|
テーマ:海外生活(7775)
カテゴリ:海外
レンタカーでアトラス山脈を越える。
来るときに見た崖沿いの道。 細くてガードレールの無いあの道がちと心配ではあった。 が、実際に走ってみると、どーってことなかった。 あれ、人の運転だから怖いんですね。 突然路肩にはみ出されると、ビクッ!っとするが、自分が運転してはみ出すぶんには、当然わかってるんでへっちゃら。 お、いい景色! この辺で休憩するとするか。 車を脇によせて・・・と。 「うひゃあああああ!」 ん?どうした、バカンポ。 「お前!止まるなら止まるって言ってから車寄せろよ!」 おお、スマンスマン。 彼にとっては行きのワゴン車と同じ、「人の運転」なのだった。 モロッコの自然は雄大だ。 砂漠があるかと思えば、こうして巨大な山脈が横たわっていたりする。 「な、レンタカーにして正解だったろ?」 「うん。いいね。のんびりできて」 バカンポ君の目の中に、わずかながら信頼の色が見えてきた。 ニヤリ。 マラケシュまで約7時間ほど。 一度も道に迷うこともなく、おいらは車を走らせてみせた。 どうだね?ふふん。 ここにきてやっとおいらは面目を回復させたと思った。 が、ここからが大変だった。 車がマラケシュの街に入り、「ああ着いた」と思ってから、お約束の迷走が始まる。 レンタカーを返す場所に、おいらは前回マラケシュで宿泊していたホテルを指定していた。 そこはフナ広場の近くだし、わかりやすいと思っていたのだ。 例えば、大阪から東京まで行け、と言われれば、地図などなくても標識だけを頼りに行けるであろう。 問題は東京に入ってからである。 「品川駅の近くのホテル○○に行け」となったら、とてもカンでは辿りつけまい。 同じように、おいらはマラケシュの街に入ってからの事は考えていなかった。 う~ん、わからん。 ここ、どこ? 「どうすんの?ホテルに着けるのかぁ?」 バカンポ君は、すっかり不安顔だ。 「まぁ、まかせとけって!なんとなく行けそうな気がするし」 迷うことには、けっこう慣れてるおいら。 ヨーロッパ各国でさんざん道に迷った結果、たどり着いた真理があった。 それは、そのうち着く!ってこと。 迷いながらも、頭の中で地図を組み立て、消去法で一度通った道、方向を排除していけば、そのうち目印になるようなヒントにめぐり合うのだ。 だから、まぁ、そのうち着くってわけだよ。バカンポよ。 ん!ここは左だ。野生のカンがそう言っている! おいらはとある交差点を左折した。 どうやらそれは、大失敗だったようだ。 道は、細くて混雑するスーク(市場)に入ってしまった。 細い道路を埋め尽くす人、人。 荷車を引くロバなどもいて、前に進めない。が、後ろにも戻れない。 突然そんなところに車で進入しちゃったもんで、大迷惑。 モロッコ人オヤジがオイラの車の窓をバンバン叩き、怒鳴りつけてくる。 「あひー!すみません!すんません!」 人ごみの中、ついに進退窮まってしまった。 モロッコ人たちは、車の中であへあへ化するおいらと、石化するバカンポ君を見て痺れを切らしたらしい。 一人の男が「どうした?何がしたいんだ?」とゆーような感じで何か言ってきた。 英語もアラビア語も通じない事がわかっているので、とりあえず 「フナ広場!フナヒローバにイキターイ!」 と、やけくそで叫ぶ。 モロッコオヤジは、「しょうがねえなぁ・・・」って顔で、車を取り囲む人たちに向かって「おーい、このボンクラどもを外に出すから、道を開けてやってくれー」とでも叫んだのであろう。 サーッっと車の後ろの人々が道を開けてくれたのだ。 オヤジの誘導のもと、バックでなんとかスークから脱出する。 冷や汗たらたら・・・。皆さん、ホントすいません。 街道に戻り、オヤジから「あっちだ」とゆー大雑把なアドバイスをもらい、そっちに走っていくと、拍子抜けするほどあっさりと、そこにフナ広場があった。 つ・・・・着いた・・・。 恐る恐るバカンポ君を見ると・・・。 彼はシートに身を沈め、ぐったりとしていた。 「俺、殺されるかとおもったじゃ~・・・・・」 車をぐるりと取り囲まれて、罵声を浴びるって、確かに怖いね。 さすがにわしもグッタリ。 ホテルの前に車を停め、二人でぐったりしていると、窓をコンコンと叩く音が。 びくぅ!として見ると、ワルザザードのレンタカー屋のオヤジであった。 「係の者が車を取りに行く」って言ってたけど、 アンタ本人かぃ! その夜、さすがにわしら二人は夜の街に繰り出す元気もなく、ホテルに入ってぐったりと寝たのでありました。 ブログランキング←崖っぷちの50位でーす(涙) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[海外] カテゴリの最新記事
|