1369130 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Headline News

Freepage List

Favorite Blog

子育て仲間*はらっぱ 子育て仲間*はらっぱさん
ふみぃとおかあちゃ… ふみぃままさん
ohana ha☆naさん
  トムテの日記  … Love☆翔さん
ちゃんぷる~ に 自… ぴかまま735さん
April 12, 2009
XML
杉山です。

これから週に1回、わたしが読んだ本の感想なり、考えた
ことなりを書いて、アップしようと思っています。

ブログマネジャーの松田さんに相談したところ、水曜日枠で
ということだったので、今後は水曜にアップできるよう
がんばりますが、ともかく一回目ということで、最近読んで
ちょっと元気が出た一冊をご紹介します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

『社会をつくる自由 -反コミュニティのデモクラシーー』
竹井隆人著・ちくま新書
書評1


 著者はわたしより若い人なのだけど、文章が古風、硬い
正直、ちょっと読みづらい。でもがんばって最後まで読み
ました。

 それはなぜかというと、彼の考え方、それを世に問う
姿勢が、とても真摯であったから。

NPOの世界などにいると、「コミュニティ」は必要なもの
と頭からきめてかかって、
「みんなでつながろう!」
「つながってさえいえれば、きっと世の中よくなる!」
「つながりから社会が変えられる!」
なーんて、思っちゃうし、言っちゃうんだけど、
著者はそれを、冷たく、鼻で笑うのです。

「『仲良しコミュニティ』をつくったところで、それは、
 結局は一部であって、世界中をつなげることなど
 できないしょ。
 キレイゴト言って同調圧力をかけている自覚あるの?」

そうそう、ちょっとでも「違う」とはじくよね!?


時間をかけて他者を理解しようとするのは結構だが、
それで、たかだか数人の他者のことを理解したと思い
込んだとして、それで「公共性」が育まれるものだ
ろうか。そんなものは、おセンチな人情ドラマに毒
されているだけではないか、と疑りたくなる。


「コミュニティ施設」が人びとの交流を活性化させる
と決め込み、それが人間の精神を決定するという不遜
な思想は捨てるべきではないか。


ってな調子です。

「仲良し」だの「コミュニティ」だの、そんなこと
している暇があったら、ほかにやることあるでしょ
というのが本旨で、

表面的な「仲良し」「つながり感にうっとり」
ではなく、

他者はあくまで他者であるという自覚を持ち
内面から理解する目を持つ。

そのための手法が「デモクラシー」であり、
「参加」や「熟議」を持つ。

そこで個人が社会に対していかに「責任」を
負うかを問う。


という原点に戻ろうと主張しています。


「仲良しになったね。つながったねー」と満足
するメンタリティから、
「自分たちで、社会をつくろう」といった思考へ
の転換が必要だと、著者は主張するのです。

・・・・・・・・・・・・・・・

これは個人的な経験によりますが、
『子育て支援でシャカイが変わる』などという
本を出したりして、「世の中を変えよう!」と言う時、
「つながってその輪が大きくなったら、変わるのでは
 ないか」
と、単純にイメージするわけですが、たぶんそれは
違うと思うのです。

よくよく見てみると、
つながったら、つながったことで満足してる感じが
する。

つながることで「個」が埋没し、ネットワークとか
団体とか組織とかになっちゃって、本質が見えなくなる。

「へーっ、こんな依存度100%で入ってきたんだ」と、
あとでビツクリ! みたいな場面にも出くわしたりして、

そういう人に限って「ラブ」だの「ピース」だの
「コミュニティ」だの「つながるって素敵」だの
言っちゃったりして、雰囲気ってほんま、怖い。

行き着くところは、個人としての責任と自立をひき
受けるってところに尽きるのだな・・・と、この本を
読んでも思いました。


村上春樹は、文壇デビューしたての若いころ、日本人の
ベタベタしたコミットメントがいやで海外生活を送った
ようですが、

アメリカ暮らしをしていたとき、あの国は個人を個人と
していさせてくれるので、なにもわざわざ自分から
「ひとりにさせてくれ!」とか
「個人を尊重するためにはどんなコミュニケーションが
必要か」なんて考えずにすんだようで、
日本で悩んでいたことが、どうでもいいことになった・・・
みたいなことを、話してらっしゃったけど、

そういう意味で、ある程度ものごとを考えている人
たちはわかっているけど、解決でききれていない、
「日本的」な深刻な課題って、あるのでしょうね。


著者の主張する厳しさは、ほんと、よくわかる。

「個人(このわたし)がそれぞれに、社会といかに
 対峙するのか」

を、これまで一度も問わずに今日まで来てしまったことを
痛感する次第。


その解決策としては、「仲良し」も「コミュニティ」も
たぶん、あまり役には立たない、むしろ同調圧力という
障害になる可能性もあるというのは、そうだと思います。


一方で、「個人が個人と対峙する」関係づくりもわたしたち
あまり上手でないかも・・・と、思うのです。
そこには、「愛」も「平和」も「仲良し」も
「つながり」も「思いやり」も、絶対欠かせないと、
確信しています(当たり前ですが)。

だから、社会に向かって「なんでもかんでもコミュニティ」
って叫ぶ暇があるなら、
デモクラシーの勉強して、個々人がそれぞれの責任を引き
受けた実効性ある主張をするなり、
アクションを起こす必要があるし、

対個人(一生のうちで出会える人、しかも心を砕きたい
と心底思えるような人の数なんて知れているわけだから)
に対しては、愛も平和も思いやりも全身で表現するって
のが、人間らしい生き方なのかもしれませんね。

そこへんの切り替えぐらいはできないと・・・。

ミクロ、メゾ、マクロ・・・で整理すると、
やっぱ肝は「メゾ」ですね。
そこは、ブラックボックス。

昔の地縁のコミュニティが、しんどかったから、みんな
それを断ち切って「個」になりたがったという歴史が
あるわけで、それは、「なかったこと」にも「否定」も
できない。

そして、「個」になりたいと思いつつ、でも責任も自律も
自立も十分でききれない個人が、ただつながりたいだけで
コミュニティを渇望したところで、それは、良い方向には
機能しないでしょうね。

マクロにつながるメゾ。

のためには、ミクロの強化。ひいては「個」の強化。
著者が言うところの「精神的体力」の強化。
(わたしは孤独に耐えるってことだと思う)

そこから、
かけがえのないあなたとわたしの関係づくりが
初めてできて、そして、マクロへと続く・・・
みたいな、イメージがあります。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  April 12, 2009 11:05:24 AM
コメント(0) | コメントを書く
[杉山千佳(子育て環境研究所)] カテゴリの最新記事


Profile

4つ葉プロジェクト

4つ葉プロジェクト

Category

カテゴリ未分類

(92)

4つ葉プロジェクト+からのお知らせ

(42)

飛び入り参加。賛同人のコーナー

(111)

杉山千佳(子育て環境研究所)

(1000)

中村美香子(さんさんぷろじぇくと)

(39)

當間紀子(子ども幸せ研究所)

(79)

山田幸恵(Home Start Japan)

(45)

松田妙子(NPO法人せたがや子育てネット)

(101)

今井豊彦(保育関係/小5・小3の父)

(65)

井出崎小百合(オープンハウス童楽)

(20)

いしやまきょうこ(子育てサークルamigo)

(76)

武田ひろみ(4児の母)

(28)

横浜市在住 小1と年少の母

(19)

葦澤美也子(Sereno)

(64)

川越在住、双子のワーキングマザー

(22)

「子ども・子育て」関連記事から

(5)

山田麗子(「遊育」副編集長/扶養なし)

(12)

市川望美(世田谷子育てサークルamigo)

(20)

中橋えみこう@わははネット

(4)

宇治だより 迫きよみ

(12)

NPO松戸子育てさぽーとハーモニー石田

(15)

青い森から 沼田ひさみ

(9)

福岡柳川より 森郁子

(25)

新潟県より 椎谷照美

(15)

子育て支援総合コーディネーター草薙めぐみ

(20)

めだかfrom冒険遊び場

(14)

北九州から古野です!

(4)

小原聖子・新宿・ゆったりーの

(8)

北海道より中谷通恵

(7)

山梨チーム参上!

(10)

月末男☆西川正(ハンズオン埼玉)

(11)

林恵子(福井県敦賀より)

(13)

佐々木久美子(秋田・メリーゴーランド)

(5)

長崎県雲仙市桑田久美子

(4)

コマームスタッフより

(15)

愛媛・山里通信 鷲野陽子

(4)

Comments

つばき@ Re[2]:【妊婦さん堂々と障害者用駐車場を使えますよ】(07/20) はりまであいあいのBEKKIさんへ その気持…
つばき@ えええ 身障者の車椅子ユーザーからするとかなり…
はるか@ Re:極低出生体重児の親の会に参加(05/14) 何グラムで生まれたかって、別に未熟児で…
村松利安@ Re:PTA活動やってます(浜尾朱美)(09/14) ブログと無関係な案件で失礼します。昔、…

© Rakuten Group, Inc.
X