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テーマ:気になったニュース(30411)
カテゴリ:時事
おととい、アメリカの元政府高官が、小沢が首相になったら、日米関係に悪影響があるというふざけた発言をしたという報道がある。
言う方も言う方だけど、報道する方も報道する方だ。 まず報道する側からいえば、「元政府高官」(役職は書いてあるけど)だけだと、肝心な情報が抜けている。 どこの政権のときの肩書きなのか、がない。共和党政権時代なのか、民主党政権時代なのか、不明である。 日本でも何々首相のブレーンとかいう言葉が使われているが、今の首相がその首相とは違う政党であれば、あまり登用されない以上に、アメリカでは、その傾向がはるかに激しい。なので、たとえ「政府高官」がいったといっても、その言葉が現政権の意見を反映しているのか、現政権を批判したいからいっているのか、見極める必要がある。負け犬の遠吠えなのか、真剣に日本が考えるべきことなのか、はっきりするべきである。 もっといえば、この人は、ブッシュ政権時の高官であり、元政権とは何の縁のゆかりもない人間だ。 2012年に共和党が政権を奪還するという見通しをもって、こういう発言を今から載せるという、長期的視野で立っているというのなら別だが、(まずこの線はないだろうけど)、安直に元政府高官で日本で名前が知れているから、記事ネタが最近ないから、適当に捕まえたなんていう理由で取り上げたとしたら、不勉強にもほどがある。 例えこの記者には常識なのかもしれないが、日本の読者はいちいち誰がどの政権なのか、なんて覚えているとは限らない。必ず、どの政党なのか、乗せるべきである。 次に、言う方のことだが、好き勝手言うのは自由ですが、まず以て、内政干渉だ。通常は誰が首相になろうと、アメリカ政府は建設的な関係を結んでいく姿勢である、というのが、筋である。 なのに、そういう発言を記者の前でオンレコでするというのは、親友の前原氏や長島氏のために言っているのか、自分がいえば、小沢が引っ込むとでも思っているのか(むしろ、逆効果だと思うし、傲慢にもほどがあると思うが)。 基本的に、この人は、ガイアツをかければ日本は譲歩すべき、という思考の持ち主だと思われる。ブッシュ・小泉時代、この人は、日本がイラクでの油田獲得に何ら手助けしてくれるわけでもないのに、日本がイランのアザデガン油田でもめたときも、真っ先に日本はイランから手を引けと言った人だ。 交渉時に、人が妥協するというのは、相手と長期的な良好な関係を維持したいと思っているからやっているわけで、相手が別の場面で助けてくれるとか妥協してくれるとかいう期待がある。日本の外務省もきっと見返りに何がほしいとはっきり言わなかったり、ぼーっとしてるんだろうけど。 それをひたすら妥協を求めるだけなら、それは外交は外交でも軍艦外交だ。多少なりともそんな簡単にいかない相手は、この御仁には手に負えない、ということを自白したということだろう。 その程度の人を追いかけるより、もう少しまともな日本研究者を探したら? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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