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カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
香川のわははネット、中橋さんのブログから、 高松市の24時間開設の認可外保育園が閉鎖されたことを知った。 詳しくはこちら。 施設長のKさんは、去年、わたしが行った「杉山ゼミ」 に参加してくださったおひとりだ。 お忙しいのに、飛行機飛ばして(?)来てくださり、 面倒くさい課題もまとめてきてくださった。 現場のギリギリ感に比べて、わたしたちのまったり感 に、さぞがっかりされたんじゃないのかな?と、 胸が痛い。 Kさん、まずは、ゆっくり休んでください。 そして、また元気になったら、ぜひ東京に来てください。 何が課題として残されたのか、教えてほしいし、 わたしにできることはないか、一緒に考えたいと 思います。 * * * このところ、いろいろな人と保育園について議論する 機会が増えた。 先日のシンポジウムでは、新宿区のabc保育園の片野さん とご一緒して、大激論になってしまった。 「長時間保育はちっとも悪くない」 とおっしゃる片野さん。 「片野さんの保育園の子ども達はきっと何の問題も ないと思いますが、すべての園で『長時間保育は 子どもには何の影響も及ぼさない』と言い切れますか? それに、長時間保育の向こう側には、長時間労働が あるんです。園が開いていたら、母親は残業しちゃう んです。帰宅後、夕飯作って食べてお風呂入れて、 寝かしつけて・・・その身体的負担は見過ごせない」 と、いつになく熱くなってしまった。 そんなこと、百も承知で、それでも行き場をなくした 子どもがたくさんいるから、「わたしがやるしかない」 と、片野さんたちは子ども達を引き受けているんだろう。 この、もどかしさ。 24時間保育園が悪いと言っているのではない。 医者や看護師さんなど院内保育では、夜勤のため子どもを 夜間預けるのは当然だし、その親は翌日は寝ているので その間も保育園が子どもを預かるのだと伺い、それは、 普通のことだと思っている。 個別のケースと、全体をどう見定めてこの問題の 解決策を探るかじゃないだろうか? 「杉山さんの言っていることは、最終ゴール。今はまだ そこまでいってない」 と、サカキバラさん。 「じゃあ、ワークライフバランスって何? ワーキン グマザーは毎日毎日8時9時まで残業しているの? そんな働き方をしているのは、ごく一部じゃないの? ごく一部の人たちのために、保育所を開いているこ とのコストは? ハコでないかたちで安心・安全に子どもを預かる方法は 考えられないの???」 わたしもサカキバラさんも保育の専門家じゃないけど、 ああでもない、こうでもないと、時間を忘れて議論する。 なんでこんなにがんばっちゃうんだろうねえ。 昨日の「メッセンジャーを増やしてほしい」という日記 とも、それに四国新聞の記事とも関連するんだけど、 「現場はこうなっているんだ!」ってことを、もっと たくさんの人たちに知っていただくことから始めるしかない んじゃないかな?と思う。 子ども達がいまどういう状況におかれているのか。 経営のトップにいる方にも、 知っていただきたいと思う。 「うちの女性従業員」の雇用ももちろん大切だけど、 次代を担う子どもたちがいまどういう状況にあるか の問題意識を持たずして、先を見通した経営は難しい んじゃないのかしら。 理想論のわたしは、 「大人に子どもを合わせるんじゃなくて、 大人が子どもに合わせろ」って思うんだけど、 それを親だけの責任にはできないぐらい、社会全体が 大人主導で動いていると思う。 そもそも、夫婦共働きで子どもを育てる姿って どんな感じなんだろうね?という、ゴールイメージを みんなで共有して、 そこにたどり着くための工程表をつくり、 そこに向かう。 あわせて、多様な働き方には、個別に対応していく 柔軟性。 * * 「保育」や「子育て支援」が夢を持った仕事だと、 今、福祉の勉強をしている学生さんたちに自信を持って 伝えることができなければ、わたしたちが、どんなに がんばって、あれこれやっても、先がないように思う。 まずは、いろいろあたってみるよ。 ノックして、反応のあったところから、 少しずつ、スイッチを入れていくさ、わたしは。 とにかく、Kさん、あたたかくなったら、 ぜひ、遊びに来てください。 ゼミ生のみんなもきっと集まってくれるよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 19, 2008 11:27:22 AM
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