なぜ宮古島の給油所はバイオエタノールを販売しないのか?
注:2008/7/27 あくまで給油所現場にいる個人の見解です。明日には変わっているかもしれません。なぜ宮古島の給油所はバイオエタノールを販売しないのか?最近マスコミ関係者から問い合わせや取材依頼が増えてきました。バイオエタノールで宮古島が注目になることはうれしいことだと思います。しかしながら、燃料を取り巻く環境が目まぐるしく変化しており、なにが正しくて間違っているのか判断できません。ですから、直接答えることは大変難しく、誤解されるとバイオエタノール開発に携わる人々(環境省やサトウキビ農家)や給油所業界、給油所の従業員など、いろいろな人達に迷惑をかけてしまう恐れがあるので回答に困っています。どうも質問のされ方を勘ぐると、元売り批判の返答を期待しているようですが、これも本質から大きく外れているとおもいます。私も最近までバイオエタノールを販売できないのは元売りが許可を出さないからだと悪く思っていました。もちろん企業として利益の問題も大きいでしょう。当店でも行政関連車両がE3燃料になったため、販売量が減りました。しかし、今年4、5月の燃料暫定税率問題で考え方が変わりました。価格が世界情勢だけでなく国内政治にまで左右されてしまい、商売にならないのです。バイオエタノールに関しては、新日本石油のETBE配合 対 環境省の直接混合方式これに加えて東燃ゼネラル石油が沖縄の南西石油(製油所)全株式を、ブラジルのペトロブラス社に譲渡されたことで、(新日本石油のETBE配合×環境省の直接混合方式) × (ペトロブラス社輸入バイオエタノール+商社系輸入バイオエタノール)という競争?が見えてきたようです。時代の流れとしてバイオエタノールを販売できる様に、会社が自己設備投資しようかと考えていた矢先、暫定税率問題で設備投資基準である売上げ予測もできない状態になりました。推測ですがバイオエタノールを精製するのにも莫大なコストがかかり、ガソリンよりも価格が高くなるのではないでしょうか?地産は理解しておりますが、消費者である宮古島の島民が、輸入燃料よりも高い宮古島産燃料を購入してくれるでしょうか?また、宮古島でも過去に粗悪な「混ぜものガソリン」で損害受けた経験を覚えている消費者も大勢います。この失敗に恐怖をもっていて危機感を持っているのが元売りであり、二度と起こしたくないトラブルのはずです。6月27日に発生した隠岐の島の燃料トラブルでも重大さがわかります。給油所に働く者が一番怖いのが誤給油、燃料トラブルなのです。日本全土の車両が燃料抜き替えなんて事態になれば社会が機能停止に陥ります。宮古島内でも同じことです。ですから元売り批判をするのは愚かなことだと私は思うようになりました。給油所は危険物取扱所であり、消防法や揮発油販売業法等、多くの法律に基づいて営業し燃料販売を行っております。給油所は、法律に基づいた施設で安全に、確かな品質の燃料を仕入れて販売する義務があると思います。「なぜ宮古島の給油所はバイオエタノールを販売しないのか?」私も宮古島のバイオエタノールに期待していますが、給油所の経営者判断で商品(燃料)を自由に選んで仕入れられるとしても責任はあまりにも大きすぎます。お客様が購入するかわからない商品を、あなたの責任で仕入れますか?業者間での仕入れ価格差や食料問題とか難しい問題は消費者は考えていません。「バイオエタノール混合ガソリン販売中。購入は自己責任でお願いします。トラブルは責任持てません。」あなたは愛車や業務車両に給油しますか?販売業者である給油所は、元売りの品質管理のもと安心して販売できるのです。結局、安易な認識や言葉足らずで「元売りが許可ださない」ですまされているような気がします。私は現在の認識では、どのような燃料であろうと、元売りが確かな品質の商品を製造(卸し)できる体制になり、信頼できる販売店(給油所)に許可をだし、安心して消費者に小売りできるのが商売としては確かなような気がします。もちろん、20年以上前の車がまだまだ走っている、宮古島モデル地区の車両で実験し実証されればすばらしいことです。いい方向へ平和的利用を個人的には願ってます。「なぜ?」燃料に限らず、何事にも本質が求められる時代に入った気がします。ちなみに私は今月から、バイク通勤から自転車通勤にかわりました。油吉ぶちょう達うさぎの餌も兼ねて、レモングラスとモロヘイヤ栽培始めました。注:2008/7/27 あくまで給油所現場にいる個人の見解です。明日には変わっているかもしれません。