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原田誉一の電脳通信

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2005.01.14
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カテゴリ:教育
 3学期の算数は「割合」から始まる。AはBの何倍かという問題、消費税5%といった「百分率」、打率3割6分8厘といった「歩合」などの学習だ。
 
 実はこの単元が小学5年生の算数で一番むずかしい。子どもたちはもちろん教える側にとってもなかなか手強い単元だ。
  
 たとえば、最初に次のような問題がある。

【問題】班に分かれて5分間サッカーゴールにシュートをする。次のような結果が出た場合、1班と2班とではどちらがうまいと言えるか。
       シュート数 ゴール数
    1班  32    21  
    2班  28    19

 教科書の説明は次のようなものである。

 ゴール数がシュート数の何倍になっているかを考えます。
  1班 21÷32=0.656… 
  2班 19÷28=0.678…
 2班の方が多いから、2班の方がうまいと言えます。

 この説明で「分かった」と言ったのは1人だけで、後の28人は分からないと言う。確かにこれだけでは分かりにくい。

 なぜ「21÷32」という式になるのか。

 まず、形式的内容をおさらいする。

「6は2の何倍ですか」→「3倍です」
「どういう式になりますか」→「6÷2=3です」
「~の何倍と聞かれたら~で割ればいいのでしたね」→確認→納得
 
 つぎに意味的内容について説明する。

 1班と2班のシュート数が違うから簡単に比べることができない。
 ならば、シュート数を同じにすればいい。
 シュート数をとりあえず一番簡単な1にしてみよう。

 まずは1班で考える。
 32を1にするにはどうすればいいか。

「32-31、とちゃいまっせ」(ここで軽く笑いとる)

 32で割ればいい。
 32÷32=1
 これでシュート数32は1になった。【*】
 
 では、ゴール数21は何になるか。
 
 ゴール数21も同じように32で割ればいい。
 同じ数で割ってもシュート数とゴール数の関係は維持できるからだ。

 ここで「100と50」という分かりやすい「半分」という関係の2つの数を例に出す。
 
 100÷100=1
 「半分」   「半分」 同じ数で割っても「半分」関係は変わらない。
  50÷100=0.5

 したがって、21÷32=0.656…という式になる。
 2班についても同じように考えればいい。

 つまり、2つの数の関係を維持したまま、もとになる数を1にする場合は、2つの数をそれぞれもとのなる数でわればいい、ということである。
 
 ここまで読んでみると何やらややこしい説明に感じるかもしれない。しかし授業では下記の図を用いながら、そして笑いを随所に取り入れながら説明したので子どもたちの多くはよく分かったようだ。
「今日の算数の授業は楽しすぎました」
と豆日記書いた子もいる。

 1班 32÷32=1 
     ↓    ↓       (ここに帯グラフ)
    21÷32=0.656…    

 2班 28÷28=1
     ↓    ↓       (ここに帯グラフ)
    19÷28=0.678…

【*】シュート数1回よりも100回とした方が現実的である。ここで百分率にも少しふれた。      

 





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最終更新日  2005.01.16 08:22:22
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