コスモポリタン・ライフ

昨晩、不思議なことが起こった。




夫はいつものように帰宅し、



ドアを開けたとき、



「あ、忘れ物をした・・・・



いっしょに取りに行く？」



と、言う。



自分だけでは行かない理由があるんだ・・・




いつも夫は、



何かあるときはこういう言い方をするので



私に関係する何かがある、



というのは「臭った」。



だが、そのまま



いっしょに地下にある駐車場まで降りた。






エレベーターの中で、夫は



「仕事場でいらなくなった机があって



スプレーしなおして使えるようにしてもらったよ」




と言った。




ああ～、



なるほどね～。




ちょっと前から私が買おうかどうか迷っていた机を



「リサイクル」的にゲットしたらしい。



で、



それを持って帰って来た、




ということだった。






駐車場に降りた私たちは車のほうへ・・・




夫は外から車をのぞく・・・・・




両手で目を囲って見る・・・




見る・・・・



見る・・・・




そして、



私も見る・・・・





しかし、机はどこにもない・・・・



「あれ？ないよ～」と私。




夫も何が何だかわかっていないらしい。




「持って帰ってきたんじゃないの？」






夫の説明では、



ちょうどそのとき、忙しかったらしく、



仕事場の部下に




車のトランクに入れてもらうように頼んだというのだ。




私たちの車も指し示し、キーも渡したらしい。




が、




入ってないのだ。





夫は、



「疲れてて記憶がはっきりしないのかな・・」




と言ったが、




それにしては事実が揃いすぎているではないの。




いくら夫が立ち会ってなかったにしろ、



その部下は私たちの車がわかっているのだし、



キーも夫のもとに戻ってきている。





では、何が起こったのか？






夫は、その頼んだ部下に電話をする・・・・




電話口で何度も繰り返されるのは・・・



車種と色のこと。





しばらくして、




トリックが明かされ始めた・・・・





その部下が言うには、




夫の車の近くに



同じ車種があった。



＋



その車のトランクが開いていた。


・・・・らしいのだ。




その部下は、




それを夫の車と誤認し、



どうやらそこに入れてしまったらしい・・・・




たまたまトランクも開いていたので、



キーが合致するかどうかも試さなかったということだ。





しかし。




その車は、




なんと、ブルー。



私たちの車は・・・・



シルバーなのだ。




この２色をいったい、どうやって間違えるのだ？




これじゃあ、色盲じゃないの～





要するに、



私たちが手にいれた机は、



見も知らない他人の「同じ車種」「違う色」の



車に閉じ込められたまま、



どこかに姿を消してしまったのだ・・・・





その車の持ち主は、



驚いたに違いない・・・・




そして、その机が戻ってくる確率も・・・・




ない・・・・




そんな～。




ちょっとがっかりだな～。







それにしても、



この部下、



「謎の仕事人」と呼ばせてもらおう。



彼の記憶は




夫の記憶より



はるかに飛んでしまったに違いない。



それにしても、




彼はいったい、どうやって間違えたのだろう・・・