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言葉を“面白狩る”

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2007/01/21
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「御給地方御年貢米之俵付と唱、石ニ付壱升宛勘定目録へ取結ひ被為召上候得共、是は口米之外ニて御明知方ニおゐてハ上納仕候義無御座候得共、往古より之仕来と相見候ニ付、御統合之義は不奉存候得共、是等を始メ年頭蔵附御勘定等年中三度御祝儀米と唱、壱度米弐升より七八升位迄、其外暑気見舞歳暮之御祝儀等鳥目或は其村生産之あらいも黒豆等之内差上候様之義も有之、是は其御屋敷様々々之御形合を以被仰付置候義ニて区々ニは御座候得共、此入用悉皆其組限之御高前へ割賦仕候義故、御明知方よりは入役免当高く、扨又御屋敷様ニ依り御高前之割合よりは多分餅米被召上、此間損銀并ニ焼米之義も弐三升或は四升と申様ニ不同有之、其外門松料等之儀ニ付御給知方ニおいても組ニ寄免之高下有之候得共、上文之通御方々様御仕来之御形合を以被仰付置候義故、乍難渋百姓共も相諦居」(安政元年(1854)「倹約筋被仰出変年不作無実凌方之義ニ付御年貢上納筋始郡中生産筋取行方之儀愚考内密申上試書附」『廿日市町史』)
御給地(藩士に給与した知行地)では、年貢米を納めるとき、「俵付」といって、一石につき壱升ずつ、勘定目録に連動して余分に納めるようになっています。これは「口米」の外に納めるもので、御明知方では上納しておりませんが、昔からの仕来りのようです。事情は分りませんが、「俵付」をはじめ「年頭・蔵附・御勘定」など、年に三回「御祝儀米」といって、一度に米弐升~七、八升程を納めます。そのほか「暑気見舞」「歳暮の御祝儀」等として、鳥目か、村の産物の荒芋・黒豆を差し上げることもあります。これらはその御屋敷様(給主)それぞれのやり方で命じられますので区々ですが、この負担は全てその組の御高前(石高)に割当てますので、御明知方よりは負担が重く、また御屋敷様によっては御高前の割合より多くの「餅米」を召し上げられ、その上、「損銀?」や「焼米」を差上げるのも弐升から四升と違いがあり、その他「門松料」等についても組によっても免の高下があります。上述の通り御方々様の昔からの仕来りで要求されますので、困りながらも百姓共も諦めて納めています。

これは佐伯郡の割庄屋連中が郡役所へ「愚考を内密に申し上げ試」した建議の一部です。自分たちの意見を「愚考」とへりくだり、「内密」にお願いすると相手の顔を立て、これは勿論、主張ではなく、申上げですらなく、「試」みに申上げるだけで、ダメでも構いません、という題のもとに農民の要求を遠慮せずに書いています。

給知農民の色々な負担が説明してあります。その内、「俵付」とは、

俵付米】たわらづけまい。(『近世用語の概説』)
俵附米は蔵入地や明知にはなく、給知特有のものであり、年貢米納入に際し、運搬途中の目減りを補うという理由で、多くの場合一俵(三斗)につき三合を加えた米をいう。但し、俵附米の量は、給主によって異なっていた。……







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最終更新日  2007/01/21 12:25:18 AM



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