富士の麓便り

遊びをせんとや生まれけむ
戯れせんとや生まれけん　　　梁塵秘抄より



カヌーに乗ろうと本栖湖に行ったのに
風が強くて乗れなかった。

仕方なく、本栖湖にある川尻金山跡というのを探して
川尻キャンプ場の奥をぶらぶらとほっつき歩いた。
この辺り「本栖の森計画」とかでかなり整備されている。
目が・_・になるくらい。
こんなふうになってるとは全然知らなかった。

金山というからには
やっぱり金が見つかっちゃったりして…と
淡い期待をどうしても抱いてしまう。
でも金山跡というのはどこかわからず
あきらめて石がごろごろする湖岸に戻って来た。
そこで（残念ながら金ではないけど）
自分がよしと思う気に入った石を探してぶらぶらする。

ぶらぶらするのは私たちだけではないようで
鹿や大きめの鳥や獣の足跡が
湖岸の砂地にいくつも残っている。

しばし無心に探す。
これにしようか…うわっ重い　ダメだわ…
うーん…こっちがいいかな。
ぶつぶつ言いながらふと我にかえりつれあいを見ると
シビアな選択をしているのか
さっきまで2～3個持ってた石をすべて捨てて
少し大きめの緑色っぽい石（重ねて言うが金ではない）を
大事そうに抱えている上に、目はまだ真剣に石を探している。

小一時間も寒風に吹かれながら
無心に遊べる自分達が
なんだか可笑しくなってくすくすと笑った。


五千円札の富士山には、なぞがいっぱい！