|
カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
おいおい議事録が出てくると思いますが、先日の広島県で
行なわれた協働フォーラム開催に向けての打ち合わせ会議の 中で出てきた意見で印象に残ったものをピックアップして みます。 ・県ではこの3月に「NPOとの協働の指針」というものが つくられ、4月からはモデル事業も始まっているが、 県内の市町村の担当者たちにどれぐらい「協働」に対する 意識や関心があるかは疑問。 「協働」もわかっていないのではないか。 ・「協働」にもいろいろある、行政とNPOの協働だけでなく、NPO とNPOの協働、NPOと企業との協働、行政内でも県と市町村の協 働など。今回はそのどこに絞ったらよいか。 ・県内を見ても、子育て支援のNPOは少ない。 NPOの定義そのものもあいまい。 法人格をとっていないとダメなのか、社会福祉協議会など に参加して、ボランティアで子育て支援をやっている人は とても多い。子育て支援の裾野は広がっている。そうした人 たちは、子育て支援NPOと言えるのかどうか。 ・法人格のない市民団体もNPOに含めていいのでは。 ・団体ということで考えれば、組織力のなさ、マネジメント 力のなさが課題。行政との協働といわれても、それだけの 力量のあるNPOが育っていない。 ・対等のパートナーシップをとれるNPOとの、本当の意味での 協働を期待している行政は、多くないのではないか。 ・イベントなどで、「お手伝い」してもらったり、講師に呼 んだりする程度を、「協働」と呼んでいるが、それは協働 とは言わないのではないか。 ・行政としてはNPOから「協働でやりましょうよ」ともちかけ られたら、助かる。なぜなら、お金をかけなくてすむし、 こちらの負担も軽くなるから。 ・自治体によっては、NPOがほとんどないところもある。うち の場合は当事者に主体になってもらおうと働きかけをし、 現在のところ、うまくいっている。 ・行政自身が、子育てサークルのことも把握していないし、 地域の子育て情報も把握していない。そういう状況のなかで、 果たして協働が必要なのか?という疑問は出てくるだろう。 ・話を聞きながら、「子育て支援」分野の「協働」の遅れを 痛感している。「まちづくり」など他の分野は、とっくに協働 で事業をやっているのに。同じ地域なのになぜ? ・「まちづくり」で言えば、その話し合いに、「子ども・子連れ」 は、排除されている。そもそも、子育て中の親が絶対参加 できないような時間帯に会議が行なわれている。 ってな具合で、話が進んでいきました。 わたしは、広島の事情はほとんどわからないので、こちら側の 目的に沿うように議論が進むようにする以外、内容については 特段注文はなかったのですが、たぶん、こういう話し合い自体 やったのは、初めてではなかったか、それだけでもよかった んじゃないかと、思っています。 ざっくばらんに本音を話してくれる行政担当者が増えてきた こと、行政の考え方、やり方を承知して、やみくもに行政 批判さえしていればいいとは思っていない、成熟したNPOが 育ってきたことを実感しています。 ・・・・・・・・・・ そして、 このところめざましい行政の動きを感じているわたしは、 NPOにはそれについていってほしいと思っているので、 (行政側に問題がないとは思っていませんが)NPOの課題 のほうにむしろ目が向きます。 例えば、「行政はわたしたちをやすく使う」という 不満 では、「やすく使わせない」ための何かアクションを起こ したのか。 行政で同じサービスを行なおうと思ったときに、いったい いくらかかるか、試算してみるとか、事業計画や予算案を 出すといったことをやってみたのか。 そもそも、自分たちは何ができる団体なのか、きちんと 看板を掲げているのか。 行政のように、半永久的にこの事業を継続してやってい けますという約束ができるのか。 そういうのを、ひっくるめて「力量」というんだと思う けれど、そういうことを突きつけられると、 「わたしたちは、ボランタリーだから・・・」 「いまでも時間がなくて、通常業務をやるので精一杯だから・・・」 「わたしたちは、『思い』でやっているから・・・」 「わたしたちは素人だから・・・」 「子どもが小さい人たちの団体だから・・・」 「できる範囲で・・・」 「楽しんでやっていたいから・・・」 みたいなことをモジモジしながら言う人がいたりします。 「だったらどうして不満を言うの? いまのままでいいじゃん」 「お金にしたいんだったら、それなりのことをこちらも しないとだめなのではないですか」 と、リーダークラスの人には、きちんと言うようにしています。 えらそうなことを言いながら、返す刀で自分自身を 切っています。ハア・・・。痛い。 (行政が納得する)書類いっこじょうずに作れないワタシ。 広島県のTさんが作ってくださるスバラシイ文書を、 「他の地域のみなさんでも使ってください」といわれて (なんてやさしいんだ!!)、 「すみません、これ、あとでメールください(しょぼん)」 なんて言っています。 (「杉山さん、これが協働ですよ」ってか) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[杉山千佳(子育て環境研究所)] カテゴリの最新記事
|
|