テーマ:箱根駅伝を楽しもう(744)
カテゴリ:2008箱根駅伝関連
箱根は魔物が住んでいるという。今回の箱根にもたくさんの魔物が出現した。いよいよクライマックスである。
優勝争いは、9区で決着。駒澤のVロードが始まっている。しかし、シード権争いは熾烈を極めた。優勝候補の一つだった日大が11位を走っている。 このままではシード落ちだ。 10区のランナー日大・笹谷が走る。前は見えない。シードも見えない。笹谷の額に汗が光る。名門・日大、このままシードを失うのか? 日大の前の10位争いも激化していた。並んで走っていた中央と東洋の中から、中央が抜け出した。この時点で、8位中央、9位東洋、10位帝京となっている。ここまでがシード権獲得圏内だ。 ところが、ここで東洋・岸村が遅れだした。帝京が9位に上がる。岸村の失速を見た日大・笹谷が猛然と追い込む。都心に入っている。銀座の近くだ。日大と東洋の差は、10秒、9秒、8秒と縮まっていく。東洋がシード落ちになるのか! 緊迫した、そのとき、衝撃映像が飛び込んできた。前を走っていた東海大の荒川が止まっているのである。足を痛めたらしい。その横をシード争いの2校が通り過ぎていく。その瞬間、シード争いに決着がついた。 落ちたのは、日大でも東洋でもなく、棄権となった東海だったのだ。 それにしても、こんな結末を誰が予想しただろうか。日大と東洋のシード落ちの悲喜劇は、東海の悲劇により終わった。ストーリーが、一瞬でスリ替わってしまった。 さまざまなドラマが展開された2008年の箱根駅伝だったが、やはり選手たちが限界まで力を出そうとしたからこそ生まれたものであろう。 関係者を含め、このドラマを作り上げた人たちに感謝したい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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