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カテゴリ:YO-YO私事
メイクの仕事をしていると、よく若いヘア&メイクアップアーティスト志願の方から、「お手伝いさせて下さい」というような内容の連絡を頂きます。
一見アシスタント自己推薦のように聞こえますが、このテのアプローチをしてくる方の大半は、まだ専門的知識や技術もなく、ヘア&メイク学校へ行こうか行くまいか迷っている段階で、取りあえず現場を見てみてから決めたい‥という印象を受けます。 あるいは、学校へ行く資金が現時点でない為に、ぶっつけ本番で経験を積んで、「見てテクを盗む」という古来の方法を取り入れようとしている方もいます。 いわゆる「弟子入り制度」です。 「アシスタント」という役割の詳細については、後日特別にページを設けるつもりですが、ちょっとその前に、これからヘア&メイクアップアーティストになりたいと思っている方々にお伝えしたいことがあります。 アシスタントと言っても、それはメインのヘア&メイクさんをサポートするという表面的な立場だけでなく、れっきとした「アシスタントとしての責任」があるのだということを自覚して下さい。 プロのヘア&メイクは、ただ「教えてあげる」為だけにアシを起用するわけではありません。 むしろ、それを重点的に期待されると単なる仕事の負担以外の何ものでもないのです。 撮影現場は戦場です。 役割分担をこなせない人間の存在は、邪魔になるだけ、費用の無駄になるだけ。 (たとえタダ働きでも、交通費や食費を負担してあげなければならないので、プロダクションの金銭的支出になります) YO-YOは、ちゃんと払うものを払って専門知識と技術を身に付け、いちいち指図しなくても、やるべき事はやってくれる‥存在価値のある方しかアシにはしません。 辛口に聞こえるかも知れませんが、プロの仕事場をあなどっている「志願者」があまりに多いので、若い方達に現実を心得ておいて欲しいのです。 よく「どこまでもついてゆきます!」とか「なんでもします!」という気合い一杯の若い方がいますが、問題は「実質的に何が出来るか?」なのです。 結構このテの人に限って、実際の現場を体験すると「こんな筈じゃなかった」「思ってたのと全然違う」と膨らんでいた希望と夢が呆気無くしぼむ傾向があります。 ヘア&メイクの仕事現場は、決して普通の人が想像するような優雅でカッコ良い場所ではありません。 早朝起床&夜間帰宅、重い荷物と不自然な体勢による持病の腰痛や肩凝り、汗だくになってロケ中を走り回る、大人数の現場での気疲れ、細やかな配慮、鋭い気転、そして何よりやり直しが許されない切り詰めた時間内でのプレッシャー。 「ただお仕事風景を見せて頂くだけでも良いんです」という方が多いですが、戦争のような撮影現場で、他の人の邪魔にならないようにするだけでも大変なのです。 もし、これからアシスタントとして経験を積みたいと考えている方がいたら、先ずは「アシスタントのプロ」になる位の意気込みと実質的な用意をしておいて下さい。 本当に「デキル」プロは、本来アシなんて必要ないんです。 一人で何でも全部出来ちゃう。 でも、それではあまりに発展的でないので、アシを起用する。 または、理論的・物理的に一人では不可能な場合にアシを必要とする。 だから、安心して何かを任せられる人でなければ、アシの意味がない。 だから「貴方が居てくれて助かった」と言って貰える位の事が出来る自信がないのであれば、安易にアシ志願はしないで下さい。 「アシスタント」も立派な独立した仕事です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/06/16 10:58:15 PM
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