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カテゴリ:環境
熊本学園大学水俣学研究センターが主催する公開セミナーに行って来ました。
講師は、元京都大学原子核工学科講師で電磁波環境研究所所長の、荻野 晃也 さんです。 演題は、「福島原発で起きていること~放射能汚染と付き合う社会の到来」。 専門的なことは愚生ごときにはなかなか理解できませんが、このセミナーに行って分かったことというのは・・・・「やはり正確な情報は出ていないらしい」・・・ということです。そしてさらに、「原発周辺がどれほど危険な状態になっているか」ということです。 情報が出ていない、あるいは隠されているというのは、「エリートパニック」の状態になっていると言えます。「こんな情報を流してしまったら、国民はパニックになるのではないか」、あるいは「我々が責任追及されるのではないか」というような不安を持つことで情報の操作を行なっているのです。 原子力の研究者であれば誰でも知っているであろう、「ベックの法則」というのがあるそうです。ベック博士が1964年までの21年間に、246基の米国原子炉施設において発生した事故記録を解析した上で得た結論だそうで、 (1) 最大想定事故(M.C.A)は起こりうると考えるべきである。 (2) 事故時には安全装置が働かないことがある。 (3) 事故は予想しない時に、予想しない原因から起こり、予想しえない結果を生ずることが多い。 というものだそうです。 これに対して、原発推進派の考え方は、 (1) そんな事故なぞ起こるはずがない。 (2) 働かないはずがない。どれかが作動するはずだ。 (3) あらゆることまで考えてあるから大丈夫だ。 というふうに希望的観測に終始します。しかし、今回の福島原発の事故を見ても、ベックの法則は正しかったと言えるでしょう。 これは我々が働いている林業の現場でも言えることで、事故は起こると考えるべきであり、予想しないことが起こるかもしれないという前提で細心の注意を払って作業をしているのです。車の運転をしている時でも一緒です。「だろう運転はやめよう」と言うじゃないですか。「子供が飛び出してくるかもしれない」というように、「いつ事故が起こってもおかしくない」という意識を持ちながら運転しなければなりません。 安全神話はすでに崩れ去りました。早急に、エネルギー政策の抜本的な見直しに取りかかってほしいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.05.11 10:01:14
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