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January 3, 2008
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「お説ごもっともながら、できますか?」
と聞かれれば、
「いえ。言ってるだけです」
というなら、(時間とエネルギーの無駄なので)
言わないほうがいい(笑)。

久々に「よのなか科」に遊びに行って、藤原さんの
フィンランドの視察レポートを読んだ。

結論を冒頭に記し、「共通点」、「圧倒的な違い」、
「社会的背景への理解」、「日本の可能性」という
ように簡潔に(A4に3枚)まとめられている。

こういう、わかりやすいことばで、輪郭をクリアに
するまとめ方ができるようになりたいんだよね。。。

とてもおもしろいので、ぜひ、読んでみていただ
きたいのですが、改めて確認したかったので、
一部をご紹介します。

フィンランド調査報告(07年9月末)
杉並区立和田中学校 校長 藤原和博

結論(総論) フィンランドの教育実践は、杉並区
教委が大幅に校長に権限を下ろしているからこそで
きる「和田中方式」の正しさを裏付けている。

フィンランドでも世の中の動きと結びつけた[よのなか]
科的な(総合学習的な)授業実践が多く見られる。
教師は処理より編集、要素より関係性、「単純記憶暗記
型」より「理解させること」を重視。「情報処理力(TI
MSS的な学力)」より「情報編集力(PISA的な学力)」に
シフトした指導法がとられている。

放課後、(フィンランドの)子供たちは地域に帰り、
地域活動としてのスポーツや芸術活動に参加する。
教師が部活を指導するスタイルではない。また、土日
も、2ヶ月半の長い夏休みも、子供たちの面倒はキャ
ンプ主催者や地域活動の実践者がみる。


フィンランドの「教育改革」は国の存亡を賭けた戦い
だった。90年代前半、失業率は20%を超え、国は
ほとんど破綻状態にあった。 危機を脱するには「教育
を成熟社会型、未来型に再設計し、人材に付加価値を
つけるしかない」という全国民のコンセンサスがあり、
29歳の教育相(ヘイノネン氏)が誕生。

教科書検定の廃止、指導要領の大幅削減(3分の1以
下に)、自治体(日本でいう市区町村)に校長任用権限
を降ろし(さらに校長が教師を任用)、カリキュラムを
含めた決定権を大幅に現場に委譲。不況期に多くの人材
を教員(公務員)として抱える政策を打ったことからも、
優秀な教師の蓄積が可能になった。


すべての授業で「クリティカル・シンキング」の力
([よのなか]科的な複眼思考法でケースを批判的に読み
込み、自分自身の意見を形成し発表する力)が試される。
日本のように「正解主義」の授業だけを何遍繰り返して
も、PISA型「読解リテラシー」の設問には応えられない。
欧米で、国語の読解やコミュニケーション技術のことを
言う場合、常に「クリティカル・シンキング」のことを
指す。

ほとんどの親が5時には家に帰って家族で夕食を食べる
のがフィンランドの習慣だ。 だから、夕食までとか夕
食後に、ゆとりを持って地域のスポーツクラブに参加
したり(部活動の替わり)、音楽の先生についてレッス
ンを受けたりできる。

ヨーロッパはみなそうだが、テレビ(地上波)は2局
くらいしかないし、あまり面白いものをやってはいな
い。したがって平均テレビ視聴時間も短い(日本の子
供のおよそ半分くらいか)。



藤原さんのすごいところは、「よのなか科」で
「クリティカルシンキング」を育てる授業を実践し、

あわせて、和田中という公立中学校で強い権限を教育
委員会から譲り受け、その学校運営で、「フィンラン
ドのようなこと」が、日本でもやろうと思えばできま
すぜ、と、実証しているところだ。

和田中の校長先生になったときから、ちっとも
ぶれてないなあ。

すごいなあ。。。

わたしも参加させてもらったことがあるけど、
全国から学校の先生たちが和田中の授業を受けにくるし、
文部科学省の人も経済産業省の人もマスコミの人も
受けにきているようだけど、藤原さんの態度はたぶん、
誰の前に立っても「和田中の校長先生」という態度なん
だろうと思う。


「あれはちょっとぉ・・・」とか、
「あそこがね。。。」とか、
重箱の隅を突っついたりして、いろいろ言うことは
誰にでもできると思うけれど、

じゃあ、あなたに藤原さんの対案が出せて、
しかもできる?と聞かれたら、

さてどう応えるだろうか。

「よのなか」は実はとてつもなくおもしろいんだよ
ということを、藤原さんはまさに体現してくれている
んだと思う。





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Last updated  January 3, 2008 09:26:00 PM
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