飛騨の社労士　矢島社労士事務所

（思いつくままの駄文を書き綴ってみました…お読み苦しい点はご容赦のほど）

少し前、今年の春、就職先が決まらずに卒業した学生が多かったことを報じていた。

恐らくは今年も、いやギリシアに端を発した問題でそれ以上の率にふくらむかも知れない。

こうした報道を見て思ったのは、学生の採用を手控えた企業側の本音を伝えていないこと。

採用を手控えた表向きの理由は、景気だと答えるだろうが、

本当に景気だけを理由にして採用を手控えたのか、

報道は本当の理由や企業ごとに存在する様々な理由を掘り出すという本来の役目を

果たしていないような気がする。


確かに採用数減少の一番の理由は、昨今の不景気かもしれないが、

日本の経済界が必要としている労働者数を想定すれば、

高校や大学を卒業する学生数では足りないことは間違いないと思う。


それでは何故企業が必要な労働者数を新卒採用でまかなおうとしていないのか。

一つには、学生の就職に対する思いと採用したいと思う企業が違っていること。

学生の好む業種と若者を欲しいと思っている業種の違いはかなりの数になると思う。

しかし、数の上では決して多くはないかとは思うのですが、かなりの数の企業が、

今の新卒学生を採用して教育して育て上げるまでの苦労を避けていることがあるように思う。

採用後苦労して育てても、早々と転職したり職場に残っても力を発揮しないことが多くては

企業が次第に新卒採用だけという路線を変えたくなるのも無理もないことだと思う。


私の子供を含めて、最近の子供は平均してみると勉強をしようとしない。

更に年長者から指示されたことよりも、友人との付き合いや自分の興味を優先している。

それが悪いことかという判断はさておき、そんな子供らを採用し教育し戦力化を図る企業は、

果たしてそれだけの苦労を戦略上必要なものと腹をくくっていけるのだろうか。


(ブログの枠内では、詳しく書ききれないので結論だけ述べたいが、)

私は、中学校と高校でもう少し自主的に勉強する習慣を身に付けさせることが必要だと思う。

将来、やりたいことをやれるだけの基礎学力や自主的な向学心、その意欲を習得するのは、

この時期を逃しては存在しないと思う。

ある優秀なドクターが話をしてくれたが、彼曰く「一番勉強したのは、中学と高校だった」

医師になるために入学した医学部では、それほど勉強したという記憶はないと言う。

また、私を含めた大半の社労士は、社労士を目指して中学、高校、大学と勉強を積み重ね

今に至ったという経験を持っていないと思う。

親の仕事を継いだ人を除けば、社会に出て、何かしらの理由から改めて勉強の必要性を感じ、

会社勤めの傍らか職を断って勉強に時間を掛けて資格を取得した人が大半だと思う。

私の経験から申上げれば、高校や大学を目指して勉強してきた中学校や高校時代の経験が

あったればこそ、数パーセントの合格率の試験に立ち向かう勇気が持てたのだと思う。


中学高校のカリキュラムが“ゆとり”という方針に切り替わったことが原因かもしれないが、

そんな犯人を今更探し出すことは、大した意味を持たないと思う。

今は現状を反省材料とし、方針転換を図るべき時にきているように思う。


こう書くと、先輩諸兄からは「私たちも大して勉強なんかしなかったよ」と言われるかも

知れないが、企業の採用担当経験を持つ私は、「それでも今の子と比べれば…」と答えたい。


昔に比べれば今の子供は塾通いの割合は多いと思うが、

そうすることが、その後の向学心を涵養することにはなっていないと思うのです。

【勉強することで今の自分を、より力のある人間に変えて行きたいと思っている若者】

そういう若者に、私は最近ほとんど巡り合うことがないのです。