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カテゴリ:杉山千佳(子育て環境研究所)
杉山です。
前日の松田さんの日記を読みながら、つくづく、 「こういうことって、お金にならないから、 お金にしないから、イイんだよなー!!」 と思いました。 わたしもフルート持参で参加したかったワ。 今、政局が不安定なこともあって、政治の世界に 子育て支援の制度化要請を行う千載一遇のチャンスだと いった動きがあったりなんかします。 仮に 介護保険制度のようなもの。 となると、全部カネで測ることになります。 地域の子育て支援のネットワーク、 そのコーディネート、 個々人のニーズに合わせた子育て支援メニューの コーディネート、 当事者が子どもをつれて参加しながら場をつくるひろば、 支援の受け手をつくらないひろば、 子どもが電話をかけてくるチャイルドライン、 子どもが遊びに来る冒険遊び場、 子育て支援の地域情報の提供、 等々は、どう考えてもこの制度にはなじみません。 (おっと、どれもこれも松田さんがなぜかやりたがるような 支援メニューばっかりダワ) 一方、カネでなんとか測れるのは、せいぜい、 保育サービスか家事サービス、 プログラム提供、 と、まあ、・・・相談やカウンセリング? それだけでは、子育て環境整備としては、 到底セーフティネットにはならない。 というところで、「介護保険制度のような新しい制度」が 行き詰まる。 もちろん、上記の制度になじまないほうの支援メニューは、 無償で提供するべきだと言っているわけではなくて、 利用者が選んでカネを払って利用するという仕組みに、 なじまないわけです。 子どもたちが小銭握って、冒険遊び場に来たり、チャイルド ラインにお金払うって変でしょ? でも、スタッフには相応の人件費を支払いたい。 となると、どうすればいいか? それは、のりしろ。 のりしろがないと、つながらない。 いま、のりしろ以外の部分でさえ、景気の悪さでカツカツに なっているご時世で。 ぎりぎりのときの選択を問われる感じがします。 「こんなご時世に、親子の居場所だ? プレーパークだ? チャイルドラインだ? 仕事がなくなる人もいるのよ、家を失う人もいるのよ、 安心して労働できるよう、保育時間の延長よ、 病児保育の拡充よ、学童保育の拡充よ」 という声は当然出てくるでしょうなあ。 うーん、まあ、そうなんだけどね。 でも、子どもはさあ、それ望んでる? ここは、ちょっとというか、じっくりと 考えたほうがいいと思います。 ・・・・・・・・・・・・・ 制度は、たぶん、シビアな優先順位をつけて、「ご時世」に 合わせた動きをせざるを得ないんだと思います。 だからといって、みんながみんなその流れに合わせる必要は ないわけで。 どっちがいい、悪いではなく、 どっちかを選んで、どっちかを捨ててしまうのでもなく、 両方の価値が共存し、うまくバランスをとっていくことが 新しい、第三の道なのでしょう。 のりしろは、空気のような存在で、あるのが当たり前の ように感じて、わたしたちはついやりすごしてしまうのだけど、 なくなったら、取り返しのつかないことにもなると思うのです。 地味だから、わかりづらいから、よほどの感性を持っていないと 「ここが大事だ」と、いいづらいのだけど、 なくなったら、取り返しのつかないことになるってことぐらい には、そろそろ気づいてもよいのではないかと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 21, 2008 11:31:29 AM
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