MRIやPETスキャンなどの脳画像を利用した研究で、男性同性愛者(gay men)と女性異性愛者(straight women)、女性同性愛者(lesbians)と男性異性愛者(straight men)の脳にそれぞれ著明な類似性のあることが示され、米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」オンライン版に6月16日掲載された。
性的指向に関する神経生物学は現在もさまざまな議論を呼んでいるが、いくつかの研究から、同性愛者では性に無関係の脳領域に、性別の異なる異性愛者との類似性がみられることが示されている。
スウェーデン、カロリンスカ研究所(ストックホルム)による今回の研究では、90人(異性愛者の男女それぞれ25人、同性愛者の男女それぞれ20人)を対象にMRI(磁気共鳴画像診断)を実施。その結果、男性異性愛者と女性同性愛者は左脳よりも右脳が大きく、男性同性愛者と女性異性愛者は左右の脳がほぼ同じ大きさであることがわかった。被験者のうち50人については、さらに左右の扁桃体(amygdala、闘争逃走反応などに関与する脳領域)の連絡を分析するためPET(陽電子断層撮影法)検査も実施したところ、やはり女性同性愛者と男性異性愛者、男性同性愛者と女性異性愛者がそれぞれ類似する反応を示したという。
このような性差は、環境、遺伝または性ホルモンのいずれか影響によるものと考えられるという。遺伝と性的指向に関する最新の知見では、遺伝子は男性同性愛には関与するが、女性の同性愛には無関係とされている。また、出生前の性ホルモンへの曝露が性的指向に影響を及ぼすとする説もある。今回の研究では性差の背景にある理由はほとんど明らかにされていないが、新たな議論を呼ぶのは確実だと研究グループは述べている。nikkei参考
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Last updated
2008.07.30 13:11:43
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