ランニングシューズの価格と品質は無関係
ランニングシューズは、価格にかかわらず品質に差がないことが英スコットランドの研究で示され、スポーツ医学誌「British Journal of Sports Medicine」オンライン版に10月11日掲載された。ダンディDundee大学運動解析研究所のRami Abboud氏によると、「まずは自分の足に合っているかどうかが重要で、高いほどよいというものではない」という。 今回の研究では、男性43人(平均29歳)が、大手メーカー3社の製品をそれぞれ3種類、計9種類のシューズを試用。被験者は足および歩行に異常はなく、足のサイズは8~10(米国サイズ、日本サイズで約26.5~28.5cmに相当)。各メーカーそれぞれ、小売価格80~90ドル(約9,360円~10,530円)、120~130ドル(約14,040~15,210円)、140~150ドル(約16,380~17,550円)の製品を対象とした。被験者が履き心地について主観的に評価したほか、センサーを取り付けて走行し、足底圧(足底が地面に当たるときに生じる衝撃)をはじめ、足のさまざまな部位にかかる圧力を測定した。 その結果、価格にかかわらず履き心地には有意差がないことが判明。衝撃吸収については、足の部位によっては一部の靴が優れていたが、明確なパターンは認められなかった。実際、安価な製品の方が高級品に比べ足底圧が低かったが、この差は統計学的に有意なものではなかったという。 この知見について、専門家の意見はさまざまである。ある専門家は、価格は履き心地と保護効果だけではなく、寿命にも関わっていると指摘。数カ月から1年ほどランニングに使用した後、緩衝性の持続を比較すれば興味深い結果が出ただろうと述べている。別の専門家は、ランニングシューズを選ぶ際には試し履きだけではなく、走ってみる必要があると指摘している。いずれにしても、価格と品質が無関係であるとの点では見解が一致しており、「高級車でなくても快適な乗り心地が得られるのと同じこと」だという。(nikkei参考)