原田誉一の電脳通信

２階の救急病棟から５階の外科病棟へと車椅子で運ばれる。出入口側の病床が用意されていたが、窓側のそれも空いているようなので、窓側にしてもらう。大きな窓からは一面の空が見える。飛行機に乗った気分。ベッド付きだからファーストクラスだ。気分もよくなり、快復も早まるに違いない。
ところが、鼻の管から出てくる腸の未消化物があまり排出されていないらしく、月曜日には手術になる旨を担当医の伊T先生に聞かされ落ち込んだ。手術だと退院は３月以降となり、今年度はもう授業はできない恐れがある。
意気消沈して大きくため息をつくと、鼻から伸びる管の中で動きがあった。腸内のそれがごくわずかに出たのだ。
今度は大きく深呼吸してみるとその動きは速さを増す。よし。
深呼吸をくりかえし時折いきんでみるとそれは実によく出てくる。おお〜。
しまいに私は立ち上がりその場で足踏みしたり屈伸運動したりととにかく稼働範囲内で動き回った。休憩をはさみ文字通り倒れるまでくりかえす。
結果、数時間ほどで800ml以上が排出され、巡回に来た看護師さんも驚きの声を上げた。
そして深夜に待望の便意をもよおし便所に向かう。レッサーパンダの糞のようなのが５つ出た。あるいはコルク大のラグビーボール５コ。
その後も数回便意をもよおし便所で排出作業をくりかえしたのだ。