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カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
浜尾さんが「自尊感情」についてコメントくださったので、
改めて「自尊感情」について書き込みたいと思っています。 わたしは偏差値教育真っ只中で学生時代をすごし、母親は 成績表を見ながら、国語と社会はかなり好成績だったんだけど、 「算数が下がった」 「理科がダメ」 「体育はどうしてこうなの」 と、いいところはほめず、悪いところを指摘しながらわたしを 育てました。 全科目において、好成績でないとダメで、かつクラス委員 みたいなのをやって先生の覚えめでたきでないとダメ・・・ だったようです(う。父が教育委員会にいたので・・・)。 わたしは、母の期待に応えるために、一生懸命でした。 大人になってもそのクセが抜けず、やったそばから 自分にダメ出しをしている。 「ここが足りない」 「わたしってどうしてこんなにダメなんだ・・・」 それが前向きに働けばいいのだけど、いつもそればかり やっていると、自分のやりたいように生きていけなくなっ たり、周囲の評価ばかり気になるようになったりして 卑屈になって、動きが鈍くなってしまう自分に気がつ きました。 それと、以前、文部科学省の委員会に出ていたとき、 どの先進国に比べても、日本の親のわが子に対する評価の 低さが気になり、それが影響してか、子どもたちの自己評 価も低くなっていることがわかり、 「これはよくない。日本の子はなんて気の毒な環境で育って いるのだろう・・・」 と、思ったこともあります。 で、わたしも子どもも、弱いところを突っ込みながら育てる のではなく、いいところをほめまくろう(もともとマイナス スタートなのだから、努力してほめまくったぐらいで ちょうどゼロになる)と思いながら現在に至っています。 それでいいんだよ、と教えてくれたのが、『Nobodey's Perfect カナダからの子育てメッセージ』(ドメス出版)です。 この本についての説明は省きますが、この本には、日本の育児 雑誌には書かれていないような、本質の言葉がたくさんちりば められています。 「自尊感情」のページを抜粋してみましょう。 自尊感情とは心のうちにある「私はよい人間である」という 感情のことです。具体的には、「私は自分のためにお金を使い、 自分の欲求を満たす価値のある人間なのだ」という感情です。 親の仕事の一つは、子どもの自尊感情を育てることです。 そのためには、子どもが『安全で安心、愛されている』と感じ られるようにすることが大切です。 実際に自尊感情をもつことは、口で言うほどやさしいことでは ありません。多くの親は、自分と自分の人生に対してよい感情 をもっていません。どんなに努力しても、まだ足りないと思って しまうのです。 自尊感情は、自分の人生に責任をもつことから始まります。 でも、すべてを一度にできる人はいません。皆、小さな変化を 積み重ねながら、少しずつ自尊感情を育てていくのです。 (『Nobody's Perfect』ドメス出版・PARENTS(親)より) CAPなどの活動も、まずは、 「あなたは、かけがえのない人。 決して、暴力を受けたり、暴言をはかれたり、 そまつな扱いを受けていい存在なんかではない」 ということを伝えるところから始まるのだと思います。 国を愛する心の前に、自尊感情だろう と、わたしは思っています。 ひとりひとりの存在を尊重し、大切にする国を、 わたしたちは、愛し、誇りに思うのだと、思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 13, 2006 09:55:23 AM
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