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言葉を“面白狩る”

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2021/01/08
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カテゴリ:カテゴリ未分類
​​「近年百姓之内致借金、田畑を質ニ置、其御年貢を弁、終には牛馬家財を売、妻子を代替ても借金之価に不足之者有之由、畢竟田地高ニ不応、男女多有之故ニ候、土地ハ同広ニて人家次第ニ多成候、毎度申付候通、拾町百石之所ニハ男女三四拾人・馬十二三疋有之候ても田地可為相応処ニ、近年人多成、其上僅之田地二ツ三ニ割くれ候由其聞候、高拾石以下之百姓田地不別様ニと累年申付候処ニ、此段ハ名主・組頭不届之至ニ候、自今以後拾石以下之田地わけくれ候におゐては、名主・組頭迠越度ニ可申付、子共多持候百姓、惣領之外奉公人又は職人に預ヶ置、行〻独過を致候様ニ可心掛、田地高ニ不応人数多百姓は、穿鑿之上、急度可申付候条、名主・組頭吟味可仕事」​(「武蔵国高麗本郷五人組帳」)​​​
​​近年、百姓の内に、借金をし、田畑を質に置いてその御年貢を済ませ、終には牛馬や家財を売り、妻子を代替ても借金の額に不足する者があるという。それというのも、結局は田地の高に比べて、男女が多過ぎるからである。土地は同じ広さでも、人家が次第に多くなっている。いつも言うように、拾町百石の所には、男女三、四十人・馬十二、三疋が田地に相応しているのに、近年は人が多くなり、その上わずかの田地を二ツ三ツに割って与えていると聞く。高拾石以下の百姓は田地を分割しないようにと毎年申し付けているのにこの始末。これは名主・組頭の不届の至りである。以後拾石以下の田地を分け与えることがあれば、名主・組頭まで越度とする。子共を多く持つ百姓は、惣領の外は、奉公人又は職人に預け、将来は独りで過ごす様に心掛けなさい。田地高に不相応に多い百姓は、穿鑿して必ず処罰するので、名主・組頭は吟味しなさい。
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​「代替」という言葉が使ってあります。
​だいたい【代替​(『広辞苑』)​​
他のもので代えること。だいがえ。

​​だいがわり【代替り(『広辞苑』)​​
帝王や将軍または戸主・経営主などのかわること。次の代になること。

​しろがう【代替ふ​(『広辞苑』)​​
(シロカウとも) 売って金にかえる。しろなす。
​しろかえ【代替​(『古文書用語大辞典』)​​
売って金銭にかえること。「終には牛馬家財を売、妻子を代替ても借金之価に不足之者有之」しまいには牛馬・家財道具を売り、妻子を身売りしても借金の額に不足する者がいて。

​この資料では、「代替」は「しろかえ」に相当します。それにしても、年貢を皆済するために女房・子供を売りに出すとは……。本当のことでしょうか?






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最終更新日  2021/01/09 10:03:02 PM



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