水中華族

　チャット上の会話で「パフェ」についての話題が出た。
　これは「パーフェクト」の略なのだが、そこから「パフェは食べ物だ！」というネタを見て、途端にパフェが食べたくなる。

　しばらくお腹を空かせて落ち。（正確には、途切れて落ちちゃったんだけど。）
　そそくさとデニーズへ向かう・・・途中、どうでもよくなってきた。別にパフェが食べたくもなくなってきた。

　そもそも、パフェという喰いモンがよくわからない。あれは何を意図して、あんなお菓子の塔を積み上げるのだろう？そして何故それを見て「喰いたい」と思ってしまうのだろうか？我ながらよくわからない自分を発見。

　結局、デニーズではオムライスを注文。パフェにも目を向けようとしたが、「パフェ」ではなく「サンデー」という名称のよく似たものが２品だけ。何かね、パフェは商標か何かだったりするのか？

　パフェとは不思議なものだ。上のデコレーションされた部分を見るととても魅力的なのだが、グラスの下のほうの嵩を増すために敷かれたコーンフレークなどを見るともの悲しくなってくる。
　いつぞや、うちの弟がパフェを頼んだときのこと。上の部分を完色して下の部分は残していた。「自分で頼んでおきながら残すのかよ」と訊いたところ、「いや、これがパフェの正しい喰い方なんだよ。俺は上の部分が喰いたいから注文した。下の部分はグチャグチャでドロドロで不味いだろ？だから喰わないんだよ。」と言ってたっけな。
　それを聞いて、目から鱗が落ちた気がしたっけな。
　恵まれない国の少年達に顔合わせできないが、これが正しい喰い方なのだろう。

　しかしその喰い方は、自分で金を払うときにはちょいと躊躇する。
　デニーズのパフェ（サンデーだけど）の場合は確か650円くらい。ラーメン屋なら並で一杯の料金だが、それでその「パフェの上の部分」だけというのは・・・贅沢にも程があるというもの。

　結局、その日はデザートを取らずに会計を済ませた。
　そのうち、美味いパフェでも食べに行きたいと思った夜は、寒かった。