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カテゴリ:本 ☆☆☆
『トーキョー・プリズン』
柳 広司著 内容(「BOOK」データベースより) 戦時中に消息を絶った知人の情報を得るため巣鴨プリズンを訪れた私立探偵のフェアフィールドは、調査の交換条件として、囚人・貴島悟の記憶を取り戻す任務を命じられる。捕虜虐殺の容疑で拘留されている貴島は、恐ろしいほど頭脳明晰な男だが、戦争中の記憶は完全に消失していた。フェアフィールドは貴島の相棒役を務めながら、プリズン内で発生した不可解な服毒死事件の謎を追ってゆく。戦争の暗部を抉る傑作長編ミステリー。 ニュージーランドから友人の消息を調べに東京に来たフェアフィールドは戦争中の記憶を失ったキジマと巣鴨プリズン内で起こった2件の死の真相を暴いて行く、これだけなら「面白かった~~」で済むんだけど、背景にB・C級戦犯の裁判が絡んでるのでとても重たい内容だった。 今でさえ日米(連合国とは言うものの主導権はアメリカが握ってたしね)相互理解が出来てるか疑問なのに終戦直後だから、当時のアメリカは日本人を見下していただろうし、日本の文化や日本人の精神の有り様を理解しようなんて気はサラサラ無くて、アメリカの価値観で裁判は行われただろう。 無実、とは言わないが、実際の行為よりも重たい刑を言い渡されれた人も多かったと思う。 キジマの過去を調べるフェアフィールド、キジマを救おうとする親友とその妹、 彼らの奔走もむなしく絶望のラストへ突っ走っていくストーリーは圧巻です。 トーキョー・プリズン お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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