「こころの健康講座」を受講して
保健所主催の「こころの健康講座」を受講してきました。(2014.09.07)北川睦先生の「不安や心配との上手な付き合い方」には改めて共感しましたので、ここで紹介させて頂きます。(私なりの解釈が入っていますので、読み手の方それぞれの解釈をお願いします。)「不安」や「心配」は、人によって程度は違うけれど「ストレス」です。ストレスを感じると心臓はバクバク、過呼吸、胃がキリキリ、体が硬直等の様々な反応が起こります。その誰にでも起こるストレスは、動物にとってごく自然なことで、生存のための肉体反応(3F)と言います。1.闘う(Fight)2.逃げる(Flight)3.固まる(Freeeze)肉体反応(3F)時は、前頭葉への血流が滞って、考えていては生き残れない!心肺機能(心臓のドキドキ)を高めて次の行動の準備をしています。その時のストレスの種類や程度、その人の特徴によって、1.闘う(Fight)、2.逃げる(Flight)、3.固まる(Freeeze)が選ばれています。いずれも生き抜くために必要な動物の能力の一つです。では、無くすことのできない「ストレス」と上手に付き合うコツは?人にはそれぞれ、ものの見方に癖があります。例えば、こんなふうに。。。。1.出来事 : 挨拶をしたけど、相手から返事が無かった。2.認知 : 無視された3.気分 : 悲しい、腹が立つ、混乱4.行動 : 攻撃、回避、緊張人は、それぞれにものの見方に癖があり、1.出来事に対して、2.認知→3.気分→4.行動を繰り返してしまいます。例えば、挨拶に返事が無いことで毎回、2.認知:無視された→3.気分:腹が立つ→4.行動:攻撃を繰り返していたら、段々と人が遠ざかってしまうのではないでしょうか?自身もストレスが蓄積して身がもちません。同じ状況でも「認知」を変えるだけで、ストレス無く状況を整理することができます。1.出来事:挨拶をしたけど、相手から返事が無かった。2.認知:聞こえなかったのかな?3.気分:穏やか4.行動:大きな声でもう一度挨拶してみよう毎回うまくいくとは限りませんが、「認知」は変えることができることを知っておいて欲しいと思います。 ここで、よくある「認知」の癖について紹介します。1. 白黒思考物事に対し[白か黒][0か100]といった極端な捉え方や決断をし、中間にあることを考慮にいれる柔軟な思考をしない。ほとんどの問題は,[白か黒][0か100]のどちらかに決めることはできず、事実はそれらの中間にあるものですが、物事を見るときに、「白か黒か」という両極端の見方をしてしまうことを「白黒思考」といいます。【例】 無視するなんて悪いことだ!私の何が気に入らないのか?はっきりさせてやる!2.一般化のしすぎ1つや2つの良くない出来事で「すべてが~~だ」「いっつも ~~だ」と思い込んでしまう傾向。【例】私はみんなに嫌われているんだ。 3. 心のフィルター(心のサングラス)ちょっとした欠点を大事として捉え、他の全てのことを無視してしまう。 4.マイナス化思考単にネガティブになるだけでなく、なんでもないことや、成果、成功に対しても割り引いて評価してしまったり、良い出来事を無視したり、悪い出来事にすり替えてしまう。【例】無視されるのは、私が何か悪いことをしたからかな? 5. 結論の飛躍根拠もないのに悲観的な結論を出してしまう【例】 相手が挨拶しないのは、私のことが嫌いだから無視しているに違いない。6. 拡大視と過小評価自分の短所や失敗を必要以上に大変なことに捉え、自分の長所、したことに対する成果や成功はほんの些細な事と小さく見積もってしまう考え方。7. 感情的決めつけその時の感情で出来事や事実を決め付けてしまう。(感情のままに言動してしまう。)感情的に決め付けてしまうことで、ネガティブな思考、感情が心の大部分を占めてしまう。 8. ~べき思考何かやろうとする時に「~すべき]「~すべきでない」や「~~はこうあるべきだ」と考えてしまう。 9. レッテル貼り「自分はダメなやつだ!」「無能な人間だ!」などと自分にネガティブなレッテルを貼ってしまうこと。10. 自己関連づけ(自己中心思考)何か悪い事が起こると「いけないのは自分だ!」と自分に直接関係ないようなことでも自分のせいにしてしまう。では、ここで紹介した「認知」の癖は全て悪い癖なのでしょうか?これらは人間が生きるために必要なものだけれど、偏り過ぎるとしんどくなるので、ほどほどに偏りを修正できる事が大事なのです。例えば、プラス志向だけでは自信過剰でかえって心配になります。適度にマイナス思考を持ち合わせて、自分を違った面から振り返ることも必要なことです。最後に、脳は勝手に行動をして、ストレスを感じた時は前頭葉への血流が滞って思考が停止しがちです。こんな時こそ、一歩踏みとどまって自分の認知にゆがみが無いか?悪い認知の癖が出ていないか?自分を違った面から振り返ることが大切なのだと思います。出来事は変えられないけど、「認知」は変えられる。そして、「認知」が変われば気分や行動も変えられる。「言うは易く行うは難し」だけれども、納得の講習でした。