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カテゴリ:BOOK REVIEW
最近、メディアや日常的な会話の中でニートという言葉が登場するようになった。ニートとは何んだろう。ニートとは筆者によると、職を探すこともなく、働く意欲のない人々をさす言葉である。本書はニートの人々に、じかに接することで実態に迫る作品である。 そのニートの数が近年、日本で急激に増加しているらしい。増加の原因は筆者によると、人間関係に対する自信のなさにあるという。つまりコミュニケーション不足を原因としている。また、ニート増加の防止策として兵庫県、富山県における教育プログラムの事例を報告し、人間関係に自信を持つ現実的方法を考察している。 コミュニケーションスキルは社会にでる若者にとっても必要だといえよう。その意味で、本書の提案はニート対策にとどまらないといえる。ただし、筆者の提案が本当にニート対策として役立つのかどうかに関しては、説得力に欠けているというのが私個人の感想である。また、ニートというイメージがあまりに漠然としているように思った。もう一点は、ルポタージュに重きをおきたいのか、分析に重きをおきたいのかはっきりしていないように感じた。ただ、この本をきっかけとして、ニートという言葉がより普及したことは画期的な成果であり、評価されるべきだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年03月16日 19時08分51秒
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