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テーマ:闘病日記(4028)
カテゴリ:父のこと
アスファルトのムンとした熱気が 息をするのも阻むくらいの暑さ 野球バカ息子は二軍の練習試合で 県内強豪校といわれている高校まで 早朝より出掛けていた 出られるかどうかもわからない それでも久々の試合に 嬉しそうに出掛けて行った 夕方、迎えに学校まで行くと 車に乗るなり、 やったで スリーベース打ったで じいちゃんのバットでやっと打てた じいちゃんが打たせてくれた 気持ちよかったわ 一人でベラベラと喋り続ける いつもは年頃なのか めっきり親と話すことを 避けているくせに 今日は相槌を打つ間もないほど 話し続ける じいちゃんが元気なうちに 見せたかったなぁ じいちゃん、見にきてたかなぁ そして、仏壇のじいちゃんに 報告してくれと母に電話を入れた 運転しながら自然と笑顔になる 素直な性格が幼く見えて 単純なところは小さな時から 全然変わってないなぁと 相好を崩す じいちゃんに見せたかった しばらくすると 鼻を啜っているのが 聞こえた 後ろを振り向かず まっすぐ前を見て運転を続けたが 多分、泣いていたんだと思う なんでじいちゃんが元気なうちに 見せる事ができなかったんだろ そんな声が聞こえてきた ホントだねぇ 見せてあげたっかったね と答えてみたが 涙が出そうになった 16日に四十九日法要を行ない 納骨が終った 父が居ないだけで 随分と広く感じられる実家 いまだに何がなんだかわからない 死んだらどうなるのと まだ考えてしまう 父はどこに行ってしまったの ずっと闘病生活を見てきたのに そして最期も看取ったはずなのに なぜこんな事を考えているのかさえ わからずにいる 意識的に拒否しているのか 本当にわからない 明日、お墓参りに行きたい 連れて行ってくれ 突然、息子が言い出した どうしても行きたい じいちゃんに会いたい じいちゃんに会いたい お父さん こんなバカ息子だからこそ お父さんはこの子のこと かわいかったんだね なんとなくわかる気がする そうだね 母さんもじいちゃんに会いたいよ 明日、会いに行こうか お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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