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題詠100首blog,締切りまで6時間というところで、
今日なんとかゴールできました。 いつもどうしてこうぎりぎり病。。。。 でもよかった。だんだん嬉しくなってきた。 題詠100首blog 会場 blog風見鶏 001:風 目に見えぬものがうごかす日常にからからからと風見の鶏よ 002:指 指をさす空の手前の風見鶏 うしろはまへでまへはうしろで 003:手紙 えんぴつで手紙を書かう森の風吹くやもしれず吹かずともよし 004:キッチン 白妙のキッチンペーパー広げてはあした手紙が届くと思ふ 005:並 シオコショウ並ぶしづけさ 肘高く新玉葱に塩をふりたり 006:自転車 自転車のブレーキ音をひびかせておかへりよまだわたしの少年 007:揺 題名に「おやすみなさい」と打つたまま揺らしてるケータイストラップ 008:親 親指で打つ文字データーktktと鳥が木の実をついばむ音に 009:椅子 食卓の揃ひの椅子はそれぞれに不在をのせて存在してをり 010:桜 花の数増やしてみても秋桜はさびしい色の花束であるよ 011:からっぽ 空箱をソラバコと読めば風が吹く 秋の青空からつぽの空 012:噛 犬の歯が我にも四本あることを思へりヌガーチョコを噛みつつ 013:クリーム 明日から会へないひとは窓際でクリーム色の子犬と遊ぶ 014:刻 秒針を持たねど時を刻むごとことことと鳴る夜のキーボード 015:秘密 始まりと終はりは同じであるといふ秘密を残す君のくちづけ 016:せせらぎ 雲ながれ水ながれ時ながれゆくそのせせらぎに耳すますべし 017:医 脈をとる医師の指先感じつつまぶたの裏の夕焼けを見る 018:スカート カーテンを揺らす風には負けまいと数年ぶりのタイトスカート 019:雨 海に降る雨を見たくて歌ふうた けふは水の日あしたは木の日 020:信号 信号の青のむかうの青空へ階ひとつ架けむとすれど 021:美 美しい朝ゆゑに痛む歯のことを言いかねてをり歯科医師の夫に 022:レントゲン 新しいものはまだある、レントゲン写真に写るわが親不知 023:結 職業を言訳としてお互ひの指に飾らぬ結婚指輪 024:牛乳 水色の切り子硝子のおほきめのカップにゆるく牛乳をそそぐ 025:とんぼ 透明な音だけ食べて飛ぶやうなとんぼよ空はさびしくないか 026:垂 垂線や平行線をひく羽の曲がつたことは嫌ひかとんぼ 027:嘘 嘘をつくニンゲンの目はまたたくよ きのふもけふもシジミチョウ見つ 028:おたく おたくにもちやんと届けておきますと夕焼けてゐる十月の空 029:草 秋草は春の草より丈高く夏草よりも音を奏でる 030:政治 風見鶏風を知らせてゐるだけの鳥なれど比喩にかなしき政治 031:寂 寂しさもなれ親しめば穏やかな花咲くときの気配と似たり 032:上海 ありふれた家族であるがしみじみと地上海上路上天上 033:鍵 ひとりまたひとりと違ふ鍵を持つその朝までの白いマグカップ 034:シャンプー まだ同じ香りの家族 資生堂椿のボトルシャンプーたてて 035:株 歳月は寡黙なれども切り株にとほき伝言残してゆけり 036:組 ふたたびを願ふふたりの組曲にクラリネットのはつかながるる 037:花びら ふるものに隠されて洗ひ流されて 雨、雪、時間、さくら花びら 038:灯 灯台のとほき灯りを見るやうな浮かぶこと消えることのひかりよ 039:乙女 乙女とふ名をもつ苺きらきらと冬のデパ地下のショートケーキは 040:道 この道をゆくほかはなく君の背の見え隠れする雑踏である 041:こだま 傍らに立つとき樹木のかをりして日に幾たびもこだまが返へる 042:豆 途切れたる言葉の先の句読点と豆科の花を花舗にさがせり 043:曲線 ひらがなの曲線のもつやさしさをのせた言葉もまたちりぬるを 044:飛 飛ぶ鳥と飛ばない鳥の両方に羽はなぜある 風見鶏飛べ 045:コピー機 晩秋のセブンイレブン コピー機のひかりの傍にたたずみてをり 046:凍 並びゐるあれやこれやと冷凍庫のひかりの前にたたずみてをり 047:辞書 いつどこでなにが解るかわからない 肌身離さず持つ電子辞書 048:アイドル アイドルもやがては死語となるらむか水惑星に水仙溢れ 049:戦争 戦争の傷ある国に生れたれば迷彩服は纏はずにをり 050:萌 戦争を知らずに生きて春ごとに萌ゆる草見き散るさくら見き 051:しずく ひとの妻となりし日の雨ひとの母となりし日の露 しづく連なる 052:舞 こころから嬉しく思ふもののあり たとへば山の奥の舞茸 053:ブログ いつの日かゆたかな山の中腹に住みたしブログきちんと揃へ 054:虫 一生を虫の時間で歩く蟻 人の時間にわれは佇む 055:頬 ギィギィと椅子を鳴らして頬杖をしばしつきたり学習机に 056:とおせんぼ とほせんぼ小径も今は広がりて犬を伴ひ坂をくだりぬ 057:鏡 波風もほんの少しは知りたからう鏡のうへの硝子のアヒルよ 058:抵抗 抵抗をせぬ飼ひ犬はせつなくも獣の白き牙をもちたり 059:くちびる くちびるの動き少なき言語もて成田を発ちぬ秋分の日に 060:韓 子午線を思へり機上ひとり見る韓国映画の終はりになれば 061:注射 英会話、時差、ドル紙幣、予防注射、とりとめもなく我は旅行者 062:竹 広すぎる国からは見えぬふるさとは竹のみどりの列島である 063:オペラ 多すぎて広すぎて大きすぎるゆゑオペラグラスを持ち歩く旅 064:百合 数日を空けて戻ればみづみづし出窓に百合は高く開きぬ 065:鳴 円とドルを持てばにはかに共鳴す「異文化交流」「国際社会」 066:ふたり ふたりから始まり四人の季(とき)は過ぎひとりひとりに生れしその空 067:事務 人生の節目節目の事務処理は若竹色のクリアケースで 068:報 朗報を得たるここちすどつさりと山のきのこが届いた朝は 069:カフェ 山奥にカフェあり山の清水もて寡黙な友の淹れるエスプレッソ 070:章 第二章あたりで登場せし友のカフェの屋根には古き風見鶏 071:老人 老人の集へるカフェの風見鶏やや傾きてゆるゆるまはる 072:箱 山の実ときのこと赤きからすうり木箱にしんと収まりて届く 073:トランプ トランプに遠くのひとを尋ねても凶でも吉でも占いはさびし 074:水晶 水晶に遠くのひとを尋ねても透る答への石はさびしい 075:打 打たれれば打たれた数のしづけさに鳴り響きたる冬の打楽器 076:あくび 日だまりにあくびを置きて去る猫は振り向きざまに「余韻」と鳴けり 077:針 ゆるやかに午前が過ぎて今午後へ時計は丸く針を運べり 078:予想 誕生日前後にいつも止めること 暴飲暴食、予想、後悔 079:芽 冬の日は部家のどこかに発芽する色鉛筆があるやもしれず 080:響 父の名は「ヴォイス」母の名は「響」(ひびき)生れしホワイトプードルの「奏」(かなで) 081:硝子 プードルの子犬の眠る昼下がり硝子越しなる冬の陽はのぶ 082:整 誕生日前後にいつも思ふこと 整理整頓、美人薄命 083:拝 来年の春を思つて蒔く種の拝むかたちに双葉出揃ふ 084:世紀 半世紀生きたれば西に旅せむと友と始める郵便貯金 085:富 新しき通帳もてばきのふより富みて師走を迎へむとせり 086:メイド モスジーバーもメイドカフェでも働けぬ中途半端な齢であるよ 087:朗読 朗読の声もやみたり一泊で返せなかつたレンタルビデオ 088:銀 長身の影に隠るるわれの影 金の木犀、銀の木犀 089:無理 あたためて与へて明日を待たうとも無理な季節に咲かぬひまはり 090:匂 ラベンダーの匂ふ枕にしみじみと沈めてをりぬ明日はいかに 091:砂糖 砂糖菓子冬のひかりを浴びたればここにも冬の音楽流れ 092:滑 プッチンをせずにスプーンを滑らせたプリンカップに残るカラメル 093:落 ホームランボールが落ちてゆくまでと今日のひと日とひとの一世と 094:流行 移りゆく季節を購ふことに似て花にも犬にも流行のあり 095:誤 傍らの犬はわたしの誤字などは見向きもせずに尾を振りてをり 096:器 記念日の真つ赤な薔薇を切りもどし花器を選ばぬ水をそそぎぬ 097:告白 一行の告白を百寄せしのち暮れてゆく空の色をかなしむ 098:テレビ 花と木とテレビと犬と空と詩と風見の鶏と暮してゐます 099:刺 折折の季節の花に囲まれて薔薇は刺ごと飾られてをり 100:題 目に見えぬ課題に足の止まるとき空の手前の風見鶏仰ぐ 2006/10/31/Tue. up お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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