、全国から集まった。 その、犬を飼う余裕を持つ全ての人達の目が、自分の地元で、明日殺される収容所の犬猫に向けられていたなら、人間はもっと思慮深く、不正を許さない存在に、なっていたのではなかろうかと、考えていたのは、私だけなのだろうか？ テレビで可哀相な犬や猫が取り上げられると、驚く程の数の人間が、里親希望の名乗りを上げるのは、有名な話である。 普段、殺される犬猫になど、さして関心を持たない人が、一気に道義的精神に目覚める訳だ。 それが悔しくて、虚しくて、やり切れなくなる。 保健所の、成犬、成猫を譲渡する会の人間などは、とてもまともな心情で、自分達が助けたい犬達の上を素通りして、テレビで有名になった被害者に群がる偽善者の群れを、見てはいられなかったのではないかと思う。 気の毒だ。 しかし、広島ドッグパークの犬達の、里親希望者の全員が、偽善者だと呼ぶ気はない。 近くの地元の方で、たまたま犬を飼いたいと考えていた方、また、愛犬を失い、その子の空けた居場所に、助けを求める犬を迎えてやりたいと、思って動いた人間もいるだろう。 納得行かないのは、わざわざ遠くの他府県から、地元で助けを求める犬を無視して、広島に駆け付ける人間達だ。 私がもし、これ程の犬猫を育てていない人間で、丁度犬と暮らそうと思っている時、 このニュースに出会ったなら、まずは動静を見守るだろう。 そして、里親が必要な犬達の数が、地元広島県や、近隣の住民の手に負い兼ねる…つまり、犬に対して、里親希望者が足りないと明らかになった時、初めて動こうと考えるだろう。 広島近辺の方達の手で、乗り越えられるなら、それは彼らに任せるべきだ。 何故なら、明日処刑を受ける犬は、全ての都道府県にいるのだから。 自分の地元の、犠牲者には目もくれず、遠路はるばる広島まで、広島近辺の方達と、里親の座を争ってまで、犬をもらいに行った人間は、悲しい事だが、私の目には、偽善者としか映らない。 そして、その人達は、自分の行為が慈善か偽善か、その区別はきっとついている。 あなた方は、純血種を買い漁り、他人に自慢をする者達同様、犬に対して、ただの犬ではない、ブランド的、付加的価値を求めている。 自分の地元に連れ帰り、散歩に連れ出す度に、周囲の人間に、 この犬は「あの」広島ドッグパークから救出された犬だと、誇らしげに言い、周囲の同情や讃辞、祝福を、犬と共に受ける度、あなたは自分が偽善者である事を、その都度痛感させられる事だろう。 それが、あなたの目を覚ます事になるとは、私には、残念ながら思えない。 誰かに顔をひっぱたかれるまで、その勘違いは続くだろう。 昨日、きよめだかさんのお気に入りブログから、たまたま私の知らなかったブログにお邪魔した。 知らずにいて恥ずかしい事であるが、そのブログは、最近、私のちび助達に、沢山の食べ者を送って下さった方のブログだった。 彼女は私に支援をなさりながら、それが偽善に過ぎないはずだと考えて、苦しんでいた。 私は最近、きよめだかさんの呼び掛けから始まって、様々な方からの支援をお受けしている。 正直な心情を告白すれば、喜びと、苦しみの両方を味わっている。 私がきっかけで、私の支援をして下さる人の内、何％かの人々を、知らずに偽善者の道に、進ませてしまっていると分かっているからだ。 その、ブログを書いた方の危惧は、正しく事実なのだ。 私が、支援をお断りしたかった理由の一つも、そこにある。 苦労をしている私の肩に乗っかって、奉仕をするのは、偽善に他ならないからだ。 どこのどなたが、私にお金を差し出して下さろうと、実際に、犬猫の世話や、零下３０度の気温の中で、苦労をするのは、私一人なのだ。 それは、私の苦労に、おんぶをした奉仕でしかない。 出来れば、どこのどなたにも、そんな卑怯な、偽善と言う真似はさせたくない。 私達を支援する事で、その人が、自己満足をしてしまい、本当に自分の足で立ち、慈善的奉仕を始めるチャンスを、私が奪ってしまったなら、 それは、私が非力である故に、世に生み出した罪である。 私はその人を、ただ、無知でいただけの人から、偽善者に貶めてしまっている。 それを極力避けたいが故に、私は本当に必要な支援を申し出た。 物資やお金よりも、人間が、他の種族と共存出来る社会を、共に作り上げて頂きたいのだと。 その理念に共感し、その社会を現実化する為に、意を決した上で、尚、自分の持てる力の中、余ったものを、私に差し出して下さるなら、それは全く偽善にはならない。 それは完全なる自己犠牲。 最上の奉仕の形である。 もし、私に支援をして下さる人の中で、私の犬猫は心配だが、断じて私の理念には、共感出来ないと思われる方は、きっぱりと、私達への支援を中止するべきであると、私は考えている。 ただ、私は、自分と違う価値観の人間を、排斥しようとは思わない。 私を現在手伝う、二人の友人は、決して私の同士ではない。 彼らはただ、私の性格や生き方に心からの好感を抱き、価値観の違いを超えて、私を助けている人達だ。 そして私は、常にその友情を、信じて頼りながら生きている。 共感に比肩するものは、違いを超えて互いを思う、友情だ。 しかし、ブログを介しただけ、或いはそれすら、ほとんど関与していない方が、私に友情を感じるなどが、可能だろうか。 私の危惧していた通りに、支援者の方に、偽善者のレッテルを、自ら貼らせて、悩ませてしまう事態になった。 予測していた事だから、こうした現実が、早めに明らかになって、私としては、返って胸を撫で下ろしている。 自分は偽善者だと、悩み始めてしまった方に聞いた頂きたい。 あなたが、人間の特権を失っても、全ての生命と、地球を守る生き方を選ぼうと訴える、私の理念に賛同して下さるなら、あなたは容易に、自分でも、間違っていると、考えている道を抜けられる。 それは、私の隣りで、家の子供の世話をする事でも、あなたが、私の様に、大勢の犬猫を抱える事でもない。 ただ、これまで人間が考えていたのとは、違う価値観があるのを知って、それを詳しく学び、世界の中で、目覚めた人間になってくれる事だけでいいのだ。 一人一人の意識が変われば、それが社会の趨勢になる。 あなたが、その貴重な人間の一人になった時、あなたの支援は最早、私の肩に背負られながら、しているものでは有り得ない。 あなたは、私と同じく、この地球の上に自分の足で立たれて、尚、余った力で私の手助けをしようとする、本物の慈善家になる。 多くの人は、人間の考えや価値観が、どこから間違っていたのかすら、分かってはいないのだと思う。 私は、出来る限りの時間を使い、それをあなた達に説明して行く。 それを理解して、私と共に、社会を変えて行って下さる事、それは、決して難しい事ではない。 同じ思いでいるのなら、この国の、どこの地方に分かれて住もうが、毎日の大半を、子供の世話に費やしたりしようが、どこの誰にでも、倫理を変える事は出来るのだ。 あなたがただ、多数派の政策から、自分の信念を守って生きて下さる事、ただ、それだけで、この世界を変えて行ける。 ただ一つ自信を持って言える事は、自分が偽善者ではないかと悩む人間に、本当の偽善者など皆無であると言う事。 それだけは、何も出来なくても、どうか信じて頂きたい。

  2006.10.26

• マコ２６１７さんの、ご要望にお答えし…

  恐れながら、若ちん画、の絵です。弟が持ってた、裕木奈江さんの写真集を見て描きました。私は、元々絵を描くのは大好きだったんですが、ちび達の世話に追われ、最近は、数年に一枚を描く程度です。絵画教室行って、油絵やパステル画を、習うのが、私のささやかな個人的な夢。但し絵を描く時って、神経が切れる寸前まで張り詰めた、緊張状態になるから、フラフラになります。(^_^;)描き上げた後の壮快感は、素人の私ですら、すっごい心地よいものですよ、マコさん♪

  2006.10.25

• 

  ゆいちゃんから、イヌホウズキさんへ

  ママの友人Ｎ君より。ゆいを、けつと間違えたただ一人の人物に対して、激励の言葉が届いています。「偉人とは、孤独としれ！！」

  2006.10.24

• 私のお名前はね

  結（けつ）ちゃんじゃないの。ゆいちゃんなの。あり得ないのなの。そんな読み間違い。昨日、ママとイヌホウズキさんが、電話で話していたらね、イヌホウズキさんが、ゆいのお名前を、けつちゃんって、読んでたって聞いて…。でも、さっき、ママの後頭部越しに、nekoさんからのコメント見たらね、ゆいの家族の、あずみちゃんの名前が、あすみになってて、手毬ちゃんの名前が、毛毬になってたもんで、あー、もう、バカは家のママなんだな！！って、ゆいちゃんは思いました（多分、猫のさんちゃんも…）。ママちゃん、子供の名前をね、書き間違えるの止めてぇ。ゆいのお名前だって、ゆいは、漢字で二文字の方がいいなって、思ったからゆったでしょぉ。でもね、イヌホウズキさんね、聞く所によると、母国語教えてる先生だとか…。ゆいは、最近、ママとテレビ見てた時、こんな時に叫ぶ言葉を、この前、野球の試合で、日ハムがリーグ優勝した時に、ヒルマン監督とゆう人が、言った言葉でお勉強しました。「３、 ２、 １、シンジラレナイ！！」ゆいちゃんの事を、けつちゃんって読んだ人、他にもいたら、もう一回絶叫します…。

  2006.10.23

• ＴＢＳの取材について

  今回、ブログにお越し頂いている方から、私の事が、テレビ局の方に話が行き、皆様すでにご存じの様に、テレビの取材を受ける事になりました。実は、前からたまに取材の話や、テレビ局や新聞社に紹介したいと言う話はあったのですが、その都度ご遠慮申し上げていました。理由は、何よりもまず、家の事が知れ渡り、捨て犬や、捨て猫を、山と寄せられるのが恐ろしくて。以前、千葉にいた時、私と子供達に、いろいろ親切にして下さった、あるアニマル愛護活動家の方がいましたが、彼女はテレビや新聞、雑誌に、積極的に出ておられた為、それを見て、無責任な人間が、何と犬や猫を、日本全国から彼女の所に押し付けたのです。ある日、いきなり航空便で、見知らぬ犬が送られて来る…。信じられない話でしょう。彼女と犬猫の苦労を見て、若い男性が、家族も自分の将来も捨て、単身住み込みで来てくれたのです。でも、その彼女と二人掛りでも、犬猫のご飯あげだけでも、朝から夜中までかかると言っていました。彼女の所にいる犬猫は、ワクチンを打ってないからって、私は世話を手伝わせてもらえなかった。家のちび達の事を、案じてくれていたんです。そんな事を見て、うわ、テレビって恐ろしいな、と思って、ずっと避けてたんです。また、私は凄く繊細な面がある人間で、テレビなどに出て、周りに自分が知られると言う事に、がんじがらめになる様な、窮屈さや、重荷しか、見出だせなかったんです。この前、清美さんにも話したんですが、自分の姿が写ってて、見られるのは鏡や写真まで。映像なんて、死んでもみたくないって(^_^;)。ビデオのムービーとかでも、撮られた事がないし、嫌！なので、テレビなんて、結構拷問です(-.-;)。しかし、自分がこの道を進む限り、いつかはこうした取材は、避けては通れぬ道だと、覚悟していました。来年には、人間が、悪法よりも、正しい良心に従う権利を求めて、犬猫を殺す義務の撤回を、国に求める裁判を起こす覚悟の私。どうあがいたって、来年までの、静かな（？）隠遁生活でした。良かれ悪しかれ、サイを振れとの、神様の判断でしょうか、計らずも、こんなに早く、その時期が来てしまいました。昔から、私の財産と言うものは、一に子供、二に本、三に車（動くやつ）四にプライバシーと言うくらい、実はプライバシーを大切にする人間でして、今回の決断も、まだ予期していなかっただけに、かなり勇気がいりました。取材班と共に、清美さんが北海道に来てくれると、本人から申し出を頂き、「それなら受ける！！」と叫んだ辺り、「若樹さんなら、きっと、アニマルの命の大切さを、社会にしっかりと訴えてくれる！」と、考えていらっしゃる皆様に告白すれば、私、張り倒されそうでございます。（何が目的なんだよってね。）しかし、正直な所、こればかりは、サイは転がしてみない事には、どう動くものか、判りません。この取材が、私や子供達にとって、凶と出るか、吉と出るか、やってみなくては分からないのです。愛護団体などは、一種の派閥争いを年中していて、私の様な、個人活動家を殊更嫌います。テレビに出れば、そうした各方面からのバッシングは、避けられないと考えています。しかし、それでも私は、自分の信念は、世に出す価値があるものと信じています。今、私に社会の舞台に臨む機会が与えられたと言う事は、それをこなせるだけの、力が私の身の内についたと、神様かどなたかが、判断されたのだと思っています。その合格サインに、全力で答えようと思っています。自分が重ねた歴史を信じて。私と同じ理想を持つ方、そして何より、犬や猫の為に、然るべき訴えを、世間に向けてしなければなりません。頑張りますので、待っていて下さい。それから、今回のテレビ出演に伴いまして、捨て犬や猫の、大量押し付けをなるべく避ける為、私のブログのプロフィールから、私書箱（郵便局）や、日記に掲載した地名を、念のため削除したいと思っています。明日の休みの夜にでも、取り掛かるつもりですので、どうぞご了承下さい。それから、私の管轄の、役場関係についてですが、担当の方達とは、比較的協力的な関係を、私は結べています。もちろん立場の違いから、互いに譲れぬ一線はありますが、そうした部分を、話し合いによって、打開して行こうと、互いに努力しています。実際、今の担当の方達は、それ以前の担当よりは、数倍まともな方達で、私が助けられている事も、多々あります。どうか皆様、それをご理解頂き、彼らへの対応は、私の手を超えるものになるまでは、私自身に任せて頂きたく存じます。また、冬期間の除雪についてですが、町自体も、借金だらけで予算はありませんし、わざわざ私の為に、除雪に入って頂くのは、無理な願いと心得ています。冬期間、私自身は、道路に止めた車まで、片道一時間弱、スキーで通って構わないんですが、犬達の、食料を運ぶために、スノーモービルか、馬を飼って、馬橇を用いるかをしなければなりません。どちらも非現実的ですが、来月中には、決断したいと思っています。出来れば、ちび達のメシくらい、自分達で橇を引かせて運ばせたい所ですが、生まれてこの方、首輪すら嵌められた事がない連中。あの野性児に、橇を引かせる特訓をする時間は、私の毎日の中で、五分足りともありません。だったら、ばんばで重荷を引いた、お馬さんに頼んだ方が、よほど正しい判断だと思います。それについては、私の考えなければならない事なので、皆様は、余り心配されませんよう…（無理かな）。とにもかくにも、そうした感情を抱え、あの、我が家の地獄の番犬ケルベロス共と、皆様のテレビにお邪魔致します。私が、あんまり子供達に、酷い扱いを受けていると分かって下さった方は、遠慮なく、アムネスティインターナショナル（世界人権擁護団体）に告発して下さい。その場合には、「若樹さんを救え チャリティーイベント」で、家のちび達に向けて、政治的な歌や、反戦歌、平和を求める歌などを、歌って下さってようございます。やっと、子供に虐げられた私の真実の姿が、世間の皆様の知る所となるのですね。神様有り難う！ちなみに、私、自分の出演したテレビは、多分見ませんから、それに関するコメントが、適当になっても、ご容赦下さいませ。m(_ _)m本日二回目の更新です。清美さんが、風邪で高熱を出して寝込んでいます。詳しくは、一つ前のブログをご覧下さい。最後に私信になりますが、neko様、今日、お米と乾電池を頂きました。有り難いお心遣いに心から感謝致します。昨日、お礼のお手紙は送ったのですが、改めて、お礼を申したいと思います。本当に有り難うございます。心配をさせてしまって、申し訳ありませんでした。皆様への感謝と共に。そして何よりも、清美さんへの感謝を込めて。

  2006.10.21

• きよめだかさん、風邪で高熱です。

  昨日から、熱はあったんですが、今、かなり高いのです。本人の了解なく、先にお断りしてしまいますが、清美さんの彼も、風邪で体調を崩されていますから、「彼に見てもらって～！」と言うのは不可能なので(^_^;)ご了承下さい。清美さん、お薬はちゃんとあるそうですから、ゆっくり休んでもらおうと思っています。（ニコママのミネストローネ、今日届いたら有り難いな）栄養ある食事が取れるかどうかは、皆様同様、私も心配な所。しかし、まずは休養第一ですから、ここ数日の間は、清美さんへの電話やメールは、控え目にお願い出来たら幸いです。彼女がどうしても心配な方で、私のアドレスをご存じの方は、私にメールを下さいね。パソコンは、明日までは触る時間がありませんので悪しからず。ここ最近、毎日お店に、支援を下さる、ブログを介して出来た、お友達々からの、心の籠った品々が届けられています。送って下さった方達に、私なりのお気持ちとして、数枚の手紙に、子供の写真を添えて、礼状とさせて頂いています。写真のプリントが、なかなか出来るタイミングがなくて、少し遅れ気味ですが、ご容赦下さいませ。嬉しい気持ちを、少しでも早く伝えたくて、気持ちばかりが焦ります。これは、本当に幸せな焦燥感です。皆様からの支援金は、清美さんに管理を一任させて頂いております。私が多忙の為、彼女はリストを作り、私の落ち着く頃合を見て渡すと言ってくれています。お店に届いた荷物の送り主様達には、少々かかっても、私から礼状を届けておりますが、ｅバンクに支援金を入れて下さった方々は、私の時間不足の為、把握に時間を下さいます様、お願い申し上げます。本当にご迷惑をかけております。心からお礼を申し上げます。また、後ほど、テレビの取材について、ブログを更新したいと思います。まずは、清美さんの体調不良をお知らせして、私から、皆様への感謝の気持ちを、先に述べさせて頂きたいと思いました。（何しろ、清美さんに任せっ放しだったから、バカ樹は現在、海より深く反省しておりますm(_ _)m）

  2006.10.21

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  ルシャの番屋

  知床にある、漁師さん達の番屋。私がそれを知ったのは、一昨年の１２月に、北海道新聞を見てからだった。世界遺産になろうとしている知床を、数回の連載によって、取材していた。その、確か第二回に、知床にある、「ルシャの番屋」と言う記事が掲載されていた。その記事に付けられた写真は、漁の為に、網を手入れする漁師の側を、ヒグマが悠然と通っているものだった。漁師は、顔すらあげていない。両者が、互いを認め合い、その中で、自分の生き方を見出だしている姿が、そこにはあった。記事を読むと、ルシャの番屋では、ヒグマを銃などで排除せず、共存に基本を置いていると言う。何故なら、知床にはヒグマが相当数暮らしていて、排除していたらキリがない。ならば、相手の習性を学び、安全に、両者が存在出来る道を探そう、そういう結論に、数十年前に落ち着き、それをずっと、貫いて来ているのである。この、生命に対する姿勢は、私の理想と完全に一致し、私はこの番屋に、限り無い可能性を見出だした。私は、まず、犬達が縛られたり、柵に囲われる生き方を変えさせたい。犬を育てる人間なら、きっと誰でも、犬は人間に繋がれず、自由に歩く事を、何より願っている事を、知っているはずである。それは、生命として、当然の望みであり、この上なく、気の毒なくらいに、欲の無い希望だ。そんな憐れな願いさえ、多くの人間は、聞くつもりすらない。犬達が、世界を寄越せと言っている訳でもあるまいに、地球に生まれた先住生命が、自分の意思で動く事さえ、許容出来ない人類達。私はよく知人、友人から、「宇宙人」みたいだと言われてしまう。何故か？自然を愛し、アニマルの言葉を聞き、自分を生かし給える生命に、あらゆる差別が加えられる事を、許せないでいるだけだ。宇宙人。そうだろうか？私から見て宇宙人とは、他の一般の人間達の事だ。自然を破壊し、同じ星の姉兄を虐げ、搾取し、殺戮する。こんな事が、真実地球人の行いだろうか？地球の摂理に添って生きる、私は普通の地球人だし、人間だ。この星に生まれながら、この星の在り方に添う事が出来ない人間は、凡そ地球人の名に相応しくない。地球人らしく、この星の人間には、生きて欲しいと願っているし、そうする事が、他の生命が、人間の「苛め」から逃れられる為の、唯一の道でもある。 犬が自由に歩く社会で、人間は生きられないと思い込んでいる現代人に、それは無知な故の誤りだと、ヒグマとさえ共存出来ている人間がいる事を、見せられるなら、それが最高の、証拠になるはずだ。 ルシャの番屋は、知床半島の左側、ウトロにある。私は、半島の反対側にある、羅臼の漁師に知り合いがいた。久しぶりにあった、その知人に相談し、何とかルシャの番屋に行って、ヒグマに会えないまでも、ヒグマと共存している人間の証言が得たいと、頼み込んでみた。すると、彼は瞬く間に渡りをつけ、それは、ルシャの番屋の船頭さんと、とても関係のある方らしく、その人からの話しなら、と、ルシャの番屋から、訪問について、快諾を頂いた。夜中、出向する漁船に乗って、その場所まで連れて行ってくれると言う事になった。番屋は、知床半島の先にあり、道はあれども、一般の人間は、許可なしには通れないらしい。午前三時、ウトロの漁港で、私と友人は、知床丸に乗せて頂いた。時は去年の六月。夜明け前のオホーツク海。初めて海から眺める、知床連山に見送られ、近くを飛び跳ねる、イルカの群れに伴走されながら、私達は、海から回り込み、遂にルシャの番屋へと到着した。「ルシャ」とは、川の名前。ルシャの番屋とは、この川から名付けられている。小さな港に、漁船から、ボートで運んで頂くと、初老の、小柄で、しかし肉付きのいい、温和な顔立ちの男性が、私達を迎えてくれた。その方が、「大瀬さん」とおっしゃり、この、ルシャの番屋の船頭さんである。ヒグマに会いに来たの、と、優しく尋ねられる。会いたくても、会えるって限らないよ、最近も、外国のテレビ局が取材に来たけど、会えるまで、何日かかかったからね。そう切り出され、私は、ヒグマより、むしろヒグマと共存を決断した、大瀬さんの話しを聞きたくて、ここにお邪魔をしてしまった旨を伝えた。すると、少し意外そうな顔を見せた後、じゃあ昼休みに、話しをしよう、それまでは、車を貸してあげるから、そこら辺を周って、ヒグマでも探しておいで、と言う事になった。感謝して、車に乗り込み、ヒグマの生息地に入って行く。実はこの時点で、私は全く、その日ヒグマに会う事など、期待してはいなかった。野生の子など、会いたいからと言って、会えるものではないし、また、ヒグマなら、実は自分の家の裏で、一度ばったり出会った事もある。あくまでも、大瀬さんの話しさえ聞ければ十分だと考えていた。前夜からバイトの為、一睡もしていなかった私は、車で仮眠を始めていた。だから、朝の七時頃、五つ年上の男友達が、寝ている私を起こし、若干取り乱しながら、「くましゃん、くましゃん」と教えに来た時は、逆に意外で驚いてしまった。あんたね、その年で、くましゃんはないだろうと笑いながら、海岸にいると言う、ヒグマの姿を求めて走った。よく晴れた朝、澄んだ空の青を、そのまま映したかの様な、オホーツクの海を背景にして、金栗毛のヒグマが一人、玉石だらけの海岸で、食べ者を求めて歩いていた。ここのヒグマは、他で暮らすヒグマよりも、人間に免疫がある。危険は、私達の行動が、度を超えなければさしてない。私達が見下ろす形になって、人間に御す事の出来ない、人間以上の力を誇る、キムンカムイとアイヌ人に呼ばれた、里山の神に魅入られていた。 私達の視線に気付き、カムイがしばしこちらを見る。互いの魂が、目に見えて触れ合う。誰？私です。何がしたくて？いえ、あなたを見ながらいたいだけ。触れ合う魂が、まるで会話する様に語り合う。ヒグマが私の存在を許し、私を受け入れたまま、生きる為の、自分の仕事にまた戻る。海岸線を、歩いて行く。引き寄せられる様に、友人が後を追う。その追い方に、礼儀がなくなってしまっていたから、私が友人を制して、ヒグマを追うのを止めさせる。自分がヒグマだったら、人間に追い続けられて、不安にならないのかと説いて。そして気がつけば、私達は、海岸に面した山や川、あちこちに散らばるヒグマ達に囲まれていた。一歳くらいの兄弟のヒグマが、二人で子犬の様にじゃれ合っていた。他のヒグマは、みな、食事に精を出している。どのヒグマ達も、私達がいるのに気付いている。しかし、誰も特別気を払う訳でもない。ヒグマにとって、人間はこの世界の一部であり、存在していて、当然の者達だった。私達を威嚇せず、排斥せず、同じ地域に、異なる社会を作って暮らしている。ほら、どうだ、と私は思った。ヒグマとだって、人間は排斥し合わずに共存出来る。誰にも、犬を自由にするのが無茶だなどとは言わせない。その証明欲しさに、私はここまで来て、カムイ達は、私に望み以上のものを与えてくれた。彼らの中に、私を置いてくれたのだ。カラスが空を飛ぶ様に、狐が森から顔を覗かせる様に、私を危険に晒す事なく、ヒグマ達はそこにいた。昼休みになり、ヒグマ達に囲まれながら、大瀬さんと話しをした。ヒグマと暮らす為に、注意している事や、彼らの生態。彼は、近くに住むヒグマの事を、全て見分けて知っている。漁師よりも、生態学者に相応しい程の知識。知らないからこそ、人は恐れる。知る事は、我々の間に、橋を架ける事に等しい。ヒグマは雑食で、肉食アニマルではない。全てのヒグマが、人間を襲って食らうと信じているなら、それは中世並みの、迷信だ。ヒグマは、人が思うよりも、人を好む種族なのだ。彼らも、人間と事を構えるのは好まない。何が、相手に、自分への警戒を生ませてしまうか、それを知っていれば、人間は、ヒグマと道を、すれ違う事だって可能なのだ。犬達だって同じ事だ。人間は、彼らを隔離して、距離を持ってしまった為に、本当の犬の姿を見失ってしまった。無知になったが為に、人間は、犬に恐怖を抱く様になった。本当の犬は、人間を決して襲ったりはしない。人間に噛み付くのは、繋がれるストレスで、正常な精神をなくした犬以外には、通常いない。犬は、自由にすればする程、人間にとって、安全な生き者になる。私達は犬を繋ぎ、牙を持つ者に、自ら人間を憎む様に、彼らをどんどん仕向けている。何が危険で、何が危険ではないのか。それを知る為には、恐怖に打ち勝ち、相手との境界線を、自ら超える勇気がいる。そこから理解が誕生する。初めて、付き合い方を学べるのだ。私の家に来て、犬嫌いを直した友人が二人いる。二人とも、子供の頃に、犬に噛まれた経験があった。家の子達は、繋がれていない。オテもオスワリも、訓練されていない。客人に接するのも、凡そ本人の勝手に任される。私は子供を見張らないから、友人は、自分の力で、犬と向き合わなくてはならない。恐怖で震えている。私は放っておく。犬が危険ではないからだ。友人は、自分の恐怖が育て偏見と、正面から対峙しなければならない。私の犬達が、私の命令など聞くはずもないのを知っている。私は、犬の理性に、人間との付き合い方は、任せているからだ。怖がる友人を、励ます様に犬が構い、それが、友人の心に勇気や、安心を生み付ける。犬が、友人の恐怖を払う様にじゃれついて行く。まるで、自分を虐げた者から、和解を申し出られた様な顔をして、喜こびに顔を崩しながら、友人が犬に手を伸ばす。私は離れた所から、黙ってその光景を見る。犬の真実の姿を知って、友人が、偏見から解き放たれた、瞬間を。一つ、深い世界を知る事になった友人を。真実の犬、真実のヒグマ。私達の、恐怖が作った想像とは、全く違うこれらの生き者。日が暮れて、ルシャの番屋と別れる頃に、最初に出会った金栗毛のヒグマが、私の前に、急に現れた。どこか、遊びたそうな気持ちが伝わって来る。まだ、年若いカムイ。私達は、同じ道を通った。排斥し合う事なく、争い合う事なく、それは、礼儀が支配する道だった。 注・ヒグマの写真は、携帯カメラからですから、実際よりも遠く写っています。また、ルシャの番屋は、本来漁場ですから、環境保護論者の来訪は、彼らの仕事の妨げになる為、簡単に伺う事は出来ません。どうぞご了承下さい。

  2006.10.17

• コメントへのお礼

  私の拙いブログを見て、お忙しい時間をおして、コメント下さる皆様に、心からの感謝を申し上げます。ご存じの通り私は、平日は、朝から夜中まで子供の世話と、仕事を抱え、パソコンは、休日の日曜日の、夜くらいしか開けません。せっかく頂いたコメントに、すぐにお返事をしたい所なのですが、携帯からでは、皆様のコメントを読みながらの返信が出来ない為、満足な返信が出来ません。ここ少し、仕事が暇になっている為、ブログは仕事の待機時間を利用して、携帯から更新しております。頂いたコメントに、返信もせずに、ブログの更新などは、無礼な事と心得ております。しかし、私には、常に時間が不足している為、使える時間は、体を休めるなり、倫理の進化を促進するなり、少しでも有効に使いたいと思っております。そこで、コメントのお返事より先に、ブログの更新をする事を、コメント下さる皆様に、お許し願えるよう、お願い致します。皆様のコメントは、時間を持って、丁寧にお返ししたいと思っております。有玲人さん、あなたの考えを、教えて下さって、とても喜んでいます。私へのコメントは、型に囚われず、自由に、思いつくまま、書き込んで下さい。それが私の願いです。皆様、いつもコメントを、本当に有り難うございます。これとて、何にも変えがたい、私への強力な支援の力です。

  2006.10.17

• 結の笑顔

  地球の土と水ってすごいよね。こんな可愛らしい生命を、作る事が、出来るなんて。

  2006.10.16

• 雛達が求める支援とは

  この前、私が一時ですが、心身共に、限界にやられ、心が生死の狭間を彷徨った事、それをうっかり、このブログで告白してしまい、多くの人々に、心配やご迷惑をお掛け致しました事、ただ、ただ、深く恥じ入る次第です。私の様に、山の様な子供を一人で抱えた人間が、追い詰められていると口にしてしまえば、それを聞かれた方々は、いかに心配される事でしょう。多数の犬猫を抱える、個人活動家として、己の立場を一瞬見失い、人様に、いい大人が、食事の心配までさせるとは、全く面目もございません。しかし、どれ程己を恥じても、告白してしまった事実は最早打ち消せず、この愚か者を救わんと、すでに多方向で人様が動き出されている辺り、今更遠慮が、何の足しになるだろうと、きよめだかさんにも諭されて、今回については、最小限のご支援だけは、有り難く、お受けさせて頂く事と、致しました。本来、私のブログは、タイトル通り、「倫理の進化」を目指すもので、私の犬猫保護状況や、里親探しのブログではないし、言わんや己の、吐き出しブログではない為、こういった事に用いるつもりは毛頭なく、子供達の写真も、一切掲載の考えはありませんでした。しかし、支援下さる方が、我々の姿形さえご存じないとは、無礼の極み。これからは、少しづつでも、写真を掲載して行こうかと考えております。ただ、多数の犬達を保護している上、余りこちらの情報をネットの中で、呈示してしまうと、またしても捨て犬猫などが、沢山来る危険もあります。そういう兆候を感じた場合、速やかに、子供達の写真は、ブログから回収させて頂きたいと存じます。どうぞご了承下さいませ。また、私のパソコンオンチは、当初から見て頂いている方達には、周知の事実。デジカメが、あるにはありますが、撮影したデータを、パソコンに入れる術がよく分かりません。その上、ブログに写真を持って来るなど、私には想像もつかない神業故、当面は、携帯カメラから撮った写真を、メールにて更新する際に、添付するだけが何とか可能な掲載の仕方です。写りの悪さは、ご容赦下さい。雛の写真につきまして、私の説明不足で、皆様に、少々誤解をさせてしまった節がございます。テストとして、初めて掲載してみた、愛娘の写真は、彼女が亡くなった時のものではなく、私が、近所の苦情に負けず、雛を自由にしてあげていた時の写真なのです。真冬以外、我が家の玄関は開け放しておりますから、好きな時に帰宅して、自由にしている子供は家に入ってくつろぎます。雛の寝姿は、そんな、彼女が幸せだった頃に撮影したものです。雛は、先々月に亡くなりました。新たな引っ越し先が、決まった矢先の事でした。脱走して、数日家を空け、元気に帰宅した所、私に捕まって、嫌がるのを、ごめんね、ごめんねと、無理に柵の中にいれた結果、翌朝の自殺を迎えてしまいました。犬は、自殺を致します。以前、北海道に越して来る時、私が東京で働いていたクラブのママから、犬を引き取って欲しいと言われ、相手の事情が事情でしたから、引き取る事にしました。グーフィーと言う名前の男の子は、飛行機で、単身北海道に送られ、迎えた所、二日間は、何とか元気でいてくれましたが、三日目の朝、心臓が急停止致しました。獣医に飛んで連れて行くと、捨てられた事に立ち直れなかった、犬の自殺だと診断されました。たった二日とは言え、家の子供達と仲良くなり、みんなと一緒に、ノーリードで、お散歩も楽しんでくれていたのに…。雛に至っても、もう、柵の中で生きたくないが故の、当人の決断だったのだと理解しております。健康状態は申し分なく、年齢も、十歳で、まだまだ元気でした。しかし、柵の中を、何より嫌った子供の一人です。今、皆様から我々は、支援を頂こうとしております…。既に集まっている支援金で、きよめだかさんが、網を発注して下さっております。でも、そうした好意をお受けするに辺り、私共の意見にも、多少なりと、耳を貸して頂きたく存じます。私共は、確かに皆様の支援や、協力を、必要としております。しかし、それは本当は、柵を作る為の支援ではございません。柵のない社会を、犬も人も、あらゆるものが共存出来る、社会を作る為の、支援なのです。毎日逃げる子供を捕まえながら、私は、この子達が出れなくなる様な、頑丈な柵が欲しいだなどとは、本当は、一度も思った事はございません。この子達が、安心して外を歩ける社会であるなら、こんな苦労を、子供も私も、せずに済むのに、と思います。人間の勘違いは、非常に根深く、アニマルを愛する方達ですら、自分の中に自然に持っている、差別意識に気付きません。犬を愛する人々ですら、ほとんどの方が、犬は繋ぐか柵で囲って飼うものだと思っていらっしゃいます。誤りです。なんぴとたりとも、己の自由を奪われる義務などありません。例外があるなら、故意に他人を傷つける意思のある、病的な犯罪者のみでしょう。犬も猫も、自由であるべきですし、人間には、それを理解する義務がございます。柵も、鎖もない、解放された世の中で、我々は、共生の道を、実践して行かねばなりません。昨今、「共生」が一つの精神的テーマとなり、あちこちで、その思想が声高に唱われています。しかし、アニマルとの共生を説く、全てのものは、実際には、人間と、直接同地域で居住する事の少ない、野生アニマに限られているのです。人間と、全く重なる世界で暮らす犬や猫との共生は、多くの文明国家では、頭から無視されています。しかし、犬は、人間と最長の歴史を共有する、地球に於ける全ての種の中で、最も人間と親しい付き合いを維持して来た種族です。この種族とすら、正しく共生出来ないままで、真実、我々は、どんな種族と共存出来ると言うのでしょう。犬一種族、自由に人間と共存させられず、相手を身勝手な法律で虐待し、閉じ込め、「アパルトヘイト―隔離政策」の犠牲としていて、その事実は見て見ぬ振りをし、世界中の生き者との共生を訴える、人間の意識の薄っぺらさは、紙さえ及びません。犬と共生すら出来ず、どんな生命と、人は共生が可能でしょうか。共生とは、双方が、共に自由に、対等な条件で生きる状態の事を言います。共生とは、全ての存在の間から、互いを隔てる「柵」を外す事を意味しているのです。後日、ブログに写真付きでアップしますが、北海道は知床に、ヒグマと共生している、番屋さんがあります。そこでは人間とヒグマが、人間と野良犬ほどの近さで、共に暮らしているのです。私も、犬と人間が共生出来る証しとして、ヒグマと共生している人達を、実際に拝見する為、その番屋に、お邪魔した事があります。周り中にヒグマがおりました。しかし、彼らは私達には構わず、お互いの存在を認めた上で、それぞれ自分の生活を、営んでいるのです。知床、ルシャの番屋を仕切る大瀬さん達は、人間には、もう一つの道がある事を、この世界で証明しています。皆様、私達に対する、本当のご支援とは、柵のない世の中を作る事でございます。ただ、外を自由に歩きたいだけの者が、それをしたが為に、殺される社会を、変える事にこそ、どうぞご助力下さいませ。当面の柵作りは、それまでの、一時凌ぎと、支援を下さる方全員に、心得て頂きたいと願うのは、私の行き過ぎた態度でありましょうか？雛達が、柵の中で暮らすのは、犬であるから当然と考える方のご支援は、私達の幸福に、一かけらの貢献もして下さらない事を、私は告白しておきたく存じます。あくまでも、柵は一時凌ぎとし、彼らに我慢させている間に、共に柵のない社会を作ろうと、その姿勢のみが、真実、私と子供達を、そして全ての犬猫を含めた生命を、救う事になるのです。最後に、有り難くも支援して下さる皆様に、私や子供達は、過酷な状態で生きていようとも、決して皆様が心配なさる程不幸ではなく、毎日毎日を、とても楽しく、幸せに生きております事を、お伝えしておきたいと思います。それは、今も昔も、どれ程辛い時でも、変わらぬ真実です。何故なら、私共家族には、とても強い愛の絆があります。その愛に溢れた毎日が、どんなに辛く、過酷な最中でも、私達の心から、決して幸福を奪わさせたりはしないのです。貧しさも、寒さも、体の疲れも、何を持って、私の人生にかかろうと、我々の生活から、幸せだけは、奪えた事はありません。ですから、私達の毎日は、笑顔に溢れております。今日の写真のモデルは結ちゃん。昨年三月に他界しました。この、娘の笑顔は、私が人生で、最も過酷を極めた間に撮られたもので、その逆境さえ、私達の心から、幸せや喜びを奪えなかった、この上もない、証しなのです。

  2006.10.16

• 再テスト

  天国で、夢みてる、私の雛ちゃん！！ママと一緒にいる、夢も見てくれているの？人間に言いなさい。雛、柵の中で暮らすのいやで、死んで自由になったんだよって・・・。前日まで、お前脱走して自由に走りまわって、ママが柵に戻したら、翌朝亡くなっていたのよね・・。もう、柵に閉じ込められて暮らすの、死ぬよりいやだったんだよね・・・。雛ちゃん、自由を何より愛してた・・・。幸せな寝顔。だってこの時、雛ちゃん、柵から出て、自由の中で、眠っていたんだもんね・・・。

  2006.10.15

• ご支援に対しての、ご遠慮のお断りを申し上げます。

  まず、きよめだかさん、ブログにアップしてくれて、私を救おうとしてくれて有り難う。あなたに、大変心配をさせてしまいました。でも、やはりあなたは、こんな時でも、人の為なら病気を跳ね除ける強さがある。それを目の当たりにして、うれしくって、たまりませんでした！！そして、皆様、私は確かに、大勢の子供を抱えて、苦労はしております。しかし自分には、その苦労を、克服する強さがあると、信じています。私も、普通の人間です。いい時もあれば、悪い時もあり、弱音がうっかり、口をついて出る時もございます。しかし、そうした弱音は、本来ごく親しい方だけに漏らし、こうした公共の場で、文字にするべき事ではございませんでした。事情が事情である為に、私達の現状に、心優しい方達が、過敏に心配なさるのは、考えるまでもなかった事で、今更ながら、自分の立場を心得ぬ、うかつさに、深く恥じ入っている次第です。私達は、確かに大変な状況で生きておりますが、有り難い事に、私は大病をしている訳ではなく、仕事も保障され、貧しくとも、子供達と、生きるのに不都合はありません。いえ、皆様方の、生活基準から言えば、底辺の底かも知れませんが、上を見れば、贅沢にキリはございません。私は、富める時でも清貧を心掛ける人間ですから、この貧しさに、何の不満もございません。お陰様で、我が家の子供達も、必要なだけの食事は、与えてあげれております。皆様のお気持ちは、大変有り難い事ではございますが、当方と致しましては、身に余るご支援のほどは、ご遠慮致したい所存でございます。痩せても枯れても、我が子達には、私と言う母親がおります。しかし、広島ドッグパークの犠牲者達には、今だ親と呼べる者はございません。どうか私の子供達よりも、彼らへの支援、また、里親としての申し出を、お願い致したいと存じます。今回、私の感情的な日記により、友人を始め、皆様方に、大変ご心配を掛けてしまった事を、深くお詫び致します。ご好意のほど、言葉に尽くせぬ喜びを賜りました。今後とも、子供に右往左往をさせられながら、時に怒り、時に泣き、そして変わらぬ愛を注ぎつつ、母親として頑張って行く所存です。皆様、どうも有り難うございました。また、一日も早い共生が、この地上で成し遂げられる為、これからも、お時間がございましたら、拙いブログに、どうぞお付き合いを下さいませ。

  2006.10.11

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