ニーハオ中国

南六環に買ったマンションの一室の引き渡しに行き、
はじめて完成した物件を見たつばめ。
敷地内は緑豊かで、小川や噴水、小さな公園もあり、
なかなかいい感じ。

夫が引き渡しの手続きをしている間、
つばめは子供二人を連れ、ミニ公園へ。
公園にはジャングルジムにいくつかの滑り台が
くっついたような遊具と、ブランコが２つ。
ブランコには小学生ぐらいの女の子が二人、乗っています。

うちの子供たち、しばらくジャングルジムや滑り台で
遊んでいましたが、しばらくすると飽きて、
ふたり目ちゃんはブランコのほうに駆け寄っていきました。

「順番だからもうちょっと待ってね」

とふたり目ちゃんに言い聞かせ、
ブランコから少し離れた場所で待っていましたが、
女の子たちは、一向にブランコから離れようとしません。

そばにいた女の子のお母さんのうちの一人が、

「ほら、替わってあげなさい」

と口だけは言いましたが、女の子たちは
「イヤ！」と言ってブランコに乗り続けます。
お母さんもそれ以上女の子たちに何も言うことなく、
ほったらかしです。

ふたり目ちゃんが乗りたいとぐずるので、
つばめは子供たちを連れて、敷地内の噴水を見に行くことに。

しばらくして戻ってみると、
まだ、女の子たちはブランコに乗っています。

「私も乗りたい！」

とふたり目ちゃんがブランコに駆け寄りましたが、
女の子たちは無視。ふたり目ちゃんの声が聞こえているはずの
女の子のお母さん達も、見て見ぬふりです。

だいぶん経ってから、女の子たちは
やっと飽きたようでブランコを下り、
ジャングルジムのほうへ移動。

つばめがチビちゃんとふたり目ちゃんを呼んで、
ブランコに乗せようとすると、
女の子たちが駆け戻ってきて、
ブランコを奪おうとします。

ふたり目ちゃんはすでに乗っていたのですが、
鎖に片手をかけていたチビちゃんは、
女の子に鎖を引っ張られ、手を放してしまいました。

チビちゃんはしょうがなくまた、ジャングルジムのほうへ。
ふたり目ちゃんがすぐブランコに飽きて下りたので、
チビちゃんを呼ぼうとすると、
なんと、女の子のママがすばやくブランコに座りました。
わが子のために、席取りまでするのには
あきれ返りました。

「ボクもブランコに乗りたい･･･」

と言うチビちゃんに、

「あの子たちは全然譲ってくれないし、
あの子たちのママもおかしいから、もうほっときなさい」

と言ったのだけど、チビちゃん、諦め切れず、
ジャングルジムの上から、

「ねぇ～、ちょっとブランコ替わってよ～」

と言うと、ママ達ももう帰る時間だったようで、
女の子達もブランコを下りました。

やっと、ブランコにありつけたチビちゃん。
ふたり目ちゃんとともに、ブランコをこごうとした
その時、向こうから4歳ぐらいの女の子が
掛けてきて、チビちゃんのブランコの鎖をつかみました。

するとチビチャん、さっとブランコを下り、

「君もブランコ乗りたいの？」

とやさしく言って、その子にブランコを
譲ってあげたのです。

立ち去ろうとしていたさっきの女の子と
そのママ達を前に、
つばめは誇らしい気分でした。

後で夫に、
あのママ達の常識のなさに腹が立ったこと、
チビちゃんのやさしさを誇らしく思ったこと、
でも、チビちゃんはこんな風で、
中国の競争社会でやっていけるか不安に思ったこと、
等を話すと、夫、

「没问题。吃亏是福
（大丈夫。損をするのは福だ）」

と一言。

あの女の子たちは、一見、得をしているようでも、
結局人に嫌われて損をする。
チビちゃんみたいなのは、
一見損をしているようにみえるけれども、
人に好かれる「福」がある。

ということのよう。
それを聞いて、中国社会だからどうとかいうのではなく、
この子なりのよさを伸ばしていけばいいのだ、
と思ったことでした。

親は子供をあるべき方向に教え導いていくべき存在かと
思いますが、逆に子供から教えられることのほうが
多い未熟者のつばめです。


↓近所の公園でふたり

照片 049 posted by (C)つばめ


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