でしょ? 実際何代にもわたって成功おさめてる家って、寧ろ稀有な存在ではないでしょうか? 昨日の「酢屋」の話は、家柄自慢では聊かもなく(とっくに没落しとるもの)、実は俺自身が嘗て「不思議な体験」をしたことがあって、そのために「酢村」について調べることがあったからでして、今日はそのことを書こうかと思ったけど、話は長いので別の機会にしてですね、今日は学生時代の思い出で自らを「お嬢様」と思い込んでた女性について書こうかな――良いとこのボン、いとはんってのは腹ん中じゃ周囲の人間を「下々」と見下してるんですね、今でも。
とりわけ「名門意識」の強かったある女性、彼女は自民党の代議士(現役時代は福田派だったそう)の娘で、俺が彼女と親しくなった頃は既に他界してた。彼女は父親が60歳近くになるころ生まれた娘、孫のような娘で、実際姪っ子の方が年長だった(らしい)。
些細なことでした、彼女と口げんかになったのは――その時、彼女の本心が出た、「本来なら私とお付き合いできるのは良家の人なのよ!」 つまりは何かい? 世が世であったなら、俺は彼女の前でひれ伏してなきゃなんない「下々」かい?
俺もかちんときたから云い返したね――「何言ってやがる! 君の父親はうまいこと山当てて財なして代議士になったかもしれないが、爺さんはどうだい? 元をただせば阿波の水呑百姓だろうが! 俺の家はなあ、今は没落したとは雖も代々苗字・帯刀を許された家だぞ! 開文年間からの系図が君ん家にあるのか? A? 俺も親父も爺さんも、俺んちじゃあ代々和算(東洋のライプニッツ・関孝和の算術です)の算木をおもちゃに育ったもんだぜ!」
最後の文句、うまいこと言ったと思って今でも記憶してますが、もちろん嘘八百です。
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