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言葉を“面白狩る”

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2022/07/05
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​​​「……他力本願にて盆前の諸払も無滞済せ申候、さのミ腰を折めて人々さまに無心も不申候へども、諸板元申あハせ、追〳〵たすけくれられ候、誠に〳〵無徳にして天祐ヲ得候事と有かたく、甘佩不少奉存候(馬琴書翰集、篠斎宛、文政六年八月八日)​​​
​​他力本願で盆前の諸払いも滞りなく済せました。それほど腰を折って人々に無心した訳でもないのに、諸板元が申し合わせて助けてくれました。誠に無徳な私に天の助けがあったと有り難く、おおいに甘佩したものでした。​​

​「甘佩」とは何か、色々と辞書を引きましたがありません。諸橋『大漢和』にも載せてありません。馬琴の得意とする中国語かと思い、Google翻訳で調べるとありました。中国語で「甘佩」を、日本語で「ガンパー(賭博)」という……。これでは話になりません。​

​若い古文書仲間から、「甘佩」は「感佩」ではないかと教えてもらいました。

​かんぱい【感佩​(『広辞苑』)​
かたじけなく心に感ずること。深く感じて忘れないこと。

なるほど、これならドンピシャリです。古文書を読むときは、柔らか頭で、自由に発想を飛ばす必要があると痛感した次第です。





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最終更新日  2022/07/05 10:09:01 PM



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