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三国志について、何度かエントリを書きましたが、三国志の醍醐味の一つは、諸行無常の蜀漢衰滅史。漢(おとこ)達が、築き上げた蜀漢の滅亡は、必然的要素があるものの、頑なに、一途に滅亡のその日まで戦いを続けた将軍姜維、羅権らの獅子奮迅の闘いは、判官贔屓な日本人には、とても感動的に思えます。(ある意味、バカだけど(笑))もう一つ、面白さがあるとすれば、注釈にしばしば、食い違いがあり、人物評が、歴史家によって全く異なっているところ。歴史は、書く者の手によって、書かれる物だという事を、強く意識させられますが、ボクは概ね、陳寿の注釈に賛同します。(特に、関羽や張飛の悪い所の指摘は、大変正鵠を射ており、大いに勉強になります)今日は、そういった三国志を彩る面白いザコキャラの人物像を見ていきたいと思います。
独断と偏見で選んだ なにげにすごい…愛すべきザコキャラたち 1.カク この人をザコキャラに入れてもいいのか物凄く思案するところなのですが、ある意味、三国志の中で、姜維と並んでボクが一番好きな人物かな、と思います。曹陣営で、老獪さ、リアリズムに徹した目線、参謀能力のバランスが、一番とれています。郭カ、ジュンイク、司馬仲達のような、華が無いのは、この人のキャラ(笑)生まれも良くないらしく、主君をコロコロ変えている事から、あまり高く評価されない事も多いのですが、曹操が敵国から、すすんで採用した人物は、能力的にずば抜けた人物ばかりである事を考えれば、物凄く頭が冴えた人であったのは、事実でしょう。ちなみに、この人、最初は、張繍配下の参謀として、若き日の曹操を二度に渡って撃退しているんですよね。曹操が、未亡人のサミシイ女とイチャついているのをいい事に、襲撃をかけて、見事に破ったり。帝王曹操も、若かった(笑)曹操は、この戦いでボディガードの典韋や息子の曹昴を失う羽目になりましたね。そして時代が下り、曹操の跡目で争いが起こってどうすべきか、曹操に尋ねられた時、静かに「袁紹・劉表のことを考えておりました。」とだけ、言ったといいます。しぶいオヤジですね。 2.徐バク これと言って、華々しい施政は無いのですが、地方行政官としての手腕が優れていたようです。思うに、初期の曹陣営には、こういう小粒だけれども、能力のある地方公務員(梁習、劉フク等)と、漢朝から吸収した実務に強い中央官僚(鐘ヨウ、陳グン等)が、バランスを保って存在したのが、強さの源ですね。このお方、禁酒令に背いて酒を飲むほどの酒好き、酔っ払って眠っている所を曹操に見つかって、処刑されかかったものの、周りの人にとりなしてもらって、生き長らえ、78歳の大往生。やっぱり、日頃の行いが大切、あと愛嬌かな(笑)ユニークなオヤジですね。蜀漢が滅んだ後、クーデター起こしても、部下が付いてこなかった鐘会には、羨ましい限りでしょうな。 3.張バク 誰それ?ってかんじですが、前半戦で、陳宮と共に、曹操を裏切って、呂布についた奴、と言えば、ああ、そんな奴もいたな、と思い起こしてもらえるでしょうか。典型的なザコキャラですが、実際のところは、かなり有能な人物だったようです。優柔不断なくせにキレ易い、タチの悪い袁紹と友人なんぞになったのが運の尽き、連合軍の盟主になって調子に乗った袁紹を諌めて、逆ギレされ、殺されかかるも、曹操のとりなしで首が繋がったのですが、彼自身は、この事に負い目、重圧を感じていたようです。恩を仇で返す形になってしまった反乱も、この弱気な彼の精一杯の自己正当化だったかと思うと、ちょっと憐れです。ところで、一緒に反乱を起こした陳宮と言えば、帝王曹操の「恩人殺し」の現場を見た、数少ない人物でしたね(笑) 4.劉ヨウ 孫策の出世のダシにされた人で、太史慈の元主人。中山靖王の後裔の癖に、沓売りなんて怪しげな経歴を持つ劉備と異なり、こっちは正真正銘の漢朝劉一族の子孫の御曹司です。なにげに「叩かれ役」的な存在ですが、侠気と能力、慈愛に溢れた人物で、「劉岱・劉ヨウ兄弟をまとめて得たならば、それは二匹の龍・麒麟に等しい」なんて言われていた事から推察しても、当時は、相当な力と名声を持っていたのは事実。劉ヨウを殺さずに済んだのは、孫策にとって、ある意味ラッキーだったと言えるでしょう。北方の公孫鑽が皇族の劉虞を処刑してしまった為に、一気に支持基盤を失ったのと、対照的。 5.潘濬 これまた、誰それ?的な人ですが、関羽の部下で、進出してきた呂蒙、陸遜にさっさと降伏してしまった事から、「演義」では、王甫に「利に聡い小者」と酷評される、ネガティブな武将として描かれていますが、内政手腕には非常に長けており、それは呉国に仕えてから明確になります。ただ、如何せん自分が先頭に立って戦うという事が無かった為に、華には欠けるところがあります。ちなみに、この人、関羽が死んだ後、ベッドで泣きじゃくってばかりいたもんだから、孫権がベッドにくくりつけて出仕させるという、ほんまかいな、というエピソードがあります。 続きます… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.07.16 17:37:22
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