2014/07/21(月)12:43
小学校5年生のひょいひょい感覚、ぼくも思い当たる~ 『夏の水の半魚人』
池田美穂さんのカバー装画がよくて買った本。平成25年10月、八重洲二丁目の画廊T-BOXでの池田美穂展で。
前田司郎著 『夏の水の半魚人』 (新潮文庫、平成25年刊)
今ごろ読み始めた。夏だから。でもけっきょく半魚人は出てこない。
御殿山あたりに住んでいる小学5年生の魚彦くんの日常が延々と描かれる。
考えてることが大人と同じように理詰めなんだけど、ちょっと馬鹿げたところもあって、そして、ひょいひょい飛ぶ。この年齢ならでは。
大人でこんなふうにひょいひょい飛ぶと情緒不安定ってことになるのだけど、小学5年生だからこのひょいひょいした飛び方が自然だ。
小学5年生に乗り移られて自動記述しているみたい。この書きぶり、簡単な技じゃないね。
ひょいひょいしたまま最後まで行ってしまう。謎のお漏らし娘の海子ちゃんと、もっといろんなことがあるのかと期待したのに。
でも、たぶん、いろんなことがこれから起きるのさ。それでいいじゃないか。
≪夏休みは始まったばかりだった。≫
の一文で終わる小説さ。