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カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
昨日日帰りで富山に出かけ、約500人の保育士さんを前に
講演させていただきました。 円形のステージで、ちょっと面食らってしまいました(笑)。 話すことを考えながら、そして帰りの飛行機のなかで、 わたしは、保育士という職業に特別の思い入れをもっている んだなーと、つくづく思いました。 「みなさんたちは、プロですから」と、たぶん、10回以上 言ったと思います。 みなさんたちは、プロですから、市民ボランティアの人たちと 同じような動きをしていてはいけないんです。 その自覚を持ってくださいと。 いま、保育業界は保育所保育指針の改定で大騒ぎなんだそう。 仕事人として、このポイントは当然はずせないでしょう。 でも、その外枠にある国の動きにも敏感でいてほしい。 それはなぜか? ということを考えたとき、それは、富山に暮らし、富山の 子どもたちの成長を支える、「ひとりの市民」としての 感性を持ってほしいということであった、と、開始直前に 気づいたのでした。 そんなわけで冒頭にまずお話したのは、保育士として、 プロとして子育て支援にかかわるものの立場と、 地域に住む市民としての立場と、その二つをみなさんたちは 持っているということでした。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 家庭での子育てが、かなりあやうい状況にある今、 子育てって何? 子どもってどんなふうに育っていくの? という素朴な問いに対し、 「ここに行って見てごらん」 といえるのは、保育園だけなのだと、 だから、みなさんたちが当たり前にやっていることが、 実はものすごく大切なことなのだと、 だから、誇りを持って仕事をしてくださいと、 お願いしたのでした。 子育ての肩代わりをするのではなく、 親が自信を持って子育てできるように、保育ができることは たくさんあるはず。 今、マクロレベルでは、 子育てなんかしたこともなければ、 わかってもいない人たちが、 「少子化対策」の必要性で、保育制度にメスを入れようと しています。 けんかが苦手なわたしたちは正論しか言えず、うっかりすると 将来に禍根を残すようなやばいことにもなりかねません。 「現場の危機」の自覚を保育園、保育士のみなさんには持って いただいたいし、 4つ葉プロジェクトのような市民の活動が、「保育を大切にした いのだ」と声をあげていることと、つながっていてほしいなと 切に思った次第です。 子育て支援NPOももちろんがんばってますが、歴史が浅いし、 まだまだ数も少ないし、基盤も弱いのです。 「保育」か「地域子育て支援」かと、つまらない対立をしている 余裕があるなら、今、何が危機かを自覚し、連携し、協力し、 力をつけることのほうが、よほど大切だと思います。 今度、タウンミーティングにお招きする高山静子さんは もともとは保育士で、その後九州大学の大学院で保育について 研究し、今は浜松市の短大で保育士の養成に携わっています。 研究論文の概要も読ませてもらい、彼女が、保育士の養成その ものから変えていかなければならないという問題意識を持って いることに、感動しました。 「保育に必要な、知識、技術、態度とは何か?」 を理論的に作り上げていこうという動きが出始めています。 それは、机上の空論ではなく、一子相伝の秘伝でもなく、 現場で使えるものでなくてはならないのだと思います。 そんなふうにして、もっともっと質をあげていってほしい。 「子どもを預かるなんて、誰にでもできるでしょ」 なんて言わせたくない。 そしてわたしは、そんな保育と保育士と、子育て支援を、 守る人になりたいと、つくづく思った次第です。 ・・・・・・・・・・・・ 最後に、まつりさんのコメントにも書かせていただきましたが、 うまく言葉にできないけれど、心が揺さぶられたってこと、 きっとあるよね。 北陸の人は、ストレートに気持ちを伝えるほうではないのは、 わたし自身がよくわかっていて、 だから、なんだかほんと、拍手で見送っていただいたのは、 ちょっと驚きでした。 「言葉で、すぐ、答えをください」と、ビジネスマンチックなこと を求めたりするんだけど、それは、たぶん、違うんだろうなーと 改めて思った次第です。 うちに秘めた熱いところに、火をつけることができてたら、 ちょっとうれしいなー。。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 1, 2008 11:52:25 AM
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