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カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
ちょっと前、日経ウーマンの取材を受け、これから結
婚、出産、育児をしようという女性たちにアドバイス を・・・と言われた。 行き当たりばったりで生きているわたしなんぞと違って、 今の若い女性たちは、これをするとどんなことが起きる のか、あらゆるケースを想定して、対応法も考えて、 ことにあたるらしい。 で、そんな彼女たちにとって、対応法がなかなかみつか らない!のが、妊娠・出産と育児というわけだ。 「子どもはひとりはほしいのよねーったって、相手 あってのことだし・・・」 「あれも心配、これも心配って、わかるけど、 “案ずるより産むがやすし”ってことばもあるし・・・」 と、かなりのんきなことを言って、ライターさんを 困らせてしまった。 聞いていると、肝心要のパートナーの問題はおいといて、 それ以外の、仕事と家庭の両立に関するあらゆる「不安 材料」を手帳に書いて、項目立てし、傾向と対策を あらかじめ用意しているんじゃないかというぐらいの 勢いだ(大変だね)。 しかし、不安材料??? うーん。 どう考えてみても、それは、ないのだ。 301人以上の従業員がいる企業とされたけれど、 行動計画まで義務付けられたし、育児休業も法整備が進ん でいるし、今後、仕事と家庭の両立施策が後戻りするとは 考えられない。中小企業でも行動計画を提出した企業も 結構な数になっているようだ。 (昨日の朝日には、中小企業を対象に、初めて育休をとる 場合に、企業に助成金が支給される方向という。これだって 使いようによっては効果が出てくるだろう) 「妻には子どもが生まれたら仕事をやめて専業主婦に なってほしい」 と思っている若い男性もどんどん減っているようだし、 パートナー選びさえ誤らなければ、ともに、仕事も家庭 もシェアしましょうということは、難しくはないはずだ。 でもって、労働力は減少に転じるわけだから、企業の 重要戦力として、(有能な)女性の活用は不可欠と、 頭のいい経営者ならとっくにわかっている。 「職場の雰囲気が・・」というのもあるけど、こればか りは、その人が闘わないと、解決しないと思う。 同様のお悩みとしては、 親が遠くに住んでいて、子育ての援助がほとんどない とか、介護年齢に差し掛かってきて、介護と育児が 重なったらどうしようかと不安だとか、自分にちゃんと 子育てができるか不安だとか、夫が子どもをかわいがって くれるかどうか不安だとか、子どもが犯罪に巻き込まれ たらどうしようと不安だとか、大きくなったときにどん な日本になっているか想像すると不安だとか、 まあ、挙げたらノート一冊分ぐらいの不安は ピックアップできるだろうし、周囲は びびらせようと思ったら、なーんでも言えるけど。 生きるってことは、不安だらけでもあるわけで。 しょうがない。過渡期に出産適齢期を迎えてしまった 自分のさだめと思って、後輩のために道を切り開く 覚悟で、やったらいいと、わたしは思う。 それに、前にも言ったけど、今、40代なかばの人た ちの出産適齢期時期と、今まさに出産適齢期時期の人 では、雇用環境、社会環境がまるで違うのだ。 だから、あまり参考にはならない。 これだけ明るい見通しがたっている今だったら、 育児を理由に仕事辞めようか・・・と思っている人 には、 「これからの時期、それは賢明な選択ではない」 と、きっぱり言える。 もちろん、ほかに理由があって、キャリア形成についても 自分なりの考えがあって、辞めるのなら、たまたま目前に 出産を控えていたとしても、それは別の話だ。 ってな話をし、最後に、「でも、仕事を辞めたら、それで 終わりではありません」と、強調した。 手放したから見えてくるものも、たくさんあることを、 知っている人は、知っている。 「見たい」と思えば、見えてくるのだ。 人生の指南書によくあるけれど、 「(その気にさえなれば)やり直しは何度でもできる、 人生は、いつも、捨てたものではない」のだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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