668643 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

我思う、ゆえに我あり

我思う、ゆえに我あり

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Freepage List

Profile

yukie_yo

yukie_yo

Category

Calendar

September 25, 2010
XML
カテゴリ:雑考あれこれ
今日はニュースを見ているだけでブルーになる日だ。

アメリカから、尖閣諸島問題ではアメリカは日本を同盟国として支援するとまで言われておきながら、(旦那が大統領のクリントン時代、尖閣諸島についてアメリカは消極的だったのに、今回はかなり明確な言質をもらったのに)何で保釈でもなく、取調べの途中なのに、釈放するのか?中国の反応が想定以上に過剰なのは分かるけど、そんな程度でびびって釈放するんだったら、最初っからしょっ引くな。

さらには、中国から賠償まで要求される始末だ。もうやってられん。

けど、裏があるのかもしれないので、後でもうちょっと調べてみます。

さて、本題。

著者は、元慶応の経済学部の教授で、自らも官僚支配を打破しようと臨調、税調で奮闘した人物だ。経済の先生だけあって、官僚主導の源泉を経済学的に説明してくれているんだが、分かりにくい。

けど、経済学をあまり使わないで説明している部分もあって、その部分は面白い。

この本は、97年に書かれているが、それだけに今さら読むと、なるほど、と思うこともあり。やっぱり当時の方が物事をはっきりいうんだ。そして、はっきりものごとを言ってくれた方が、読んでいる方としてもすっきりする。

行政改革(行革)の歴史を明治時代から書いているところ辺りから面白くなってくる。

福沢諭吉の甥の中上川が三井に入って、政商の馴れ合いから生まれた不良債権をばしばし回収し始める。東本願寺の取立てでは、秀吉から寄贈された建物を差し押さえるぞ、と脅したので、中上川は仏敵だ、といいまわって全国に喜捨行脚に行き、借金の金額をはるかに上回る喜捨を集めたとか。何だ、ハゲタカにまかせなくても、できた時代があったんじゃん。

昭和初期、若槻内閣で井上蔵相が頑固として官僚の給料引き下げや、国営企業の社員の給料引き下げ、軍縮、などに取り組んだ。

けど、若槻内閣がひっくり返って、高橋是清が蔵相になると、政府の赤字拡大を覚悟で支出増大することで、景気回復に向かう、大転換が起きた。

戦争中はその傾向がますます高まり、統制経済にまで行きつき、戦後も、やはり政府のリストラ、リエンジニアリングに政治家(福田赳夫、大平正芳)が取り組むものの、敗北。未だにこの構図は変わっていない。

官僚が経済発展の旗振りの役割が終わった70年代の終わりから80年代の辺りから、官僚主導の弊害が徐々に広がっていく。だって、官僚に次の産業が日本経済を牽引していくかなんて、前例がなけりゃ分からんもん。そして、日本経済はすでに西欧というお手本に追いついてしまったのだから。

そして、(官僚上がりではない)根っからの政治家が官僚主導に立ち向かうべく戦っていた。解説してくれないと分かりにくいが。

分かりにくいのは、隠れ蓑もなく、正面から攻めていくと、なかなか落ちない、難攻不落の牙城だから。

橋本内閣のときでも、行革でビッグバンだとかいって、省庁の統廃合をやったけど、結局看板を変えた程度で、業務はほとんど減らなかったはず。

地道に戦略をもって官僚制度と戦わなくてはならない、という著者の言葉に深くうなづく。

それでも布石は一つ一つ打たれていく。

1)行政手続法
これで、中央官庁の許認可権限を縛る。いわゆる、行政指導ができなくなった。官庁が待ったをかける場合には、その根拠を示せ、さらにそれに従わないからといって報復措置を取ってはならない、という縛りだ。実際、「経団連110番」というものがあるようで、そこに訴えて経団連に発言してもらうと、中央官庁もあがききれないようだ。実は、他にも行政相談員が5000人もいるそうだが、存在から知られていないので、ほとんど使われていない模様。あれ?

2)情報公開法
官僚の最大の武器である、隠し持っている情報を公開させる。普通の人にはわからない、「官庁文学」という言葉がすべてを物語っている。特殊法人の経営状況はほとんど公開されていないので、公開させる。ほとんどは火の車で、財投から資金を得て生存している。なので、この実態をまず明らかにする。

3)特殊法人を兵糧攻め
特殊法人はよく天下り先だ、無駄な事業をやっている、とかよく批判されるけど、特殊法人だけを取り締まっても意味がない。なぜなら、特殊法人という形ではなく、違う形(認可法人、公益法人)で同じことをするから。で、手っ取り早いのは、財投からの資金が行かないようにする。

4)財投を縮小
財投そのものを縮小する。そして財投の主な資金源といえば、郵貯。こうしてみると、小泉の郵政民営化の意図がはっきりと分かる。この本は小泉登場前に書かれているが、郵政の分割民営化の重要性をちゃんと指摘している。

郵便局は、民間に許されていない、銀行業と保険業を兼業している。これでは、郵便局が有利であるのは目に見えているし、実際1/3のお金が郵便局に流れ、財投という形になって、無駄なところに回って、経済活性化に役立っていない。本来は民間金融機関に回って、しかるべきところに回すべきお金である。

もっといえば、郵便局は東京だけでなく、地方からもお金を吸い上げる。そして、中央から地方へお金を配分・還流する仕組みになっている。

ということは、地方活性化に本来回すべきお金があまり地方に戻らない、という弊害が生まれる。実際、「三割自治」という言葉がある。地方税が収入全体の3割でしかない、或いは地方自治体がやっている事業のうち地方独自のものは3割にしかならない、からだという。地方を活性化させるには、こうした仕組みを壊して、地方にもっと権限委譲するさせるのが一番だ。

なので、この財投という仕組みを壊すと、民間にもっとお金が回り、特殊法人が死に絶え、官僚がやらなくていいのにやっている仕事を減らしていく。(官僚の人数を減らすというより、業務を減らすことに集中した方が改革を進めやすい、と著者は経験から語っている)

そうすると、官僚支配が大分衰え、より小さな政府が生まれ、税金が下がる。

でも、何よりも、国民の問題意識が大事だという。

なぜ?今までの官僚による護送船団と呼ばれていた、保護主義では日本はやっていけないわけで、その保護膜(官僚制度)が重すぎて日本経済は息絶え絶え。とっとと身軽にならないと、死んでしまう。だが、この保護膜でぬくぬくしていたい、既得権益側はその延命に躍起だ。その抵抗に屈しないように、国民がちゃんと監視、監督していくしかない。

で、根っからの政治家の時代になると、こうした動きが打たれていく。そうした政治家の筆頭が、小沢一郎だ。

そう考えれば、事業仕分けも、情報公開だし、官僚の業務そのものの削減につながる。また、特殊法人をかなり取り上げているから、特殊法人つぶし、或いはその主要業務つぶしにもなっている。そして、何よりも、国民の問題意識の向上に役立っている。また、天下り禁止も、特殊法人への締め付けだ。天下った人間の頭数だけ予算を財投でもらっているだろうから。

けど、小沢が老獪なのは、それをそうだと言わないこと。小泉も、はっきりと郵政改革の意味を説明しなかった。いえば、もっと猛反発を食らう。(いわなくても十分食らったけど)

10年以上前に書かれた本に、ちゃんと戦略が書いてある。そして、官僚制度と戦おうとしている政治家は手を変え品を変えても、基本は上記の通りに動いている。なのに、何でメディアにでてくるような「専門家」たちは、とんちんかんなことをいい、(小泉は郵政省が嫌い、とか訳分からん)そんな意味不明な人たちをメディアは、持ち上げ、その言葉を氾濫させるのだろう?





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  September 25, 2010 03:16:44 PM
コメント(0) | コメントを書く
[雑考あれこれ] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.